特別から離れた、元特別の心
あなたの姿は、懐かしいあの頃のあなたの姿。余裕がなくて...。一人、心がざわざわして落ち着きを取り戻そうと廊下を歩いていた今日の休み時間。職員室の近くだったから色んな先生とすれ違い、挨拶を交わす。あなたはいない、あなたじゃないけどよく知ってる先生たち。階段を上りきると、曲がり角でいきなりあなたの姿が視界に入った。うつむき気味の私の視界に入ってきたのは、去年仲が良かったころにあなたがよく着ていた白いウェア。少しだけ、ほんの一瞬だけだけど、時間が止まったように思えてその景色がはっきり見えた。不意を打たれたように、口から「こんにちは」と小さくつぶやく自分がいる。あなたもまた、不意を打たれたように「こんにちは」と返す。余裕のない私の心がふわーっと解放されるのがわかった。と同時に、心配げに少し私の方を気にするあなたを視野見で感じた。あなたは、特別になることを望まない。去年の私とあなたは、特別になってしまっていたから…。あなたが望まないのをわかっているから、私も他の先生と同じようにかしこまって挨拶をする。去年のあの頃なら、校内でバッタリ会うと少し会話を交わすのが日常だった。ただ、他の生徒にそれをしていないあなたは、そのほんの少しの会話すらも特別だと考える。だから今は許されない。だけど、特別じゃないけど...。あなたが知ってくれている私の秘密も、共に交わした短くて濃い時間も、あなたの中には残っている。その事実を今日のあなたの視野見で無意識的に感じて不思議な感覚に陥った。あなたが私のいないところで言ってくれていた「嫌いじゃないんだよ、むしろね好きなタイプなの麻瞳花みたいな子。でも今はあの子のためにも話すのは良くないと思うんだよね…。」という言葉が脳裏に浮かんだ。やっぱり、私はあなたのことが好きです。憧れであり、尊敬する存在であり、居心地の良い相手であり、大好きな人。また戻れる日が来るのを楽しみに…。今は、私がやるべきこと=あなたの望むことを頑張るだけ。こんなにも、心から離れない素敵な人に出逢えた私は幸せ者...。あなたには、心の底から『ありがとう』って絶対にいつか伝える。