これは90年代のアメリカであったという話。

現在でも完全な治療法がないとされている後天性免疫不全症候群(エイズ)。
様々な感染ルートがあるが主な感染ルートは性行為、その他に注射器の使い回しも多いといわれている。

さて、90年代のアメリカ。貧困街を中心にエイズがアメリカに蔓延した。
その原因の一つに麻薬を打つ為の注射器の使い回しがあった。

困ったアメリカ政府はなんと、

注射器とコンドームを無料配布したのだった。

つまりエイズの蔓延を防ぐ為に麻薬の蔓延をある意味見過ごしたのだった。
それほどアメリカ政府はエイズを重く受け止めていたのだった。

日本は世界から見るとエイズの関心が低い。

映画マトリックスをご存知だろうか?
詳細、内容は拝見して頂きたいのだが興味深いのはその設定である。

我々がいま生きているのは仮創現実の世界。つまりコンピュータ上のプログラムのような世界であり、我々はプログラムされた一定のルールに従って活動している(例えば、重力を設定すれば空を飛ぶことはできないなど)。

我々が感じること、それはすべて脳という機能の作用により与えられる伝令であり、まさにプログラムである。

仮にこの世界が現実世界であると定義しよう。
現在の科学力から考察するところによれば人と同じような反応をするプログラムを作り上げることは決して不可能ではないだろう。

そうして作り上げられたプログラム人間は、我々が制御した世界の中で活動する。
彼らは自分を人であると認識するだろう。

あなたはプログラムでないと自信を持って言えるだろうか?
感じることで現実と判断する我々。感じることさえプログラムかもしれない。

その時あなたはどのように現実と仮創を区別できるのだろうか。

ある男性が中古車を買った。

高年式低走行距離にも関わらず破格だった。
さらに嬉しい事に高性能カーナビも付いていた。

男性は納車された日の夜、ドライブへ行くことにした。

カーナビを立ち上げてみると、前オーナーが登録したと思われるポイントがひとつだけあった。
そのポイントが家から近かった事と、特にドライブの行き先は決めていなかった事、そして好奇心から彼はそこへ行ってみることにした。

『次の交差点を右折です』

『約50メートル先の信号を左折です』

30分ほど走って、目的地に大分近づいていた。

しかし辺りは何もない山間の峠道。道幅も狭い。
少し不安だったが、ポイントはすぐそこだったのでそのまま車を走らせた。

『目的地に到着しました』

カーナビの合成音声がそう告げた場所には何もなかった。

車を降りて辺りを見渡すと、道路脇に枯れた菊の華と線香を焚いたような灰の跡があった。

気味が悪くなった男性が車に戻ろうと振り返った瞬間、案内を終えたはずのカーナビが言った。



『こ こ で 私 は 死 に ま し た』