素晴らしき日々 | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。







Counterpoint のSA-5000は、本当に素晴らしい銘機だ。


以前、「夏場は Mark Levinson ML-7Lを使っているけど、メインはこっち」そう語る人が居たけど、
「ふ~ん、確かにカウンターポイントは素晴らしかったけど、そういうものかな」 と
あまり気に留めていなかったけど、現在の自分も、「確かにそうだな」 と思います。





マークレビンソン(MLAS時代) チェロのプリアンプは総じて特A級ランクに位置していると思うが、
明らかに上と感じるプリアンプに遭遇したのは、ほとんど経験がない事である。



(プレミアムモジュールが入ったチェロのオーディオスイートだけは別格だが)



ただ、カウンターポイントは真空管らしい優しく柔らかい音質であり、JAZZはかなり厳しいし、
ROCKは問題外だと思う。したがって、オールマイティーなマークレビンソンは手放せないのだ。


強調感がつよいのは、青臭い音がするのは、いつだってマークレビンソンの方である。


こう書いていくと、まるで最近知ったかのような口ぶりだが、そうではない。


これまで過去に3~4回は聴いたことがある。


大阪の逸品館というお店では長年SA-5000をメインプリとして位置づけて大々的に推し、
大きく取り扱っていたが、筆者は18歳前後の頃、アーケードゲームの大会で毎週末
難波に通っており、同店に入り浸っていた時期がある。 通りに面した一号館において、
下取りで入ってきたSA-5000がデスク上に置かれており、検品のために天板が取り外され、
まずはブルーの内蔵美、美麗なコンストラクションの見事さに 「オーッ」 と目を奪われていた。





スタッフがボリュームを上げていくと、驚異的な世界が広がった。


流されたプログラム・ソースは教会で収録された宗教音楽。



神秘的な音色と、空前の広大な音場空間が試聴室に出現したのだ。



もう、圧倒的な音の広がりに声も出ない。まるで自分が西欧の大聖堂の中に迷い込んだような
異次元の感覚だった。だが、音色のよさは発揮できたとしても、あの表現力はオーディオの
使いこなしが出来ていなければ得られないだろう。あの店は代表のQCが厳正で、
店内や展示物にはいつもチリひとつ落ちていないし、セッティングも万全だったから、この音が聴けたと
言えるのかも知れない。人間の行動に支配力の強い、思春期にこうした体験をしてしまうと、
オーディオ沼の深みに足を取られ、抜け出すことが出来なくなる。




非常に心惹かれる音だったが、当時はまだ若く、ROCKばかり聴いていたのですぐに踏み込んで
行かなかった。 「大人しい音だな」 とも思ったからだ。そうこうしているうちに月日は流れたのだ・・・・・・


以前書いたインプレッション記事中で 「荘厳な大聖堂を思わせる~」 という表現は
この時の体験が元になっている。 けっして誇張した表現ではないのだ。



その後、数回SA-5000を聴いたが、いつ聴いても素晴らしい音楽に期待を裏切られることがなかった。


後にSA-5000は、伝説の銘機のひとつとして数えられるようになる。(その中では一番若く、一番安い)





総帥エリオットは、信託会社に騙されて順調だった会社を手放すことになってしまった。



会社を失っても、自分の生み出した製品に愛情を持って接し、保守業務を長年続けてきた。







マイケル・エリオットは、いいやつ。






素晴らしい音響機器に出会うと、デザインしたエンジニアたちに無性に逢いに行きたくなる。




底抜けに明るく、開放的なSA-5000の音色の向こう側に、このアンプを作った人たちの顔が思い浮かぶのだ。









◆真空管アンプの正しい電源の入れ方
1.アンプのボリュームがゼロになっているかを確認。
2.パワー(電源)スイッチをオン。
3.その状態で5分程度待つ。
4.スタンバイスイッチをオン。
5.ボリュームを上げてプリの音を出す。

※ 真空管アンプの電源を切る時は、この逆をやってください。


※ 音楽鑑賞を中断し、休憩するときは小まめにスタンバイスイッチをオフにします。

無信号でスタンバイスイッチを入れたままだとすぐに真空管が痛みます。

これをシッカリ守っても高電圧がかかっていますのでチューブアンプの故障率はやや高いです。