第1回 2023年10月18日投稿

【大学生活編】

勇作「行って来まぁーす」
勇作は、高校3年生の男子、学校へ行くところである。
千夏「あっ、勇作。おはよぉー」
勇作「千夏ちゃん、おはよう」
千夏は、勇作の同級生で女子、教室の席が隣同士である。
成績優秀、スポーツ万能で男子のファンが多い、
いわゆるクラスのアイドルである。
勇作とは、家も隣同士で幼いころから家族ぐるみのつき合いだ。
千夏「いよいよ明日だね、入試」
勇作「あー、千夏ちゃんのおかげで落ちる気がしないよ」
千夏「へー、ずいぶんな自信だねぇー」
 「じゃぁ勇作、勝負しようよ」
勇作「しょ、勝負? ど、どんな?」
千夏「勇作が私より試験の点数が上ならば、勇作の勝ちってどお?」
(なっ!くっそー、千夏ちゃんめぇー俺を馬鹿にしやがってぇー)
勇作「い、いいよ」言いながら下を向く
千夏「じぁー、私が勝ったら一つ私の言うこと聞くんだよ」
勇作「あ~いいよ」
千夏「楽しみだなぁー、何お願いしようかなぁ~」
(千夏ちゃんめぇー!もう勝ったつもりでいやがってぇー、ギャフンと言わせてやる、今晩は徹夜で勉強だぁ~)
千夏「そうそう、勝負だからって徹夜で勉強したらダメだよぉ~、体調が一番大事だからね」
勇作「うっ、わ、わかってるよ」

(心を読まれた・・・)
千夏「それから、深夜アニメも見たらだめだからね」
勇作「そんなの見ないわ!」
千夏「あっはははははは」
(まったく、千夏ちゃんはいつもからかうんだから、くそっ)


【大学入試当日】
勇作「行って来まぁーす」
勇作母「忘れ物ない?」
勇作「うん、ないよ、3回確認したからね」
勇作母「 じゃ、がんばってね」
勇作「はいはい、行って来まぁーす」
千夏「あっ、勇作。おはよぉー」
勇作「千夏ちゃん、おはよう」
千夏「勇作、今日はお互いがんばろうね」
勇作「うん、がんばろう!」


【試験会場】
試験官「始め!」
一斉に解答用紙に書き込む音が広がる
勇作は、深呼吸をした。
勇作「よっしゃ!やるぞ」
カリカリカリカリカリカリカリ
試験官「終わり!鉛筆を置いて」


【大学食堂 千夏との待ち合わせ場所】
千夏「勇作、お待たせ、どうだった?」
勇作「燃え尽きたよ」
千夏「落ちないでよね」
勇作「なっ! え、縁起でもないこと言わないでよ」
千夏「アハハハハ、帰ろう勇作」
勇作「うん」


【合格発表の日】
千夏「あっ、私の番号あったぁ~、やったー!」「勇作は?」
勇作「あーっ、ああああああったぁぁぁぁぁぁ」「やったー、よかったぁ~」
千夏「よ、よかったぁー、ほんとよかったぁー」「う、うぇぇぇぇぇん」
勇作「な、泣いてる?」
 (俺のために勉強教えてくれて、がんばったもんなぁ)
 「千夏ちゃん、あ、ありがとう」
千夏「うんん、勇作が本気出したんだよ」
 「あっそうそう、私の勝ちだね」
勇作「えっ、本気だったの?」
千夏「当ったり前じゃん!」
勇作「で、何すればいいの?」
千夏「勇作、もう住むとこ決めたの?」
勇作「えっ、まだだよ、合格しない場合もあったし・・」
千夏「じゃぁ、同じとこに住んでよ、それが罰ゲームだよ」
勇作「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
千夏「やなの? 私のこと嫌い?」
勇作「えっ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
 「そーじゃないけど、親が何て言うか」
千夏「勇作、顔赤いよ、何考えてるの? どうせエッチなこと考えてるんでしょう」
勇作「ち、違うよぉ~」
千夏「アハハハハハハ、じゃぁ、今晩おじさんとおばさんと話してよ、ねっ」
 「楽しみだなぁ~、勇作と同棲」


