お待たせー♪ヽ(´▽`)/
(多分5人くらいしか待ってない笑笑)
以前、続きを書く気力が無くて下げたものです。
やっと最後まで書き終わったので、再UPしますね。
1〜5話までは、以前に載せたものを手直ししました。
6話を夜10時にUPしますので、もし良かったら読んで下さい♪
真っ暗な闇の中
歩いてきた道も
進むべき道も分からず
ただ…膝を抱えてうずくまる。
そうだな
いっそ、このまま闇に溶けてしまえばいい。
夜明けなんて、来ないのだから。
┈┈┈┈┈
「結婚…しても良いでしょうか」
そう言った、優しそうな人。
母さんと離婚してからずっと男手ひとつでオレを育て、大学まで行かせてくれた父。
どんなに忙しくても学校の行事には来てくれたし、お弁当だって作ってくれた。…まぁ、料理に関してはあまり向いていなかったようで、焦げたりしょっぱかったりしてたから、いつの間にかオレの担当になっていたけど。笑
それでも、大切に育ててもらったと思っているよ。
感謝してるし、大好きだから…
心から、父さんには幸せになってもらいたいと思う。好きな人ができたというのなら、再婚に反対するつもりはないけど、新しい弟まで出来るってことにはちょっとだけ驚いた。笑
まぁ、でも。
父さんが選んだ人に間違いは無いと思うから。
オレは父をよろしくお願いしますと頭を下げた。
それから少しして、オレは会社の近くにアパートを借りた。
父の再婚相手となる和代さんは、みんなで一緒に住むつもりだたらしいけど、オレだってもう社会人だし、新婚の邪魔をするのも野暮だからさ。
ひとり暮らしは初めてだけど、今までだって家事は一通りやってきたしね。
だから、きっと大丈夫。
引っ越しも無事に終わり…
引っ越し祝いと称した飲み会の帰り道に、まさかあんなことが自分の身に起こるとは。
…今でも信じられないんだけど。
突然現れて、オレの躰に熱を刻み
ふらりと夜の闇に消えていったあいつ。
夢だ…と思いたいのだけれど、今でもこの指に、躰に生々しい感触が残っている。
オレは手のひらに視線を落として
ギュッと握った。
ふたりが入籍する日が決まり、オレの新しい弟になる…えーと何君だっけ?名前聞いたけど忘れちゃった。笑 彼も含めて、次の土曜日にうちの実家で食事をすることになった。
お祝いだもんね。何を持っていこうか悩んで…
新しい母さんには花束を
新しい弟にはお気に入りのショップのTシャツを
それぞれ綺麗に包んでもらい、オレは数日ぶりに実家のドアを開けた。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
玄関先まで出迎えてくれた和代さんに花束を渡すと、目を輝かせてとても喜んでくれて。
うん、買って良かったなぁ。
ソファに座っている見慣れない人影を見つけ、あ、と手に持ったもう一つの包みを差し出す。
「初めまして、雅紀です」
「あ…あの、和也、です」
小さく丸めた背中
瞳を覆い隠している前髪
オレが差し出した包みを受け取ろうとした瞬間、ピリッと電気が走り、二人の手から包みが落ちた。びっくりした。静電気かな?
「ごめんね」
「いえ。こちらこそ」
拾い上げようとした顔が近づいて…
前髪の隙間から、キレイな飴色の瞳がオレを見上げた。
…あ。
ぶわっと身体中の血が沸騰する。
白い肌
赤くて薄い上唇
彼、だ。
あの夜、公園で出会った…
なんで?
どうして。
「…どうかしました?」
戸惑うオレとは対照的に、彼は平然としたまま。特段、驚いた様子はない。
もしかして彼は気づいていないんだろうか。
あんなことしたのに、兄弟になるって…
「雅紀くん、和、ご飯にしましょう」
その言葉に、和也くんはオレの横をするりと通り抜けて行った。
つづく
miu