初キャンプツーリング~3日目  飛騨高山、利賀河合線、五箇山 | 原付JOG(50cc)で旅に出よう!

原付JOG(50cc)で旅に出よう!

YAMAHAスクーター JOGでのキャンプツーリング日記。自分では特別なことをしている意識はないですが、旅で出会った方には大変驚かれます(笑)
キャンプ道具一式を積み12日間の旅をしたこともあります。工夫次第で原付でもロングツーリングを楽しめますよ。

初キャンプツーリング~3日目(2015.7.26) 

朝6時に目が覚める。
今日は五箇山まで行きそこでキャンプ予定だが、途中、飛騨高山と白川郷にも立ち寄る予定。

原付で遠出をするようになりiPadの「マップ」アプリの「徒歩」をカーナビ代りとして使用してきたが、飛騨高山から五箇山へ向かうルートが通行止めの道がルートとして表示されていて、大変な一日となったが後程ご紹介したい。

7時過ぎにキャンプ場を出発した。今日もいい天気のようだ。
 

 

 

 <奥飛騨の山々と清流: 合掌の森中尾キャンプ場からの急勾配の坂の途中にて>

平湯を経由して、9時頃に飛騨高山に到着した。

時間貸し二輪パーキングを見つけたのでそこにJOGを停めて、観光客で溢れる中心街へと繰り出した。
飛騨高山は数年ぶりだが、数年前の記憶がおぼろげながら蘇ってくる。
宮川朝市ではたんぱく質補給に飛騨牛串も買ってみた。

古い街並みでは酒蔵にも立ち寄り、贅沢にも朝っぱらから飛騨の美味しい日本酒を頂いた。

飛騨牛と日本酒、そして情緒あるれる古い街並みと、一通り観光を終えたところで高山市街を後にした。

出発前に購入したツーリングマップル関東・甲信越版では上高地より西側は範囲外であった。

そこで仕方なく、iPadの「マップ」アプリを頼りに五箇山まで行くことにした。
ちなみに、この「マップ」アプリなるもの最初からインストールされているもので、出発地も目的地を打ち込むと自動車道の経路が表示される。しかし、完全なカーナビアプリではないために、高速優先とか下道優先とかの選択はできず、「車」と「徒歩」の2種類しか選択できない
「車」ルートには当然のことならが、高速や自動車専用道路といった50cc原付では通行不可の道路が標示されるために、「徒歩」ルートを原付用カーナビとして利用していた訳である。

高山から白川郷へ行くには飛騨トンネルが最短ルートだが、原付は通行不可である。
マップアプリの「徒歩」ルートに従い、360号を通って白川郷へ行くことにした。

41号を北上して飛騨古川を通過、360号に分岐する付近に来て初めて、360号が災害のため白川郷方面へは通行不可となっていることに気付く。

何だよ通行止めだったのかよォ、、と愚痴をこぼしつつ、白川郷への別ルートをiPadで探してみたが、荘川の方をぐるーっと遠回りする経路でした白川郷へは行けなさそうである。

既に午後1時。今から白川郷経由で五箇山に行ったのでは到着が何時になるのかわからない。。

そこで、白川郷観光は帰りに残しておくことにし、今日はそのまま五箇山へ直行することにした。おそらく普通に原付で走っても2時間くらいはかかるだろうから、到着時刻は夕方のいい時間になるだろう。

iPadマップの「徒歩」で五箇山へのルート検索をすると、くねくねしながらも五箇山方面へ直線的に伸びている道があった。
471号を北に進んだ楢峠から34号(利賀河合線)を通るルートだった。

よし、この道で行こうと、360号を引き返し471号を北に向かった。

楢峠までは道幅の狭い上り坂であった。
この旅の直後、ツーリングマップル中部北陸版を購入したが、「舗装の荒れた狭路。ロードバイクは避けたい」と注記されている道だった。。
そんな道を原付でトコトコと進む・・・(苦笑)

峠の途中に差し掛かると、前方に車両通行止と書かれたフェンスが見えてきた。

ん?? もしやワタクシの進もうとしている道はまたしてもこの通行止めの道ではないだろうか・・?
不安がよぎる。
原付を停めてiPadで確認しようとするも、iPadは圏外となっていた・・・
ウッ・・・
ツーリングマップル関東甲信越版は掲載対象外、そして頼みのiPadも圏外ときた。
完全に手詰まり状態だ。。。


通行止め道の横には、そのまま471号を北へ向かう道がありそちらは通行可能だが、五箇山から大きく外れる経路であろうことは容易に予測が付く。
かと言って元来た道を引き返しても、五箇山へ行くルートが他にあるわけじゃない。。

さて、どうすべきか・・と考えていると、通行止めフェンスの横にバイクが通行できる隙間があることに気付く
ええぃ、このまま進んでしまえ! (もし通行できなかったらまた戻ってくればいいだけだ、、)
と原付でフェンス横を通りぬけ強行突破の道を進んだ。