【勇作の家 家族全員で夕飯】
勇作母「勇作ぅ、大学合格おめでとー」
勇作父「おめでとう、よくがんばったな」
勇作妹「おめでとお兄ちゃん、奇跡だね」
勇作「ありがとう」
勇作母「4月から勇作は都会の人かぁ」
 「アパートとか住むとこ契約しないとね」
勇作父「そうだな」
勇作「そのことなんだけどね」
 「千夏ちゃんが、一緒のとこに住もうかって」
全員フリーズした。
勇作母「そ、それって、千夏ちゃんが言ったの?」
勇作「う、うん」
勇作母「やったぁ、よかったねぇ勇作、おめでとう」「ねぇ、おとうさん」
勇作父「あっああ、千夏ちゃんと一緒なら安心だ」
勇作母「ほんとねぇ、こっちからお願いしたいくらいよ、それを千夏ちゃんがねぇー」
勇作「えっ、いいの?」
勇作母「いいも何も、あっ、今からお隣に行こか、ねっお父さん?」
勇作父「そっ、そうだな」
勇作妹「千夏ちゃんが、お姉ちゃんかぁ~」
勇作「ば、ばか、まだ結婚なんかしないよ」 「学生だし」
勇作母「じゃ、お父さん、勇作、お隣さんちにいきましょう」
玄関が開く音「こんばんわー」
勇作母「あら、お隣さんだわ」
 「はぁーい」
 勇作家族、妹を除いて3人で玄関へ
勇作母「あら、皆さんで、こんばんわ」
 「ちょうど勇作から話を聞いて、今からそちらにお伺いしようとしてたとこなの」
 「どうぞ、あがってー」
千夏家全員「おじゃましまぁーす」
勇作母「和室にどうぞ」
全員が座ると、台所から藍ちゃんが、全員分のお茶を配り始める。
千夏母「藍ちゃんよく気が利くわね」
藍「えへっ、お酒の方がよかったかな」
千夏母「あのぉ~うちの千夏が何の相談も無しに勇作くんと同棲なんて、ごめんなさい」
勇作母「何を言ってるの千秋、こちらからお願いしようとしてたのよ」
千夏母「千夏は強情で我がままよ、でもこの子勇作くんが大好きなのよ、昔から」
千夏「だ、駄目よ言っちゃー、ママったらもー」
勇作の顔が真っ赤になりうつむく
勇作母「千夏ちゃん、勇作をお願いね」
千夏母「こちらこそ、千夏のことお願いね、勇作くん」
勇作父、千夏父は小さく拍手した。
しかし、千夏父の目には涙があふれていた。
千夏母「あ~良かった、こうなったら結婚しちゃいなさいよ、あんた達」
勇作「お、おばさん!」
千夏「ママー!」
勇作「お、俺たち大学が決まっただけで、まだまだ父さん、母さんに世話になるのに、結婚なんて、駄目だと思う」
勇作母「あら、あんた結構言うのね」
 「でも、ここでちゃんとハッキリしといてね、千夏ちゃんへの気持ち」
勇作「えーっ!」
千夏の顔が真っ赤になりうつむく
勇作母「ほらほら~早くぅ、勇作」
勇作の顔が真剣な顔になった
勇作「お、俺、千夏ちゃんのこと大好きです。ずっと千夏ちゃんが側にいて欲しいと思ってました」
全員「おー、言った言った」
全員が拍手をした
千夏「勇作」
千夏母「それじゃ決まりね、千夏のことよろしくね」
勇作母「千夏ちゃん、勇作をお願いね」
 「じゃ、乾杯しましょう」
勇作妹「やっぱり、お酒だったわね、準備するね」
宴会は深夜まで続いた。


【卒業式】
校長「諸君、卒業おめでとう、ここで過ごしたことは大切な思い出として忘れないで下さい」
卒業式は、普通に終わった。

 

【教室】
全員席に着き、担任が話をしている。
千夏「勇作、やっと終わったね、高校生活」
勇作「うん」
千夏「もう勇作にこんなことできなのかぁ」
千夏が勇作の脇腹を指で突いた
勇作「ひゃ! あっはははは、千夏ちゃんや、やめてぇ~」
担任「こらぁー! 勇作ぅー」
 「そして、千夏ぅー」
 「お前ら、最後まで夫婦漫才しやがってぇー」生徒全員笑う
勇作と千夏「すいませーん!」


