中村製作所 NSIT-2000PLUS | 禁断のKRELL

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Nakamura corp NSIT-2000PLUS 日本 アイソレーショントランス ¥225,080



到着した日にはすぐに接続開始できるように事前にすべてのシステムの接続を外し、
一日以上機器の電源は落ちていた。到着して開梱すると、筐体は思ったよりコンパクト、
だが奥行は長く、重量はズッシリと非常に重い。1000VA(750W供給) 2000VA(1500W供給)
という二機種が存在するが、下流に効果的との世評、拙宅ではハイパワーアンプに使う事を
考えると1000PLASでは供給力不足、音質の違いもかなりのものだそうなので、
選択では2000に拘った。電流供給能力の余裕はそのまま音質の良さにも直結する。
まず本体底面の電源スイッチで各部の電源供給を決めておく必要がある。
メインのコンセントと最大三基まで増設できる100VAのコンセント(160VA仕様もあり)
もある。購入したのは100VA追加トランスをフルに拡張された完全体である。
標準で本体重量は約26kg、三基のトランスを増設したフルオプションなので36kgという
頼もしい物量だ。プリアンプとパワーアンプはメインのコンセントから、デジアナ分離の
観点からDACは追加トランスのコンセントから取った。追加トランスは絶縁される仕組みだ。
本体を裏返し、必要なスイッチをONにして接続を完了させる。到着初日の音は三時間ほど
経過を見たが好ましくなく、通電開始24時間以上経過してから本格的に聴き始めることになった。



「素晴らしい・・・・・!」 S/N比、一聴して静寂感が違う。キツく感じられた高域が聴きやすくなり、
歪みや雑味が綺麗に取り除かれ、とても滑らかな音質になった。
上品な音になったというのが手元の
メモに残っている。微細なニュアンスもよく表現し、各楽器パートの位置関係が整然と立ち並び、
よく分離(整理)されて聴こえてくる。密度感が増し濃厚さも出てきた。十分な鳴らしこみを
経たことで力感が増し、ダイナミクスやスラムの迫力が導入前とくらべても大きく向上した。
これまでは壁コンのPAD SSR2から直接電力を取っており、蛇口全開な大容量の壁コン
直結からトランスになることで全体容量はグレードダウン(小さな発電所に変わった)になったので
力感は下がると思い込んでいたが、間違いだった。トランスの唸りは当初、「無いな」 と感じていたが、
機器に耳を近づけると高周波の微かな唸りが時折り出ているのが拙宅の環境では聴きとれた。
だが通電時、仮にシステム無音状態でも相当意識しないと聞き取れないレベルだ。
動作状態でこの記事を書いているが、トランスから2m離れたPCの前からは終始無音に聴こえる。
筆者は10kHzの音は良く聴こえる。16kHz(16000ヘルツ)の音も謹聴すれば
聴き取れるので20代の聴力がある。欠点としては、コンセントの食い付きが標準的な
コンセントグレードのようで、BLACK LABELのような超重量級で張力(復元力)もあるケーブル
だと抜けやすく感じた事。OYAIDE R-1のような強力な食い付きのあるコンセントにして欲しかった。
メインの二系統のみだが、この点が改善されたのがNSIT-2000PLUS markⅡである。
一般的なオーディオグレードの壁コンセントに換装されているのが分かる。


しかも、まだこれから音質は変化していくだろうし、全貌が見えてきたわけでもない

NSIT-2000PLUSは凄い電源トランスだ!過去にCSEのアイソレーショントランスも使ったが、

中村とはまったく次元が違うと思った。



こういった製品に関しては、

地方の戸建てより、都市部の集合住宅
(マンション・アパート)に好適であろう。