故郷の町に帰って挨拶回りを済ませた征次郎
♪崩れた壁のひとつひとつに…
寺の門はきれいになって、階段も無くなっています。(松本氏撮影)
うずくまる人影を見つけた征次郎。
(寺門の敷居が無くなり車も通れるようになりました。)
咳込む矢切の背中をさする征次郎。
矢切 「ありがとう、すまない。」
征次郎「どうして医者に診せねぇんだい。」
矢切 「旨いものを食って遊んでれば治る病気だ」
「お節介はよしてくれ。」
征次郎「八無理するなよ。お前ともずいぶん張り合ってきたが」
「ここらでゆっくり養生するのが、身のためだぜ。」
征次郎「それにしても勝負はもう水に流そうじゃねぇか。」
矢切 「勝手な事を言うな。俺を刺しにかかったのは貴様の方だぜ」
征次郎「いかさまで素人衆を泣かせるからよ。」
矢切 「どうせ博打だ。見破れない方が悪いんだ。」
征次郎「本気でそう思ってるのかい。」
矢切の手から花札が投げかかる。
征次郎「腕が鈍った訳じゃあるめぇ」
(花札の刺さった場所を確認しています。)
矢切 「さっきの礼だと言えば。」
「本当は決着をつけるには惜しい相手だからだ。」
号外!
米騒動の号外が配られる
(右手の寺の壁や左手の建物は撮影当時と同じようだ。)