大阪ハイエンドオーディオショウ2018 レポート | 禁断のKRELL

禁断のKRELL

ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

大阪ハイエンドオーディオショウ2018レポートします。

 
 
今年は二日目と三日目に行ってきました。
 
二日目は滞在時間は今回少なめで約四時間でした。土曜で天気も良かったものですから、
客足は上々の模様。混雑で快適に聴けないので早めに切り上げてきました。
本館の展示は行かなかったのですが、他は全てのブースと部屋を回りました。
 
三日目は六時間程滞在しましたね。最終日は二時間早く閉幕するのもあってか、
客足は一番少ないかも知れません。二日目の土曜日が混みあいますね。
 
 
 
 
 
 
AXISSは室井社長のキラリと光る明晰さと雄弁なトーク力が発揮されていました。
スコットランドのFYNE AUDIOは元タンノイのポール・ミルズが2017年に設立。
ブックシェルフのF500 定価9万8000円で女性ボーカルを80dBで何曲か聴かせて頂きました。
 
「スピーカーが消える。大変に色気がある。鳴りっぷりが良い。15cm同軸2way」
 
今回のオーディオショウでもとくに印象に残る音が出ていました。
 
F500 9万8000円とは思えない高いパフォーマンスで驚く。「ロー寄りで深みがある低音だが、
適度に抜けが良くベースはスッキリ見通しが良い。澄んだ低域で音階が分かる」
バスレフは位相反転させて低域を伸ばす。90度下向きに逃がしている。
パテントを申請中のべーストラックス技術を投入、厚化粧の低域ではない。
 
What's HiFi や HiFi choice など有名なオーディオ誌三誌の表紙を飾っており実物を見せて頂いた。
世界では既に動いている。日本でも100セット売れたそうです。
大阪ではシマムセンで取り扱いしており、これからは家電量販店でも買えるようになる。
Transparentの上位グレードのスピーカーケーブルやハイエンドパワーアンプが使われていた。
 
 
 
 
 
 
AXISS Fyne Audio F1 フラッグシップ 298万 大きな75mmツィーターを搭載する同軸2way
ダウンファイアー360度 底面に音圧を逃がす。リアルな打楽器が良かった。
MSB Reference DACとTransportで鳴らす。MSBはサンフランシスコの南の方、DCDで春の祭典を聴く。
 
FM acoustics FM711mkⅢ FM255mkⅡR 「洗練された透明な真空管みたいな音。
昔より若干だが音が薄いかも知れない。とくにメタルキャンタイプのトランジスターを
使ったモデルよりはっきりと薄くなっている。鮮度の高さやS/N比などのFMの弱点は
昔の製品より大きく改善されている。ノイズっぽさは普通は微塵も感じないほどに。
FMやOCTAVEはお店や外で聴いてもよさが分かる事が殆どない。
FyneAudioはF1も当然いいけど、F500の優秀さが特に印象的だった」
 
 
 
 
 
 
ハーマンインターナショナル REVEL AUDIO F228Be WAL 一本58万を
Mark Levinson 519 Mark Levinson 585.5 インテグレーテッドアンプ 160万で鳴らす。
「家に帰ってスピーカーの値段調べて驚いた。大変お買い時なモデル。
超ハイファイ志向で透徹した澄み切った音。暗めのLevinsonとは思えない明るい音色」
 
 
 
 
 
 
ハーマンインターナショナル JBL 4312G (12万/1本) が大阪で世界初お目見え。
 
「深く沈む低域。乾いた質感で少し派手さがある。箱鳴りはすぐ耳に付くが、
薄いキャビネットを積極的に鳴らしている。押さえつけられたところがなく開放的である」
 
 
 
 
 
ハーマンインターナショナル JBL DD67000 Mark Levinson №52L
余裕のある再生。タイトでドライ。歯切れがよく張り出しが強い、JBLは一発の迫力に凄みがある。
№52は下の筐体が増幅部で上の筐体がボリュームと電源部である。
Levinsonは三桁モデルがレギュラーラインで、二桁モデルがリファレンスラインである 。
 
 
 
 
 
アブサートロン Boulder 1120 284万 Boulder 1160 378万 WESTLAKE L03W10V
スピーカー、80dBで鳴らしていました。
 
「マイルド、聴き味が良い。柔らかい音、HOT、S/N比が高い」
 
と、マンガーユニットを使った昨年の東京や大阪とは印象が大きく異なっていました。
 
この感想の違いはウェストレイクのスピーカーの支配力だと思います。
 
 
 
 
 
 
 
オルトフォンジャパン 独Acoustic Solid社のアナログプレイヤーが鳴らされていました。
58dBと音量は控えめでした。鳴らされていたのはクラシック。
 
 
 
