つづきです

少々BL要素を含んでおりますので
苦手な方はお戻りください┏○ペコッ










「ただいまー」

「だから、誰に言ってるのよ笑」


誰もいない玄関で、ただいまを言うまーくん。
ご両親からいただいた沢山のお土産を両手に抱え、ワタシ達はマンションへと戻ってきた。
心地よい疲れが身体を包み込む。
手を洗い、湯張りボタンを押すと、ソファに身体を預けた。
三人掛けの少し大きめのソファなのだが、定位置は決まっている。
クッションを抱え、端っこに座ったワタシにピッタリとくっつくようにして、まーくんも腰掛けた。


「お父さんもお母さんも喜んでたね」

「うん」

「また、行こう?」

「うん。ありがとう」


頬に触れる指先。
ゆっくりと顔が近づいたから、静かに瞳を閉じた。

ンッ…

触れて、離れて…また触れて。

何度か繰り返しているうちに、大きな手が服の中へと滑り込む。
くすぐったくて身を捩ると、ぎゅうぎゅうと抱きしめられた。


「なんか、すごい久しぶりな気がする」

「…うん。そうね」


このところ、ワンコ…
モモの件でバタバタしていたり
急に出かけたりと

ずっと…ふたりの時間がなかったから。

まぁ、そこに関しては、一方的にワタシが拗ねていたってのもあるけどね笑

そっとまーくんの背中に手を回すと、それをOKのサインと受け取ったのか、目をキラキラさせて抱き上げられた。


「よし!じゃあ、お風呂入ろっか」

「え、あの…」


ワタシの返事を待つまでもなく、バスルームへと運ばれる。まったくもう。まだ『お風呂が沸きました』の音声案内も流れていないのに。
せっかちなのは相変わらずなんだから。ふふ。

すごい勢いで服を脱ぎ始めるから、それをジーっと眺めてやった。
ワタシの視線に気づいたまーくんが、慌ててシャツで躰を隠す。


「あの…カズちゃん、どうしたの?」

「ん?」


シャツの下から覗く、長い足。

かつて、その太ももにあった白い花びらは、もうすっかり消えていた。

10年前のあの日。
仕事中に負った、火傷の痕。

長い間…
未熟さを戒めるように留まっていたそれは

今ではもう、その役目を終えたのかもしれない。


その場所へ手を伸ばし
そっと…口付けた。


ワタシ、何でこの人を一瞬でも疑ったんだろう。

真面目だけど不器用で
でも…
彼の中の真実は、いつだって揺るがない。

自分に関わる全ての人の幸せを願っている
…そういう人、なのに。


「ね。まーくん、大好きよ」


ワタシの全部で愛したい。

この…愛しい人を。


太ももに触れていた唇を、少しずつ横へと移す。

足の根本
ざらざらとした体毛をかき分けて、既に膨らみ始めたモノを含んだ。




つづく



miu