KRELL KMA200mark2 1986年 \2600,000
その壮大なスケールは、
まさに"威風堂々"
クレル無敵艦隊の先陣を切る"旗艦"
"ザ・フラッグシップ!!"
KSA50を聴いた後、OHから帰ってきた拙宅のメインパワーアンプ、
KRELL KMA200mk2を聴きこんでみました。KSA50を聴きなれた筆者には
一聴して聴感上のSN比、音場の透明感ではKSA50に大きく劣っていることを
実感します。ブヨッとダブついた中低域、ノイズや雑味で淀み曇った音場、
俊英KSA50を聴くまでは分かりにくかったことです。KSA50との比較ではクオリティ、
バランスでも負けていますね、これはアンプのコンストラクションが大規模化した
ことで、回路が複雑化した結果、音が鈍くなっているのです。例えば出力段に
使われるトランジスター、FETにしても、複数個の素子を並列接続して必要な出力を
得ている。この辺りが80年代の大型高級機の限界なんでしょう。いまなら1組、
あるいはもっと少ない数の素子で大出力を実現できる。
金持ちでも"軽薄短小"を選ぶ時代。時代に逆らう"重厚長大"な巨大モノラルアンプ
巨大なA級アンプは、なぜか無音時に一番電気を食らうという理不尽さ、(1台580w)
巨大な温熱ヒーター×2台、夏場はまるで使い物になりません(笑)
故障リスク2倍、OH費用2倍、貧乏人がなんとか無理して手に入れても、
維持していくのが本当に大変なのが高級品です・・・・・・
圧倒的雄大なスケール感、
素晴らしき"音楽ダイナミズム"の世界、
この時代の、このアンプにしか、
出せない音がある!
しかし、トータルとして聞かせるこのアンプの音は大変な魅力(!)に
溢れています。圧倒的な音の厚み、分厚い中低域の押し出しは腹に響く
重厚なソノリティを心地よく演出し、威風堂々としたサウンド世界を誇示する。
広大なスケール感、ヴォーカルは驚くほど大きく、そして極めて太く、
凄まじいリアル感です。なによりその"実在感"が下位機種とはまるで違います。
その"太い音"は深く心に浸透するような余裕のあるスムースな押し出しで、
強い感銘を心に沸き立たせるのだ!!壮大なシンフォニーはまるで、
"クジラ"のような圧倒的雄大なスケール感で再現される。"ドッドッドッドドッ"
"ドォォォォォォォ"っと、もはや音ではなく、押し寄せる津波のようなブ厚い音圧を
強く体感する。体で音楽を味わうような。悪く言えばこの音は重厚ではあるが、
鈍重な音だとも言えるので、KSA50の方を好む方も多くいらっしゃいます。
圧倒的な中低域の厚み、エネルギー感が音を鈍くし、濁らせているのだ。
しかしこの壮大かつ重厚なサウンドは現行機では味わい難くなってきているので
貴重ではある。雑味がなくスッキリと引き締まった低音は、心に染み入るような
"響き"も奪ってしまった。KMA200mark2の底力によって力強く押し出され、
オーディオファイルの眼前に顕現した、躍動する壮大な"音楽ダイナミズム"!
魂までも震えるようなグランカッサ!全ての音楽のフォルテ表現力はたまらなく
快楽的に聞こえる。言い換えるなら、"サビ"の再現性は最高だ!!
だから音楽が楽しい!これは他の初期KRELLでは決して味わえない、
全身が痺れるような快感だ。筆者は破顔し、体中を快楽信号が駆け巡る!
初期KRELLの音楽性と圧倒的雄大なスケール感の両立はとても相性が良く、
初めてこのサウンドと邂逅した時、筆者はオーケストラを聴いていて
感涙に咽び泣いた。他のアンプではこうはならなかっただろう、
それぐらい、音楽から得られる感動が他のアンプと違います。
"熱情"が"躍動感"が"高揚感"が、
スピーカーから溢れ出てきた、
KBLのダイナミックな表現力はKMA200と相性バツグンですね!
端的に言うと、僕にとってKMA200(mark2)は初期KRELLの全てのラインナップで
最も強く、そして深い感動を呼び起こすことができるアンプなのである。
そしてもちろん、今まで筆者が聴いたすべてのアンプの中でも!
初期KRELLのアンプはKMA200(mark2)とKSA50(mark2×)がお勧めですね。
またはKMA100(mark2)、この二つを知ってしまうと他が中途半端に感じてしまいます。
出来れば同時所有するのがベストでしょう。このアンプはOHして
経年劣化した増幅段の電源部を支える電解コンデンサーを交換してやると
音は大きく蘇ります。サウンド傾向から言っても"音が元気になる"効果は、
他のアンプより変化が大きく感じられるはずです。
セッティングはラックから出して設置してください。放熱が上手くいかず高確率で壊れます。
オーディオの広い世界を知る、ステレオサウンド編集者様のブログ
http://audiosharing.com/blog/?cat=46
サイズ考(その13)
私がステレオサウンドに入ったころの、試聴室でリファレンスアンプ
として使われていたのは、マッキントッシュのC29とMC2205の組合せだった。
セレッションのSL6も、最初、この組合せで聴いた(はずだ)。
まだCD登場前だから、プログラムソースはアナログディスクで、
プレーヤーはパイオニア・エクスクルーシヴのP3aと、
カートリッジはオルトフォンのMC20MKIIを使用。
この組合せから出てきた音に、驚いた。
そしてクレルのKMA200と、純正のコントロールアンプPAM2の
組合せにつないだときの驚きは、
"オーディオで経験した驚きの中で、
いまでも強烈な印象を残している"
何がそこまで強烈だったのか。それは低音の再現力の素晴らしさであった。
KRELL KSA50 インプレッション
KRELL KSA100 インプレッション
KMA200mark2再生動画(OH前)
KMA200mark2再生動画(OH後)
KMA200mark2再生動画(OH後)VOCAL