【引っ越しの日】
勇作「千夏ちゃんの荷物かなりあるね」
千夏「うん、全部勇作のためだからね」
勇作「なっ! なんでぇ~」
千夏「だって、かわいい洋服とか化粧品とか全部勇作にかわいいと思ってもらうためなんだよ」
勇作「うっ」(何も言えない)
千夏「だから、服とかネックレスとか指輪とか買ってね、フフフフ」
千夏「じゃ、ママ、パパいってくるね」
千夏母「千夏、幸せにね」
千夏父「辛かったらいつでも帰って来いよ」
勇作「行くね」
勇作母「全然心配してないわ、しっかり勉強するのよ」
勇作父(うらやましいぜ、勇作よ)
勇作父は、親指を立てた
勇作と千夏は仲良く駅に向かって行った。


 

【都内ホテルの部屋】
千夏「いやぁー疲れたね、勇作、よいしょっと」荷物を置く
勇作「なっ何でツイン・・・・」
千夏「だって、明日からずっと同じ部屋でしょ」
勇作「そっ、そうだけどぉ、こ、心の準備が、まだ」
千夏「相変わらずだねぇ、中学生かよ、ご飯食べに行くよ、早くしてよ」
勇作「うん」

 


【ファミレス】
千夏「ねぇ勇作、明日から二人で生活するでしょ」
 「だから、ルールを作ろか、二人で、ねっ」
勇作「ルール? そんなのいるかなぁ、別にいいけど・・・」
千夏「じゃあね、まずは掃除、それぞれの部屋は自分でするとして、共有の台所、リビング、居間、お風呂、トイレ、玄関、あとゴミ捨てね」
 「それから、食事、買い物、あっ洗濯もだ」 「色々あるねぇ」
勇作「うぅぅぅぅぅ、おなか一杯だぁ」
店員「お待たせしましたぁ」
 千夏はハンバーグセット、

勇作はカレーライス
千夏「わぁー美味しそう」
 「勇作の一口ちょうだい、あーん」
勇作「や、やめろよぉ、は、恥ずかしいよ」
千夏「もぉ~、勇作ったら、すぐ真っ赤になるんだから、この調子だといつまでかかるのかしらねぇ」
2 人は食事を終えてコーヒーを飲んでいる。
千夏「ねえ、さっきの続きなんだけど、どうする?」
勇作「うん、俺は食事と洗濯は無理だから、掃除とゴミ捨て、あと買い物するよ」
千夏「じぁ私は、食事と洗濯するね、決まり!」
「食事は毎日 3食はきついなぁ、休みの日は外で食べようか?」
勇作「お金かかるよ」
千夏「結構ケチだねぇ、じゃあ勇作も手伝ってよ」
勇作「わ、わかったよ」
千夏「さてと、コンビニ行こう」
勇作「アイスとポテチでしょう、太るよ」
千夏「女の子に何てこと言うのよ、勇作のくせに」
 「罰として、ここ勇作のおごりね」
勇作「えぇ〜っ! ずるいよ〜千夏ちゃん」
千夏「あはははははは、あー楽しい」
2人はコンビニで、カップアイスとポテチ、コーラを買ってホテルの部屋に戻った。
千夏「そうそう、大事なルール忘れたよ」
勇作「えっ! まだ何かあるの?」
千夏「ほら、あれだよ、あ・れ」
勇作「あ、あれってなんだよ」
千夏「顔、真っ赤だよ、何想像してるの? エッチなことでしょう」

 「生活費のことだよ」
勇作「ふうー、そうだね」
千夏「とりあえず、家賃、光熱費込みで3万円ずつにしようか、私が通帳作って管理するよ」
 「余ったら貯金して温泉でも行こうか」
 「なんか新婚みたいだね、ふっふふふ」
 「勇作はそれでいい? 3万円で」
勇作「いいよ、お願いするよ、自分だけだと全部使っちゃいそうで助かるよ」
 「残りは2万円かぁ」
千夏「漫画とかゲームとか、買いたい放題だと思ってたんでしょう、駄目だよ無駄使いは」
勇作「そ、そんなこと考えてないからぁ」
 千夏ちゃんは、ほんとに心読めてるんじゃ・・・
千夏「さて、お風呂に入ろかな」
 「一緒に入る?」
勇作「えっ、無理無理、狭いしー」
千夏「ふぅーん、お風呂が広ければ入るんだ、一緒に」
勇作「ないない、広くてもないからぁー」
 まったく、男をなんだと思ってるんだ千夏ちゃんは、はぁ~
千夏がお風呂の間、勇作はテレビを観ている異世界ものアニメ「転生したら片思い」
千夏「勇作ぅー、タオルとってぇー」
勇作「えっ、何で持って入らないかなぁ」
タオルを持ってバスルームのドアをそっと開けて、タオルだけを差し入れる。
千夏「ありがとう」
 ちっ、今日はここまでにしておくか