 
 
イースタンサウンドファクトリー 55dBとさらに音量は小さめで女性ボーカルが鳴ってました。
 
定員は二人程度の狭い部屋です。
 
食事に行っているのか、営業の方は不在のようでした。三日目は良い音で鳴ってましたね。
 
 
 
 
 
 
 
メース① HARBETHをEAR912 EAR534で鳴らす。78dB アナログ 室内楽。
「新しいHARBETHなので低域が緩く、暖かくナローで細部に拘らない、
かなり古典的な鳴り方。昔のHL-compactの方が現代的な鳴り方だった」
 
ステラの小さなAirFoceVはメースで聴けました。
 
 
 
 
 
 
 
メース②ではLUXMANの半導体のプリメインで鳴らしていたが、
「かなり古典的なテイストの楽器的スピーカーに球のアンプでは混濁してしまい、
半導体アンプの方が明らかに聴き味が丁度良い塩梅で、結果が良かった」
 
 
 
 
 
 
 
大阪初登場!ヨシノトレーディング Falcon LS3/5a EAR912 EAR509Ⅱ 82dB ノラジョーンズ
パラヴィッチーニは会場に来場されていた。彼は現在九州に住んでいて弟子が一人いる、
いまは日本とイギリスを行ったり来たりしている。これからマスタリングの会社を作る予定。
元々録音が本業でグラミー賞も受賞。「ブースの音はまだ部屋の特性を把握しきれていないのか、
TIASの方が上です。あとディアパソンのスピーカーの方がEARには良かったと思う」
 
 
 
 
 
 
【詳報】 Magico A3大阪初登場!エレクトリのブースより、
 
 
「Magico A3 ピアノはこの上なく透明で上品な響き、ボトムまで澄み切っていた。空間表現(定位)が抜群に優れる。
各楽器パートが非常に小さく精密に描写されピンポイントに定位。Magicoのクオリティに達している。
「重く暗い」ネガは僅か。これは欲しいと思った。Mcintosh C1100+MC611で鳴らしました」
 
 
 
 
 
 
 同じくエレクトリのブース Valhalla 2 V2 スピーカーケーブル Magico A3 に接続されていたので
一時間は聴きました。「VH1とVH2は色気や官能が感じられたが、
VH2 V2は随分とニュートラル寄りになったと思う。高域が非常に繊細になり、
微粒子状のサラサラした質感で描かれる。VHやODINシリーズは小音量で聴く人に特に向いている」
 
 
 
 
 
First watt SIT3は展示のみで鳴らす予定がなかったそうです。
 
「ステレオ機とモノラル機だと差は大きいのでは?」
 
「うーんそれよりもパスとしては素子の良さをいかに引き出すかについて力を注いでいます。
確かに差はありますけど、直熱三極管のような真空管の音色の再現と、
鮮度の高さなど素子の素性の良さを聴いて下さい」
 
SIT素子は製造元が倒産していますが、PASS社ではいっぱい素子の在庫を持っているので
製品化できたそうです。とは言えいつかは素子も無くなってしまうのですが。
 
来年はSIT3を会場で鳴らして欲しいと希望しておきます。
 
 
 
 
 
 
アイレックス イタリアの ALBEDO ACCLARA は全長140cm 90kgにも達する大きなスピーカー。
自社開発の解析ソフトまで投入したトランスミッションライン方式。
「実物は仕上がりも大変良かった。明晰でタイトな音質のハイファイスピーカー。
部屋が狭いので飽和気味なのが気になったが、大阪初登場で力が入っていると感じた。
これといって気になるウィークも存在せず、爽快で澄んだ音で気持ちいい。心惹かれるものがあった」
 
 
 
 
 
 アイレックス 全箇所にNVSのケーブルを投入していました。
「解像度とか、S/Nとかじゃなくて、作ってる人が音楽をやる人だから、
音楽が良く鳴るようにデザインされているんです」「貸し出しはやらなくなったんですか?」
「それが・・・・・お貸ししたケーブルが盗難に遭い、お店に売られる事があって
貸し出し希望者の方のいきつけの店舗経由しての貸し出しになりました」
 
 
 
 
 
 
 
Accuphase のブース
 
「例年と比べて今年は音がもうひとつだったかなあ。 スピーカーがあまり良くないんですよ」
 
 
 
 
 
 
 
LUXMANのブース アキュとラックスのブースは大人気で、二日目に関しては人がいっぱいです。
 
 
 
 
 
 
 
YARAND JAPAN のブース 「ちょっと音が雑な感じですね」
 
 
 
 
 
LINN JAPANのブースは二部屋ありました。
 
 
 
 
 