目的地まで辿り着ける確率は五分五分だろうか。。
でもどんな道路状況かわからないし、ひょっとすると通れるかもしれない。
冒険しているようでワクワクした気分になってきた・・

道は舗装されており、所々にがけ崩れの後と思われる岩が転がっているが、バイクが通行できないような道ではない。
どれくらいの期間通行止めになっているかわからないが、道路へ大きく茂りだしている沿道の草を状況を見る限り、相当期間通行止めになっている模様だ。


しばらく進むと舗装路が終わり、土と泥の道へと変わった。
土の道をさらに進むと岐阜と富山の県境のゲートがあった。
幸いゲートは開けられていたのでそのまま富山県側へと入る。

そのまま富山県側へ入ると、道は土から石(岩)のオフロードへと変わった。
昔よく丹沢の山道を車で通行したことがあったが、まさに同じような路面状況だった。

道路がところどころ陥没し、大きな岩があるので路面を注意しながら走行した。
タイヤ修理キット等を携行してないので、パンクさせることは最悪の事態と言える。
パンクしないよう鋭利な石を避けて注意深く進む。

石の道をかなり長い時間走行した。
原付がガタガタと上下に揺られ、ステップの荷物も何度か地面に落ちた。腰がだんだんと痛くなってくる。
時間も夕方4時を過ぎている。急ぎたいが、オフロードの道のためパンクが気になりスピードを出すことができない。

途中路面の読み誤りがあり、大きな岩に乗り上げてしまい、原付の底をガキッと2回くらい擦ったが一応問題はなかったようだ。

通行止めの道だが、がけ崩れによる岩が途中の路上にあったので自動車通行は難しいだろうが、バイクの通行は遮断するような障害物には今のところ遭遇していない。


石の道は途中から、舗装路に変わり、スピードを出せるようになり、走行中の快適性といい舗装路の有難味を実感する。

道の上をところどころに川が横切っていたが、バシャと音を立てつつそのまま通過した。

ふと、道路のすく横に大きな池があるのに気が付く。
その不思議な光景にJOGを停めて、写真を撮った。


 <利賀河合線: 道路脇の澄んだ池>

水は透明でオタマジャクシがたくさん泳いでいた。
しかしなんでこんな道路のすぐ脇に池があるのだろうか・・・

結構な深さもあるし、脇見運転してたらドッポンですね。。

道路上に川が流れていたり脇には池があったりと、道路の大胆さに驚いていると、前方道路上に倒木があった。

 <利賀河合線: 道を塞ぐ倒木>

幸い、道の左側部分に原付がかろうじて通れるような空間があったので、そこをバイクを押しながら通り抜けた。
大型バイクだったら苦労したかもしれない。
ここまで進んできたのだから、通れるスペースがなかったら枝を切り倒してでも通行しただろう・・・(笑)

写真を撮る際に、電波状態を確認したが、未だに圏外だった。


舗装路を楽しんだのもつかの間、しばらく進むと道はまた石のオフロードへと変わった。
オフロードをゆっくり進むと、ダムらしき建物が見えてきた。

ここなら電波が入るかもしれない・・とiPadを確認するが以前、圏外だった。
随分と長い時間、通信圏外を原付で走っていることになるが、「そもそも通信圏外の道をルートで示すiPadマップアプリってどういう仕組みになってるんだ?」とマップアプリに八つ当たりをしてみる。

もし、ダムに管理人や従業員がいるなら誰でもいいから道を尋ねてみようと思った。
が、残念ながらダムには誰一人いなかった・・

通信圏内に入るまでは正真正銘ヤマ勘に頼って進むしかないが、これほど頼りないものはなかった。

そもそも自分がどこを進んでいるのかもわからなかったが、ダム横に通行止めの看板があったので後日の思い出にと写真を撮る。


 <利賀川ダム:通行止めの看板>

どうやら自分は利賀河合線を通行しているようだと少なくとも位置確認はできた・・

「この先災害のため通り抜けできません」って、そこを今通ってきたんだっちゅーの。しかも原付で...(笑)

ダムの近くに、無料キャンプ場があった。
キャンプ場なら周辺地図を示す案内看板があるかもしれないと期待しつつ、原付でキャンプ場に踏み込むが誰一人おらず、案内看板なるようなものもなかった。

既に4時。強かった日差しもいつの間にか夕陽に変わっていた。
今日中に本当に五箇山キャンプ場にたどり着けるんだろうか・・ 
頭のなかを不安がよぎる。。

ダムを過ぎるとゆるやかな傾斜の登り道だった。
舗装路だったら何の問題もないが、岩のオフロードだから車輪がところどころで空回りする。
バイクを押しながら四苦八苦して登り道を進んでいった。

と、そこへ前方にオフロードバイクが2台こちらへ向かって進んでくるのが見えた。

「渡りに舟だ!」
あの人達が近くに来たら道を尋ねよう。。

近づくと、オフロードバイク2人組みの方から話しかけてきた。
「どこから来たんですか? 岐阜からですか?」と。

「神奈川から来ているです。これから五箇山にいく予定だけど、迷っちゃって」と返すと、二人はとても驚いていた。
「神奈川から、しかもこのバイクで・・」と信じられないような表情だった。

