大阪ハイエンドオーディオショウ2011 | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

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大阪ハイエンドオーディオショウ2011

二日目の土曜日に行ってきました!








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アキュフェーズのブース、スピーカーはJBL DD66000エベレスト、

音が太くて実在感のあるホーンドライバーの音は大好きですね!






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ソナスファーベル ストラディヴァリウス・オマージュ

素晴らしいスピーカーだと思います。

初期のソナスの世界観とは別の物。






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ゼファン  と ステラヴォックスジャパン のブース

ビオラの新作、フォルテⅡパワーアンプが聴けました。

小型75wのモノラルパワーアンプです。


プリアンプはビオラのモノラルプリ SOLO スピーカーはオーディオマシーナ、

流麗な語り口でしなやかに鳴る現代の超高性能スピーカー、
これはこれで素晴らしく、自宅に何系統もスピーカーを配する
ことが適うのなら、ぜひ欲しい音だなと思います。

しかし、ホーンドライバーの強烈なエネルギー感、実在感から
得られるあの独自のリスニングの快楽を思い浮かべると、


自分としては「メインではちょっとなあ」という感じですね。
時代の趨勢、世界のハイエンドの潮流がこのシステムのサウンドのような

方向性に向かっている訳で、この日本においてもその流れの

中にあるわけだけど、日本のハイエンドユーザーというのは、

世界でも最高の感性をもつオーディオファイルたちですから、

世界的な流れはそのまま日本には当てはまらないのではないか、

と思います。


現代の進化したハイレゾのソースに対応し、しっかりと再生する為には、

スピーカーも性能を上げていかなければならない、

しかし、その過程で失われるものがあるんですよ。


具体的には、性能はいいけど、音楽再生に本来必要な

"エナジー感"を喪失してしまっているように感じるのですよ。




筆者を初め、みなさんが感じているジレンマはそういうところから

来ていると思うのですよ。




現代ハイエンドももちろん、それは素晴らしいものだけど、
ホーンやヴィンテージにはベクトルが違う魅力があると思う。

会場を見渡しても、20代、30代の人の姿は非常にレア、
ほとんどが40代から60代の人達ばかり、

例えば後述するセルブリンのKtemaのデモンストレーションから
JBLの新作JBL S4700に変わった途端、突然スタアが登場して
会場が色めき立ったように、大盛況の会場のあちこちから
カメラ・ビデオなどの機材の撮影準備の音で騒然となるのです。

若い世代にもオーディオマニアはいるけれど、同世代間ではかなりレアな趣味、
同一趣味の仲間たちが無く、趣味としては周りと断絶して、


孤軍奮闘している姿を想像します。




しかし、中高年の世代ではかつては主流の趣味だったわけで、志を同じくする
仲間が沢山いた訳ですね。仲間たちとの交流を通じて得られる利点、

それは今の人達とは見えている視野の広さが違うところ。




細かい理屈はいらない、ちゃんと鳴っているホーンドライバーを聞けば、
もう後には戻れない。(のかも知れない)






もちろん、音の好みには色々あるから、ベテランが全員ホーン愛好者ではないですが、
時代遅れと一般人や若手に思われているような旧型のトランスデューサーが、
実はいつまでも色褪せない魅力を持っているということ、


「特性に優れた音が本当に"感動できる音"足りえるのだろうか?」


ここに深刻なジェネレーションギャップを感じます。



会場の素直な反応を見ていて、そんな思いが心に湧き上がってきました。


「新しいものが必ずしも良いとは限らない」





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ELAC FS509 VX-JET \1,980,000

これはかなり好みの音でした。



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太陽インターナショナルのブース、

柳沢功力氏が講師を務めるセッションです。

アヴァロン、Eidolon Diamond

ジェフロウランドのフラッグシッププリとパワーアンプ



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そして本日のメインイベント!

