第5回2023年10月21日Re:投稿

 

 


【ファンタジー編】


二人が現れた場所は、地平線の見える草原だった。
千夏「あー、疲れたねぇー」
勇作「うん、色々あったねぇ」
二人は草むらに仰向けで寝転がっていた。
千夏が勇作の方を見た。

千夏「ねぇ、勇作ぅー、何か勇作じゃないみたい」
勇作「えっ、どうゆうこと?」
千夏「うーん、何かイケメンになったよ」
勇作の顔がみるみるうちに赤くなった。
千夏「顔赤いよ、ハハハハハ」
勇作「そうゆう千夏だって、何か、、、、胸が大きくて綺麗になってる、ような」
千夏「えー、そうなの? フフフフ」


 

 「お腹すいたね」
勇作「はいこれ」
勇作が千夏にチーズバーガーとコーラを手渡した」
千夏「えーっ! どうしたのこれ?」
勇作「俺、何でも出来るんだよ」
 「こんなことだって」
勇作が少しジャンプすると、ロケットのように天空へ舞い上がった。
千夏「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
勇作があっという間に戻ってきた。


千夏「へえー凄いねぇー」
二人はピクニック気分でチーズバーガーとコーラを食べていた。
千夏「ねぇ、私天国にいる前はどうしてたの?」 「屋上で未来人と戦って、非常階段の柵から外に落ちて、そのあとの記憶がないの」
勇作「君は地獄に行ってたんだ、自殺したとみなされたらしい」
 「で、俺が助けに行ったのさ」
 「地獄で二人の魔人と戦ったよ、ほんと必死だったんだ」
千夏「そーなんだー、全然覚えてないよー」
勇作「で、天国から地獄に人を助けに行くなんて、掟破りなことしたから罰としてここに来たのさ」
千夏「そうだったんだ、助けてくれてありがとう、勇作」
勇作「だって、千夏がいない世界なんて幸せじゃないからさ」


千夏「ゆうかはどうてるのかしら、、、」
勇作「アクアさんが言うには、うちの両親が引き取っているらしい」
千夏「よかったぁ無事で、あの時私必死でゆうかにバリアを張ったの」
勇作「偉かったな、おかあさん」
 「よし、じゃ行こうか」
千夏「何処へ?」
勇作「さっき飛んだ時、西の方に町が見えたんだ、そこへ行こう」
千夏「どうやって? 私は飛べないよ」
勇作「それじゃ」
米軍仕様のハマーH1 が現れた。


千夏「うわっ凄い、これなら楽ね」
千夏は助手席に座って、勇作が運転した
千夏「なんか、生まれ変わって、姿も変わって、第2人生の始まりね」
勇作「うん、ここでは俺たちは、スーパーマンみたいなヒーローになれるかもね」
千夏「なんか楽しそう」
勇作「でも気をつけなきゃね、目的は5人の魔人を倒すことだからね」
千夏「そうだね、強くならないとね」
 「そういえば、勇作がアクアさんを見てる目がなんかイヤラシかった
ヨー」

勇作「そんなことないよぉー」
千夏「顔、赤いよ、ハハハハハ」
勇作「ない、ないからぁー」
千夏「アハハハハハ、いつもの勇作だぁー、楽しいなぁ」


【西の町エルドラに近い場所】
町に入る前にハマーを降りて車を消した。
二人は歩いて町に入った。
千夏「あっ、耳がとがっている人がいる」
勇作「あれはエルフ族の人だよ」
千夏「エルフ族? 何で知ってるの?」
 「動物の耳や尻尾がある人は?」
勇作「それは亜人だね」
 「異世界 RPG ゲームの登場人物だよ」
 「たぶん、ドワーフや妖精、巨人族、魔法使い、ドラゴンなんかもいるかもね」
 「取り敢えずギルドに行ってみるか」
千夏「ギルド?」


