こんにちは、こけしです
こちらの続きになります
おまかせ広告です★
夕方に五島に到着し、そのまま父の入院している病院へと向かいました。
人工呼吸器につながれ、全く反応のない父。
息子と娘には、もう正直に淡々と、
「じぃじ、お酒飲んで頭の中ケガして、もうすぐ死にそう」と伝えていました。
息子は理解してるけど、
娘はどうなのか。
ベッドで寝ている父の手をペチペチとたたきながら、
「じぃじ起きてー」
と何度も繰り返していました。
そして、こんな時でも、
久しぶりにばぁばに会えた子供たちは、
「ばぁばのピーマンの肉詰めが食べたい」
「ばぁばのオムライスが食べたい」
という、、、
まぁ、母もずっと付き添ってるよりも息抜きになるかもと思いつつ、
結局どっちも作ってもらってた
その日は、母が子供たちに晩ご飯作ってくれてる間に2時間ほど私1人で付き添いしました
でも、こんな事言っちゃぁいけないとは思いますが、
付き添いって、手持ち無沙汰ですよね
父に話しかけたり、手握ったりするも、
反応もないし、
2時間もすることでもないし(←)。
結局、空港で読んでた本の続きを読んだりもしたけど、
それもなんだかなぁと思いつつ、、、
なので、翌日の土曜日は、
実家に置いてあった父の読書本の中から、1番上に置いてあった『水滸伝』を持って、
病室に行きました
で、父の枕元で、読み聞かせ
父は歴史小説が好きで、
江戸時代くらいの時代設定の小説や、
三国志とかの中国の歴史物もよく読んでました。
私は、あまりそういうジャンルの小説は読んだ事なく、
ましてや三国志とかの中国の歴史物はチンプンカンプン
でも、何故か『南総里見八犬伝』は好き
なので、『水滸伝』も読んだ事なかったのですが。
1番上にあったから、きっと最近も読んでた本かと思い、それにしました
ただ、父は耳が遠くて補聴器を使ってたので、
母から「補聴器も持ってこいば良かったね」と言われましたが。
出血で脳幹もかなりダメージ受けてるし、
聞こえてないだろうだけど。
でも、病室にいて、手持ち無沙汰で自分が読みたい本を読んだり、ましてや携帯をさわったりするよりも、
せめて、父のことを想った行動をとりたい、
父のために自分ができることをしたい、
たんなる自己満足かもしれませんが、
それでも、もう父のために何かする機会は二度とないかもしれない、
父のために本を読むなんて、もう最後の機会かもしれない
そう思いながら、2日間読み続けました。
初めて読みましたが、面白いですね
途中、息子も聞いていて、
「さっきの3回やっつけるところ、最初は剣で、次は棒で、最後は素手でやっつけるの、かっこいいね」と感想を言ってきたりもしてくれました
ただ、大人向けの小説なので、途中ちょっと大人なシーンがあったり、女性が陵辱されるシーンがあったり
娘(私)から父への読み聞かせで、これは気まずい
しかも、私の息子も聞いている母や娘もいる
ので、そういうシーンはカットしながら、読み進めましたが
でも、黙読ではなく音読なので、時間かかりますよね
しかも、1番上からパッと取ってきたんですが、よく見たら、
19巻まであるんですってよ
「お父さん、多分最後までは読んであげられんよ」と謝りました
途中、親戚がお見舞いに来てくれたりなどもあり、ちょこちょこ中断もしたし、
日曜日の昼間、妹もなんとか来ることができて、
数時間の滞在だけど、その間は父のベッド横でひたすら2人でくっちゃべってたので、
私の子供たちは病室に長時間いれなくて、自宅待機。
母は私の子供たちを連れて家でご飯の準備したり、用事を済ませたりしてました。
なんたって、田舎の病院なので、院内にある売店はお弁当やおにぎりなどもなくちょっとした日用品を置いてるだけで、しかも平日の14時までしか開いておらず、休日はそもそも開いてない
独身時代、実家に帰省すると、
妹と2人でずーっとくっちゃべってて、
父はいつもそばで本を読んだりにこにこしながら私たちを見ていました
なので、いつもの風景
そういえば、私も妹も、読書はする方だと思います。
そして、父も母も、本をたくさん読みます。
父は、歴史物。
母は、ミステリー。
きっと両親が本を読んでいる姿を見ていたから、私と妹も読書が好きになったんだと思います。
そういえば、私も妹もミステリー好きですが、私は南総里見八犬伝は小学生の頃好きだったし、成人した後に伊勢物語や源氏物語も好きになったので、父の血もやはりあるんだな
本好きにしてもらったこと、
そのおかげで、人生や日々の生活に彩りや深みが増しているはずなので、
これも両親からのプレゼントの一つだと思います。
だからこそ、
父との最期の時間を、父の読んでいたであろう本を読み聞かせしながら過ごそうと考えて行動できたことは、自然なことだったのかも。
ただ、結局、
1巻も、最後まで読み終えることはできませんでした。
続きます
読んでくれてありがとう♪