 


【ホテルの部屋、朝】
勇作「わぁー、な、何で俺の布団に、千夏ちゃん!」
千夏「おはよう、勇作」
勇作が掛布を引っ張って体を隠す
千夏「きゃぁ、寒いでしょう」
 千夏は下着姿であった
勇作「ご、ごめん」
勇作は、飛び起きてトイレに行った
そして、鼻血を止めていた
千夏「ちょっと刺激が強すぎたか」
勇作がトイレから出ると千夏は既に服を着ていた。
千夏「大丈夫? 私顔洗うわね」
勇作「は、はい」
2 人はホテルをチェックアウトして 2 人が住むマンションの不動産屋へ向かった。
不動産屋の社員「いらっしゃい」
勇作「今日からお世話になる、西方です。マンションのカギを受け取りに来ました」
 「こっちは、同居人の高木千夏です」
不動産屋の社員「彼女さんと同棲ですか? いいねぇ、じゃぁこの書類にご記入をお願いします」
カギを受け取った 2人は部屋に向かう
勇作がカギを開ける
千夏「勇作、抱っこしてくれないの?」
勇作「なっ、何言っているのぉ~」
千夏「本気だよ、ほらほら早くぅ~運送屋さんくるよ」
お姫様抱っこをする勇作は千夏をやっと抱き上げた
勇作「う~うう」
千夏「笑顔笑顔、アハハハハ」
引越業者「おはようございます、荷物をお届けしました、フフ」
勇作は慌てて千夏をおろした。
2人は、部屋で荷物の置き場所を指示した。
引越業者「これで全部です、ではこの書類にサインをお願いします」
 「ありがとうございましたぁ、ではお幸せにぃ」
千夏「お幸せに、だってフフ」
勇作「ふぅー疲れたね」
ぐぅぅぅぅぅ、勇作のお腹が鳴る
 「千夏ちゃん、ご飯食べに行かない」
千夏「うん、あそこのイオンモールにいこ」
イオンモールで食事を済ませた 2 人は、部屋に戻って荷物を粗方出し終えて生活出来るようにした。
部屋は、千夏と勇作の部屋は別々で、キッチンとリビング、バス・トイレは別々、ベランダがある。
エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機などの家電が賃貸契約に含まれていた。
千夏「日用品は明日買いにいこうね」
 「夕食はどうする?」
勇作「疲れたから食べに行こうか」
千夏「ねぇ、コンビニのお弁当にしない、うんそうしよう、ね」
勇作「またアイスとポテチとコーラ買うんでしょ」
太るとは言わない、どうだ千夏ちゃん
千夏「違うよ、プリンと歌舞伎揚げとカルピスソーダだよ」
勇作「なっ、どこが違うんだよぉ、ほとんど同じじゃん」
言うだけ無駄だ、と思う勇作だった。
コンビニで買った弁当を食べ終わて、二人でソファに座ってテレビをみている。

勇作の携帯が鳴る。
勇作母「あんた何で電話してこないのよ、千夏ちゃんは無事なの?」
勇作「うっ、ごめん、忘れてた、荷物出しが一日かかって疲れちゃって」
勇作母「お疲れ様、たまには電話するのよ、千夏ちゃんはちゃんと家に電話しているに、あんたはもぉ~、じゃぁね」
勇作「わかったよ、おやすみ」
 「かあさんからだった、千夏ちゃんは電話してるのに、って怒られた」
千夏「フフ、ドジだねぇ」
 「私、お風呂入るね」 「一緒に入る?」
勇作「いっ、いえいえいえ、一人でゆっくり入って」
千夏「はいはい、入りたかったらいつでもいいからね」
勇作は、自分の部屋で荷物の整理をしている。
お風呂から出てきた千夏が、ノックなしでドアを開ける。
千夏「勇作ぅ出たよぉー、入っていいよ」
勇作「いきなりドア開けるなよぉー、たまたま荷物整理してたからいいけど」
千夏「えっ、何でドア開けるとダメなのぉー、教えてよ、ねえねえ早くぅー」
勇作「普通駄目でしょうー常識として」
 「風呂に入る」
 慌ててパンツをつかんで風呂に行こうとする勇作だった。
千夏「何時でも部屋に来ていいからねフフ」 「顔、真っ赤だよ」
次の日の朝、また千夏が勇作の布団の中にいた。

 

つづく