別館2F松の間で行われた、最新オーディオコンポを聴く、

講師は柳沢功力氏、ダン・ダゴスティーノ、モメンタムも聴けましたが、

ご覧の有様といいますか、会場は立錐の余地もない大盛況で、
そのサウンドを堪能するとまではいけませんでした。



柳沢氏の語る最近のダンのエピソードを少し聴けたのですが、

ダンは長年連れ添った夫人のロンディーと別れたらしい、


流行の熟年離婚か・・・・残念ですね。




「彼はとても嫉妬深い人で、かつて日本の市場を引っ掻き回していった」

「物凄い数の作品を作り上げ、その音質傾向は毎回のように大きく変化し、
作品の出来不出来にも落差があった」




というのが柳沢氏の語るダン氏の印象のようです。

その柳沢氏自身は今年の春の氏のリスニングルームの写真を見たところ、
クレルの製品はKSA50sをマルチの高域用として使っているのが分かります。

昔からお使いなのを存じておりますが、
15年くらい使い続けておられるようですね。見ていて嬉しくなりました。

さて、個人的には、ダン氏の作品 (96年位まで) のものは音質傾向が
バラバラですが、どのコンポーネントもそれぞれが好きな人には
たまらない個性的な魅力があったと思う。


ダゴスティーノの残したクレル時代の作品には、駄作はあまりない
と思っているのだけどなぁ、音質傾向はバラバラのように思えて、クレル製品の
根底に流れるサウンドフィロソフィーにはあるひとつの一貫してあるもの、
「音楽の熱気を伝える」「パッショネイトな躍動」があるから、

筆者にはその感性がフィットするだけなのかも知れませんが。



クレルは初期の物が別格に出来が良いので、

それと比べると他は駄作ばかりというのならば、それは良くわかります。


中期以降のものはどれもドラスティックで強調感の強いサウンドでもありますしね、

その時点で「全部ダメ」とするのも分かります。


なおさら初期の自然で強調感のない、ナチュラルな音質が好まれるという次第です。










さて、また話が長くなりました。

今回のオーディオショウではフランコ・セルブリンのKtemaを
聴くのをとても楽しみにしていたのですが、音は聴けたものの、
この状況なのでその真価を判断しようにも、いかんともし難い状況がありましたね。


Ktemaの後に聞いたのがエアーのプリアンプ、
アキュのパワーアンプとJBL S4700の組み合わせ、


これと、



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Burmester 099 Line level amplifier  プリアンプが今回のオーディオショウの中では良かったです、




組み合わせはアキュフェーズ A46パワーアンプ


正確に言いますと、僕の好みの音でした。



どれも薄味に感じられる現代ハイエンドの中で、

ブルメスターには鮮やかな色彩感が感じられ、実体感も伴い、

音楽が魅力的に聞こえてきました。





二日目土曜夕方5時半からのメインイベントだった
この"最新オーディオコンポを聴く"ですが、
後半に逸品館の清原裕介社長氏が密かに来場されていました。

座っている筆者の目の前を笑顔で通って行かれた、
あまりにも会場が混雑していたので直ぐ帰ってしまわれましたが、

白のカジュアルなシャツ姿だった。お見かけしたのは随分久しぶりなのだけど
最初に知ってからもう20年近く経つのに、見た目はあまり変わらないんですね。

まだまだお若いですね。

オーディオショップの経営者、オーディオデザイナー、オーディオ評論家
色々な顔がある同氏ですが、筆者が一番好きなのは氏の書く文章ですね。


 


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会場でステレオサウンド別冊「アンプの至宝」と、


「往年のマッキントッシュ」を買いました。

 

 




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いかがでしたでしょうか?行ってない方、お仕事がお忙しくて
行けない方もこのブログで行った気分になれれば幸いです。

興味が出てきた方は、明日が最終日なので行ってみてください。

地下鉄心斎橋駅、大丸本館と大丸南館を挟む通りを御堂筋を横切って
向かい側に渡り、真っ直ぐ進むとある、ハートンホテルの別館(メイン会場)と
向かいの本館(サブ会場)で開催されていますよ。

阪神地区の方は阪神難波線、各駅の"難波駅"から歩いてもスグです。

迷わなければ歩いても10分も掛からないと思います。

 

難波から心斎橋は地下鉄で一駅のすぐ近くですからね。


明日日曜が最終日、時間は朝10時30分から夕方5時までです。


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