誰しも食べ物の好き嫌いはあると思う。


かくいうワタシは偏食だ。

とにかく野菜は食べないし、肉も魚も進んで食べはしない。

食べようと思えば食べられるけど、食べない。


親が好き嫌いなおる様なご飯を作ってくれていればな、と思っていた。

この前までは。



母の話になる。


ワタシは幼い頃父を亡くした。

母からすれば最愛の旦那さん、子供の父親、一家の大黒柱を突然失ったのだ。


それから母は仕事に出る様になった。

まだ昭和の田舎、母子家庭ってだけで差別の対象になる時代だ。


朝は子供とほぼ同時家を出て、子供達より後に帰って来る。


母の1日を振り返ってみよう


朝起きて布団を上げる

子供達を起こす

自分と子供達の朝ごはんを作る

合間に子供達を着替えさせ、お皿を洗う

自分もメイク&身支度をして仕事に向かう準備

子供達を見送る

出勤とともにゴミの回収&ゴミ捨て

 

自分のお昼ごはんはどうしていたのだろう?

昔の事だ、コンビニなんて無かったからお弁当を作っていたのかもしれない。


1日仕事をして帰り

夕飯の支度をする(栄養バランスも考える)

夕飯の片付けをする

子供達の宿題を見る

お風呂をわかす

自分と子供達でお風呂に入る

お風呂でも子供達の頭と身体を洗う

お風呂を出て自分と子供の頭と身体を乾かす

パジャマを着せる

布団を敷いて子供達を寝かせる


最低限ザッと書いただけでもこれだけだ。


この間に掃除と洗濯が入る。


そして子供達の予定外の行動。


ワタシはオネショをよくした。

その度に敷布団をお風呂場で踏み洗いしなければならないのだ。


あとは風邪をひいた時。病院に連れて行って寝かせる。母はお昼休みの度に帰って来て様子を見て仕事に戻る。食事にも気を使い薬を飲ませる。


あと犬もいた。犬の世話は子供達の仕事だが、よくある話で段々母親しか世話をしなくなるパターンだった。


これに加え時々の行事、四季折々の準備

授業参観、父親参観、運動会、学芸会、毎年の法事、衣替え、大掃除、お正月の準備、等々……


コレが毎年、手を変え品を変え、日常の家事に至っては365日休み無く続いたのだ。

そしてそれを全て1人でこなしていた。


本当はもっと自分の人生を楽しめるはずだった。

余裕があれば料理のメニューを工夫したり、料理を教えたり、子育てを楽しめたかもしれない。

父を亡くした時、母はまだ若かった。再婚だって考えられたかもしれない。

1日ダラダラと何もしないで過ごす日が欲しかったかもしれない。だが子供達は3食食べるのだ。



母よ、今は耳も遠くなって身体も衰えて来たけれど、


アナタはなんて凄い人なんだ


世の中のどんな偉人よりも強く、優しく、我慢強く、私達を育ててくれた


誰よりも尊敬し、愛してやまない私達の母。



お母さん、一生懸命育ててくれてありがとう



そしてあの頃のワタシに言いたい。


我儘言わずピーマンぐらい食え。