こんにちは。
ペチャ子です
（1年前の振り返り記事です）
遺伝性乳がん卵巣がん症候群（HBOC）が判明し、
卵巣がんのリスク低減のため
予防的に卵巣切除手術を受けた。
これで一連のがん騒動に終止符を打てると
期待していたのに、
告げられたのは
卵巣への微小転移の可能性。
訳がわからぬまま乳腺科に向かい、
主治医の診察を受けた。
今でこそ、この医師が私の主治医だけど、
当時乳腺科に主治医と呼べる人はいなかった。
自分の仕事の都合にあわせて
休めそうな日に受診予約していたので、
受診の曜日はまちまち。
対応する医師は、毎回ちがった。
当時の私の病状は軽かったし、それで問題なかった。
しかし今や、私は特異な患者認定され
受診曜日も固定され、晴れてこの医師が主治医となりました。
おっと、話が逸れました
どうやら切除した卵巣を調べたら
1ミリ程度の小さな病変が見つかったらしい。
乳がんからの転移のようにも見えるが、
卵巣の原発がんの可能性も否定できない。
転移なのか、原発なのか、を調べるため
さらに詳しい病理検査に回している。
結果は次回。
他への転移の有無も調べたいので、
次回までに再度PET-CTとMRIを受けてもらう。
転移かどうか判明するまで、
治療方針は未定。
ここまでは、まぁいいのよ（良くないけど）
続けて主治医は言った。
「それにしても、
もともとの乳がんは極めて小さかったのに、
こんな初期の乳がんが転移するなんて
聞いたことがない。
こんな初期に転移されたら
乳腺科医としては手の打ちようがない。
お手上げだよ。」
な、なにぃ〜
？？
主治医とその後きちんと信頼関係を築けるようになった
今だから言えるけど、
このときの説明、下手すぎよね？
ただでさえ動揺している素人に、
聞いたことないよ、お手上げだよ、なんて
仮に事実だとしてもそんな言葉を使わないでほしかった。
今ならね、医師の言った意味はわかるのよ。
「がんが初期に転移する病気なのだとしたら、
これまでの標準治療は否定されてしまう」
という意味だということを。
でも、動揺していたこのときの私は
「こんな初期に転移するなんて前代未聞だから、
俺には手に負えない」
という意味に受け取った
私からしたら、
この日、転移を宣告されるなんて、
想定外も想定外。
青天の霹靂以外のなにものでもない。
それでただでさえ動揺してるところに
難しい説明をたくさん受けて、
頭が混乱しまくっている中で、
医師にお手上げと言われたら、
そんな風に受け取っても無理はないと思う。
このときの私は、
「乳がんの転移のように見える」というのが
どういう意味なのかもわからなかったし、
転移と卵巣原発となら、
どちらの方がいいのかも分からなかったし、
そもそもなぜ乳腺科で説明を受けているのかも
わかっていなかった。
とにかく
何がわからないのかも、わかっていないほど
混乱しているところに、
「お手上げ」という言葉だけが強く印象に残った。
見捨てられるのかなー
と、ぼんやり考えながら
おそるおそる
「反対側の乳房にもしこりが
あるように思うんですが」
と切り出してみた。
主治医は、一瞬
「そんな訳ないでしょ
またまた〜」
という表情を隠さなかったが、ひと通り見てくれた。
エコーまでしてもらったのかは
記憶がないんだけど
私もかなり動揺していたみたい
PET-CTやMRIを撮る話になっていたので、
詳しくはそこで見ることになった。
そして、PET-CTやMRIの結果が出揃う
次の診察には
ご主人も同席いただきたいと
言われた。
とうとう来たか、家族の同席
乳腺科の待合室には
ご夫婦でいらしている患者さんもよく見るけれど、
私はそれまで一度も
夫に来てもらったことはなかった。
今日は私のがん卒業式くらいのつもりだったのに、
まさか夫を巻き込んで
この先どっぷり浸かることになろうとは
ただただ暗〜い気持ちで、帰路についた。
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