最初ワタクシの姿を見て、ダム関係者の人かなと思ったらしい。それくらいこの道を通る人はいないらしい・・・(通行止めなので当然ですが)

オフロードバイクの二人組は地元富山県に方で、この道をよく通るらしい。
ちょうど私が通ってきた岐阜・富山県境までこれから走りにいくとのこと。。
春先にこの近辺でクマを見つけ、それ以来「黒いもの恐怖症」にかかっているようだ(笑)。
無料キャンプ場にもクマ出没注意という看板があり、その人曰く「おそらく日本一怖いキャンプ場じゃないか・・」と。


五箇山までの道を尋ねると、とても詳しく教えてくれた。

「間違っても○○トンネルまでは行かないでくださいね。あそこはホントに幽霊でますよ」と。
今になれば興味深い話だが、トンネルの名称までは忘れてしまった。
確かに富山の山深い場所だし、クマだろうが幽霊だろうが出てきてもおかしくないだろう・・


岐阜県側の471号から通行止めの道を突破してここまで来たことを話すと、「原付でこの道を進むなんて、猛者ですわ」と半ば呆れられているような賛辞の言葉を頂戴した。
利賀河合線を通って五箇山に行く人はまずいないらしい。

そんな道をよくもiPadは経路として表示したもんだ・・・と(笑)

よっぽどワタクシの奇行ぶりに感心したのか(苦笑)、うち一人が「ブログ用に原付の写真を是非撮らせてほしい」と言ってきた。。
どーぞどーぞと相棒JOGの写真を撮っていた。

その後オフロードバイクの二人に別れをつげ、教えられたとおりに道を進む。
その後も荒れたオフロードの道が相当の距離続いた。
しばらく進むと舗装路となり、教えられたとおり山の神トンネルを通過して、無事五箇山相倉集落にたどり着いた。
途中、迷いそうな分岐点がいくつかあったので、もしあのタイミングであの二人に出会っていなければ道に迷っていたかと思う。。

夕暮れ時だったが、 五箇山の素朴なのんびりした合掌造りをみるとやっとホッと一息をつくことができた。

 <五箇山相倉集落>
 
 
世界遺産隣接のキャンプ場にはワタクシの他に1名がテントを張っているだけだった。
急いでテントを設営し、夕暮れの五箇山の風景を見に行った。

夕暮れ時なので、家々の明かりが良く見える。

旅館となっている合掌造りの囲炉裏には、その日の宿泊客らしき外国人観光客の姿が外からでもよく見えた。

いわば相席状態で囲炉裏を囲んで食事をするようだが、外国人観光客はその「相席状態」に慣れていないらしく、顔に不安の表情がよく表れていた。
そんな表情を外から眺めて楽しんでいたワタクシはとても悪趣味だなとつくづく思った・・・(笑)

一通り夕暮れ時の五箇山を散策したあとは、原付を飛ばして近くのお店で食糧を購入し、その後原付で10分ほどの距離の五箇山荘という旅館の日帰り温泉でカラダを休めた。

温泉から戻ると辺りは既に真っ暗だった。
囲炉裏端で不安の表情を浮かべていた外国人は溶け込めているかな?と帰り際に再度覗いてみると静かではあるが他の宿泊客とともに食事をしていた。
外国人観光客の多い他の宿では笑い声が外に漏れてきたので、外国人観光客からすると宿泊客により当たり外れがあるのかもしれない。。

とはいえ、合掌造りのお宿に泊まること自体、貴重な体験なはずなので楽しんで欲しいと思う。


キャンプ場に戻ると相模ナンバーのソロライダーとご近所ですねと軽く会話を交わし、焚火の準備を始めた。

五箇山の夜は静かで虫の音が良く聞こえた。

焚火の炎を見つめながら、一日を振り返る。

難所を通り抜けてここまで来たという何とも言えない満足感で、自然ウイスキーが進む。

(※後日調べてみると、本日強行突破した利賀河合線は富山県道34号利賀河合線と呼ばれる険道マニアでも有名な開かずの険道だったようです。)


まるで神様がセッティングしてくれたかと思うほど絶妙なタイミングで道を教えてくれたあの二人には感謝し尽くせない。




<3日目(2015.7.26)の走行データ>
■出発時メーター:××,075km      
■到着時メーター:××,268km
■本日の走行距離 :193km
■天候: 覚えてないがたぶん快晴

<本日のガソリン給油>
■高山: 1.51L @134円、202円
■五箇山 : 2.51L @147円、368円

初キャンプツーリング ~4日目最終日 菅沼集落、白川郷、飛騨高山、神奈川
初キャンプツーリング~3日目  飛騨高山、利賀河合線、五箇山
初キャンプツーリング~2日目 霧ヶ峰、上高地、奥飛騨温泉郷
初キャンプツーリング~1日目  ビーナスライン、霧ヶ峰キャンプ場
初キャンプツーリング ~準備