WESTERN ELECTRIC KS-9365 600Ω:50KΩ CDライントランス | 禁断のKRELL

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WESTERN ELECTRIC 製 KS-9365 600Ω:50KΩ CDライントランス = MCフォノ昇圧トランス

 
 

 

 
 

WesternのCDライントランス = MCフォノ昇圧トランス。このライントランスを通すと
痩せていた音がグッと太くなる。またゲインが上がり、音圧レベルがかなり高くなる。


Westernで最上のものとされるライントランスは618Bですが、
トランスの巻き直しをしていない、レプリカではなくオリジナルでしたら

本物なら50万円以上になる。(最近だと90万という値付けもありました)
このKS9365はその618Bのような音がすると複数のディーラーからの
証言や知人からの推薦で購入しました。



Western トランスはどんな音が乗るかというと、琥珀色の色彩感で音を浮き彫りに
したような独特な音色感に支配されます。温度感が高くなり暖かい音色になる。

どちらかと言うと倍音や音数が少ない、直接音しか聴こえてこない淡白な

プログラムソースより、サラ・ブライトマンに代表される多重録音を駆使した、
荘厳な宗教音楽など、音数が多くソノリティ(音の響き)が豊かで

独特の浮遊感が特徴的なアンビエント系に絶妙にマッチすると思います。
 



クラシックの弦の音に潤いが足りないとか、冷たいCDの音に暖かみを

持たせたい場合に効果的です。とにかく耳辺りが良いアナログライクな
サウンド。低音が朗々と深々鳴るようになり、ボーカルは力強く、
グッと前に出てきます。甘やかな女声ウィスパーはソフトフォーカスの
魅力と言えるでしょう。管や弦の音の彫りが深くなり、
麗しい甘美な美音へと変化します。輝かしく心を躍らせるような音で、
聴く者をうっとりさせて、夢見心地に惹き込まれてしまう音の魅力はまさしく
Western electric の独壇場です。豪華絢爛で華やかな音であり、
サロンで演奏している様な優雅な音ですね。



アナログレコードはCDラインのレベルとは比べ物にならない
微弱な信号を増幅して聴けるようにするものですから、

フォノ昇圧トランスを兼ねているこのCDトランスはCDP/DAC
からの出力を可変出来て、できれば音を絞れるものが好ましいでしょう。

なければアッテネーターをCD-プリ間に入れて少し出力を絞るか

プリアンプのゲインを絞る。CDはレベル固定のものでも使えますが、

プリのゲインを低く出来ないと音圧が高すぎて音が歪(ひず)みっぽくなったり、

少し鈍(なま)ったりします。なので、使用環境やちょっとした使いこなしに

留意すれば、ナロウレンジにはなりますが、音の隠し味として

効力を発揮して、システムの音を往年のヴィンテージ
真空管アンプに買い替えたような、絶妙の風合であるとか、

色彩や味わいの深いWesternトーンに染め上げることが出来ます。
 
 
 
 
 
 
 
 
拙宅ではOCTAVE HP700プリアンプの前段で使いましたが、
このプリアンプは三段階のゲイン切り替えを備えています。
 

HIGH:25dB=18.5
MID :18dB=7.8
LOW :12dB=4
 
 
HIGHゲインだと音圧が高くなりすぎて破綻気味で音が割れてしまいます。
そこでLOWにすると歪みっぽさがなくなりバランスの良い音で聴けるようになりました。
 
 
 
 
 
 
 
FX AUDIO AT-01J ATTも使用してみました。-6dBのポジションがマッチしましたが
こうした余計な介在物を挟まず、プリアンプのゲインを絞るか、出力レベル可変可能な
CDP/DACで出力を絞ってプリ無しで使う方が、CDライン入力での使用ではお勧め。
 


CDラインアンプ用としてもDACの出力が二系統あれば
プリメインアンプ/プリアンプの入力セレクターで二系統を駆使することで、
曲によって、あるいは気分転換でアンプを切り替えるような
感覚で気軽に音の違いを楽しめる事が出来ます。

この個体の場合の接続の方法は黒いアース端子が付いている部分から

入力を差して、反対側の端子からから出力させるだけです。


CDP/アナログとプリメインアンプの前、

プリアンプとパワーアンプではプリアンプの前に入れて使います。
 
 
またはレベルを可変できるCD直結からパワーアンプの前に入れた場合は音圧が高くなり、
音が太くなるので駆動力が足りずに、低音が団子になって出てくるシステムの弱点が解消できます。
 



ゲインが高すぎるCDラインの入力は、必ず出力を絞らないと歪みっぽくなりますが
このトランスの性質を理解してアッテネーターで入力レベルを絞れば歪みもでないですし、
動作は全く問題ないです。トランスの断線による巻き直しはしていない、
このトランスは1960年代のオリジナルのままのものです。