 
ノア/アークジョイア 79dB ボーニック パッシヴプリ Burmester911mkⅢ Estlon Model YB
ノア/アークの牧野さんが進行。スピーカーはエストロンのモデルはYBという、
YBはバルト三国のエストニアで制作されている。北欧デザインのシンプルさで
生活に溶け込むスタイリッシュさを具現化したスピーカー、
大理石パウダーや 樹脂を固めたキャビネットで密閉/音場型スピーカー、
Scan-Speak など北欧のユニットを搭載、ユニットの表面の塗料は粘性があるので
ホコリが付きそうだ。「911は非常に綺麗な音。甘く優雅な響きで官能的、
でも911のお陰で色が付き過ぎかも。残念ながらキャビネットの音が再生音に乗ってしまう」
 
 
 
 
 
 
 
ノア/アークジョイアでは911ばかり鳴らすのでオーディオリサーチのアンプの音がなかなか聴けません。
 
audio researchもすっかり洗練された現代風の音になっている。ノアではとにかく911mkⅢを使いたがるので、
audio researchが聴けるまでは長い時間待つか、担当者にタイムスケジュールを確認した方が良いかも知れない。
911mkⅢ>audio researchという印象。でも値段程差はないですよ。
 
 
 
 
 
 
ノア/アークジョイアのブースでは少なくとも五年前は無かったのですが、
近年は紙製の波打った音響パネルが使われており、広すぎて空疎な音になる
部屋を小さくしたり、Room acousticを調整しているので他のブースより音があきらかに良い。
 
 
 
 
 
 
 
BESPOKE AUDIO Passiv preamp 170万 聴きました。完全オーダーメード品
中身はトランスと空中配線だけ。内部配線を綿で巻いている。鮮度が高い音。
パッシヴプリなのに音が力強くなる特色がある。
スーツ等と同じで全部バランス端子とか全部アンバランスだとかオーダーできる。
 
「往年の管球銘機のパワーアンプなどは単体で音色のよさは完結している事が多い。
プリなしだと音が痩せてしまうが、プリを使うと鮮度が下がり過ぎてしまう。
色が付き過ぎになって見通しが著しく悪くなり、モヤモヤしすぎるのだ。
プリは無い方が明らかに結果が良い場合が多い。このバッシヴプリアンプはお勧めかも知れない」
 
EARパワーだとFM155はある方が断然良かった。
 
 
 
 
 
フューレンコーディネート
 
OCTAVE HP700 フューレンの営業の北村さんにお尋ねしました。
 
「実はOCTAVEを使ってるお客さんでMT菅を替えて楽しんでいる方は意外と少なくて一人か二人」
「HP700だと効果的なのはラインステージだと、①12AU7②EF184の順番です」
「球をデフォルトのJJや(古典管やニューワールドに)替えて故障の原因になっても自己責任で」
 
 
 
 
 
二日目の二階イベント会場の様子。こちらで評論家先生の講演や注目の新製品の
お披露目がなされます。
 
 
 
 
 
エレクトリ初回の二日目はATCで聴きました。このスピーカー懐かしいですね。
昔持ってたんですよ~新品で買いましてね。
 
 
 
 
 
ステラ/ゼファンのブース
 
WILSON SASHA DAW CENTAUR Stereo Power
 
「朗々として深々した余裕のある低域。凄く強い存在感十分の低域で思わず注目。
フィルハーモニーホールのひんやりした空気感や、ハイエンドならではの
音にならない会場の雰囲気がよく出ていた再生だった」
 
 
 
 
 
 
 
ステラ/ゼファン 10日前に入って来たばかりのデンマーク?のスピーカーがTIASに続い
て大阪初お披露目。ユニークながら真っ当な音で、「CHの方は現代ハイエンドの
到達点ともいえる澄み切った無色透明な音だが今回はなぜか?音楽性がある」
 
crystal cableの支配力だろうか。「VIVID AUDIO KAYAにも真空管のような音色感を強く感じた」
 
デンマークのスピーカーではベイシーを聴いたが迫真を感じさせる再生でかなり衝撃的だった。
 
ステラのブースは音量が大きく100dBを軽く越えている。
 
 
 
 
 
 
株ナスペックのブース レコードを4枚同時に洗浄可能なKirmuss Audio KA-RC-1超音波洗浄機を
大阪初披露。またMonitor Audioの全く新しいラインであるNEW STUDIOシリーズ、
ROKSANのフラッグシップBLAKシリーズ、IsoTekのコンパクトな新製品など注目製品お披露目。
 
 
 
 
 
 
 
 
二日目と三日目ともに天候に恵まれて良いオーディオショウでしたね。
 
三日目の11/25日曜日は大阪マラソンが開催されていました。