コメ返やメッセージのお返事できていなくて、大変申し訳ないです。

( ;∀;)ごめんなさいごめんなさい。

全部、大切に読ませていただいております。

この場にてお礼申し上げます。

ありがとう♡




つづきです









ハァ、ハァ


息を切らしながら、牛乳を両手いっぱいに抱えて部屋へと戻る。


靴を揃える間も惜しい。玄関でひっくり返っているスニーカーを横目に見ながらニノの元へと急いだ。

ベッドの上のニノをそっと覗き込んでみたが、まだ眠ったままだ。

今まで、こんなに長く眠ることあったっけ?

やっぱり…体調が良くないのかもしれない。


ネットで調べたとおり、鍋に牛乳を注いで急須を沈めた。弱火でしばらく煮た後、冷めるまでそのまま置いておくのだという。


本当にこれで治るんだろうか…


不安を拭いきれないまま、眠っているニノに触れる。


背中を見ると、その傷は

消えるどころか、さらに広がっているように見えた。



嫌だ、ニノを助けて。


神さま…誰か。


そこまで思って、もしかして と 鍋の中の急須に視線を投げる。


そもそも、願いを叶える本人がこの状態なのに、可能なんだろうか?

それでも何かに縋りたくて…


おれは鍋の中の急須に向い



「一つ目のお願いだ。ニノを助けて」



と 呟いた。



…が、なんの変化もない。


震える手でニノの背中に触れる。



「なぁ。一つじゃ足りない?

それなら、二つ目のお願いも三つ目のお願いも…全部使って良いから、ニノの傷を治してくれ」



ぽた

ぱたた


ニノの背中に、雫が落ちた。

それが自分の涙だと気づき、着ていたシャツで頬を拭う。


煮立ち始めた鍋が、くつくつと音を立てていた。








火を消した鍋。

その中の急須は、人肌くらいに冷めていた。


指先で、そっと 触れる。



「ん…」



聞こえたニノの声に、慌ててベッドに駆け寄った。



「…ご主人さま?」


「ニノ!ニノ!!大丈夫か?」


「何で…泣いてるんです?」


「ごめん。おれ…お前に怪我させて」


「ケガ? 別にどこも…」


「背中に傷ができて、急須にもヒビが入っちゃったんだ」


「え、背中…?」



ニノはゆっくりと躰を起こし、鏡に映して背中を見ると


あぁ、これは と笑った。





つづく




miu