勇作「この服装は目立つな」
勇作が指をパチっと鳴らした
勇作「どお、ジェダイの騎士みたいだろ」
千夏「うん、動きやすいね」
 「それに町の看板が読めるわ」 
勇作「あそこがギルドだ、行こうか」
二人はギルドに向かって歩いた。
ギルドの扉を開ける。
ウェイトレス「いらっしゃいませー、空いてる席にどうぞ」
二人は柱の蔭になる席に着いた。
ウェイトレス「ご注文はお決まりですか? 」
勇作「この町初めてなんですけど、お勧めありますか」
ウェイトレス「チーズとハムのサンドイッチとワインなんてどうですか?」
勇作「じゃあそれを二人分」
 「あっ、ここの通貨はどうゆうのですか?」
ウェイトレス「こんな金貨と銀貨と銅貨の3種類ですよ、裏はこんなの」
勇作「それなら大丈夫だ」
勇作は懐から巾着袋を出すとコインを鷲掴みして手を開いた。
勇作「金貨、銀貨、銅貨、うんあるある」
コインをテーブルに広げてウェイトレスに見せた。
ウェイトレス「それじゃーすぐお持ちしますね」
千夏「すごいねー勇作は、それも魔法だよね」
勇作「うん、想像すると大抵のことが出来るんだ」
ウェイトレス「お待たせしましたー」
千夏「美味しそう~、頂まぁーす」
 「うーん美味しいー! なんか味がはっきりしてるよ」
勇作「やっぱり力で出したものはそれなりだね」
千夏「ねぇ、これからどうするの?」
勇作「うん、魔人たちの情報を集めないとね」
 「その為にはクエストに参加するパーティとして登録しないと」
千夏「クエストって?」
勇作「そうだなぁ、悪さをする魔獣を退治して欲しい依頼主が賞金を出して依頼する求人募集みたいなものに応募して、森や城、洞窟に行って魔獣と戦うんだ」
 「城や洞窟をダンジョンって言うんだ」
千夏「ふぅーん、よく知ってんのね」
勇作「パーティって言うのは、剣士、魔法使いが 5~6 人のグループになってダンジョンに行くんだ」
 「魔獣をたくさん倒して有名になれば、ギルドを通さず直接クエストの依頼が来るようになるんだよ」
 「あと、取り敢えず住む家を買わないとね」
 「ずっと宿屋に泊まるのは危険だからね」
千夏「うん、この世界のことは勇作に任せたよ」
勇作「なんかこの世界は魔力が豊富な感じがするから負ける気がしないんだ、無敵だぞ」


勇作「不動産屋さんに紹介された物件は、たしかここだな」
周りが庭の小さい小屋
 「これはいい、ねえここにしようよ」
千夏「えー、なんか寝るとこだけで一杯じゃないのぉ」
勇作「もー俺が魔法使いって忘れたの?」
 「あの小屋はただの入り口に過ぎないのさ」
千夏「なるほどぉー、頭いいねぇー」
勇作「別の空間に大豪邸だぜ」
 「そして、悪者が侵入すれば迷路行きになるのさ」
 「あと、ギルドじゃ大した情報なかったから、虫たちの視覚と聴覚を使って情報を集めることにしたよ」
千夏「へぇーでも虫って一杯いるから大変じゃない?」
勇作「大丈夫必要な情報だけキャッチ出来るのさ」
千夏「じぁ私は、ギルドのウェイトレスさんにするよ」
勇作「おっ、いいねぇそれ、これで家にいても情報が集められるね」
 「よしさっそく取り掛かろう」
ぼろ小屋の中は、超豪華な屋敷だった。

 


【夕食】
千夏「ねぇ、これからの計画はあるの?」
勇作「そーだなぁ、もっと強くならないとなぁ」
千夏「そうだね、何か物騒なとこだし」
勇作「まずは魔法をもっと使えるようにならなきゃね、千夏ちゃんも」
千夏「勇作はさー、どうやって魔法使えてるの?」
勇作「そうだなぁ、イメージするんだよ」
 「攻撃技もイメージさ、例えば映画とかアニメの目から出る光線とか、千夏ちゃんもやってごらんよ」
千夏「うん、えいっ」

 


 

千夏が杖を壁に向けると赤い光線が出て、壁が直径 1mほどの穴が開いて穴の周りが熱で溶けた。
勇作「うわっ!すげぇー」
 「今の気合を入れてたらもっと強烈な破壊力だったよ」
勇作がパチッと指を鳴らすと壁の穴が塞がって元通りになった。
千夏「なんか凄いねぇ魔法って、早く戦いたくなったよ」 「しかし、色々あったねぇ、ゆうかはどうしてるかなぁ」
勇作「さぁーて、お風呂に入って寝よか」
千夏「うん、お風呂は温泉だよね」
勇作「とっても落ち着く和風の露天風呂だよ」
千夏「やったー! 一緒に入ろ! 早く行こ」
勇作「う、うん」
二人はゆっくりと温泉で疲れを癒した。
食事は、高級料亭並みの料理
千夏「うーん、この伊勢海老美味しいー」
勇作「今日は和室に寝よか」
千夏「うん、浴衣にしようよ」
 「それから、勇作」
 「そのイケメン止めて元に戻って貰いたいなぁ、寝るときだけ、私も戻すから」
 「その方が絶対落ち着くよ」
勇作「うん」
二人は布団に入るとスヤスヤと寝息を立てた
勇作「おはよう、ちな、、、あれ?いない」
勇作は布団から起き上がり窓を開けてウッドデッキに出た。
勇作「あっ、いた、心配したよ」
千夏「おはよう、勇作」
 「ここの景色綺麗ねぇ~」
勇作「そーだろー、俺がイメージした天国だよ」
千夏「ほんとにいいとこだよ、温泉あるし、和室でご飯も食べ放題で、いつ死んでもいいよ」
勇作「もう、一回死んだけどね」
 「じゃ、着替えて町をパトロールしようか」
千夏「うん」

 

つづく