「嵐の果たし状」.5 浄泉寺 | 黒いダイスが俺を呼ぶ

黒いダイスが俺を呼ぶ

さすらいのSUZUKI SC100乗り。主にスズキフロンテリヤエンジン系を乗り継ぐ。
日活アクション映画、昭和の特撮番組が好物でロケ地巡り。
大日本帝国陸海軍戦闘車両模型も好き。

故郷の町に帰って挨拶回りを済ませた征次郎

♪崩れた壁のひとつひとつに… 

寺の門はきれいになって、階段も無くなっています。(松本氏撮影)

 

うずくまる人影を見つけた征次郎。

(寺門の敷居が無くなり車も通れるようになりました。)

 

咳込む矢切の背中をさする征次郎。

矢切  「ありがとう、すまない。」

征次郎「どうして医者に診せねぇんだい。」

矢切  「旨いものを食って遊んでれば治る病気だ」

     「お節介はよしてくれ。」

 

征次郎「八無理するなよ。お前ともずいぶん張り合ってきたが」

     「ここらでゆっくり養生するのが、身のためだぜ。」

 

征次郎「それにしても勝負はもう水に流そうじゃねぇか。」

矢切  「勝手な事を言うな。俺を刺しにかかったのは貴様の方だぜ」

征次郎「いかさまで素人衆を泣かせるからよ。」

矢切  「どうせ博打だ。見破れない方が悪いんだ。」

征次郎「本気でそう思ってるのかい。」

 

矢切の手から花札が投げかかる。

征次郎「腕が鈍った訳じゃあるめぇ」

(花札の刺さった場所を確認しています。)

 

矢切  「さっきの礼だと言えば。」

     「本当は決着をつけるには惜しい相手だからだ。」

 

号外!

米騒動の号外が配られる

(右手の寺の壁や左手の建物は撮影当時と同じようだ。)