幼稚園のころからあった場面緘黙は、小学校低学年のころまでは続いていました。
でも、いつのまにか少しづつ話せるようになっていたようです。
ある時担任の先生から、「いつの間にか話すようになっていましたよ」と言われました。
その言葉を聞いた時は、本当に安心しました。
この子はこのままずっと、外では話せないんじゃないか。
大人になっても、人と話すことができないのではないか。
そんなことを心配していたからです。
いつの間にか緘黙もなくなり、お友達もできました。
学校では特に問題行動もなく、成績も中の上くらい。
先生から見ても、周りのお友達から見ても、一見、何の問題もない子に見えていたと思います。
私も、外で普通に過ごせるようになったことを、とても嬉しく思っていました。
でも。
家の中では相変わらず癇癪がすごかった。
姉妹に対しても、些細なことで噛みつくように怒ります。
今でも覚えていることがあります。
ある日、次女が公園に遊びに行きたくて、妹を誘いました。
妹は、お姉ちゃんと一緒に遊べると思って喜んでついていきました。
ところが、公園でちょっとしたことで喧嘩になった。
そして次女は、まだ小さかった妹を公園に置いたまま、自分だけ帰ってきてしまったのです。
「どうして、妹を置いて帰ってくるの?」
私にはその行動が理解できませんでした。
また、別の日には、夕食のメニューが自分の気に入らないものだったことがありました。
「別のものが食べたい」
と要求してきましたが、それが通らないと怒り出し、食事をひっくり返して、お皿まで割ってしまいました。
また、ある時は、夜更かしをして、翌朝起きられない。
注意すると不機嫌になる。
そして、「ムカつくから学校休む」
と言う。
そんなこともありました。
今思い返しても、まだまだいろいろなことが出てきます。
当時の私は、毎日のように考えていました。
何でこんなにわがままなんだろう。
私の育て方が悪かったのかな。
甘やかしすぎたのかな。
それとも、逆に厳しすぎたのかな。
どうすれば、家の中でも、外で見せているような落ち着いた姿でいられるんだろう。
学校ではちゃんとできている。
お友達とも普通に過ごせている。
なのに、どうして家ではこんなに大変なんだろう。
私はその答えがわからないまま毎日を過ごしていました。
今になって振り返ると、当時の私には分からなかったことが、少しづつ見えてくることがあります。
でも、それはもっとずっと後になってからのこと。
この頃の私は、ただ「どうしたらこの子が落ち着いてくれるんだろう」と、そればかり考えていました。