読む、読まないはお任せします。
最初は、単純に着替えさせようと思っていた。制服のままでは窮屈だろうと。
眠ってしまった二宮を起こさないよう、ゆっくりとベッドへ運び、寝かせると、洗っておいたTシャツと短パンを引き出しから引っ張り出す。
制服のワイシャツのボタンを一つずつ外し、そして…ベルトに手をかけた。
カチャカチャと小さな音が鳴る。
起こさないように、なるべく手早く外すと、ファスナーを下げた。
あ…//////
目の前には二宮の素肌が見え隠れしている。
手を伸ばせば、届く距離に…
白く、細い腰
前をはだけたシャツの隙間からは
淡く色づいた粒がチラリと覗いていた。
これは…やばい、かも。
高鳴る胸。
たとえ相手が男であっても、好きな人の肌というものが、こんなに唆るものなのか。
年甲斐も無く、思わず ゴクリ と 喉が鳴った。
そんなつもり全然なかった。
なんて…自分に言い訳してもアレだけど、本当に。
決して いやらしい気持ちなんて無かったはずなのに。意識してしまったら、途端に、自分がしていることに背徳感を覚えてしまうのはなぜだろう。
…とは言え、このままにしておく訳にはいかない。
視線を逸らし、なるべく二宮の姿を見ないようにしながら、制服のズボンを引き下げた。
「……っ、せ、先生?!」
!!!
あ…起こしちゃったか。
顔を上げると、真っ赤になった二宮がおれを見つめていた。
「あの////// は、初めて…だし」
「…二宮?」
ん?
何を言って…?
「その…来月のバイト代が入るまで待って…」
毛布を引き寄せ、恥ずかしそうに前を隠す二宮の様子に、誤解したのだと気づいた。
慌てて言い訳を考える。
「え、あ…これ?
/// いやいやいや、違うから!!
制服のまま寝るとシワになるから脱がせようとしただけで」
言い訳ってか、本当だけど。
これが、本当なんだけど。
でも、おれが、その…
眠っている二宮に、良からぬことを致そうとしている と、思われても仕方ない状況だ。
「明日も学校だろ?ワイシャツも洗った方が良いし、楽な格好に着替えをさせようと思っただけで」
安心させようと口にした言葉に、二宮は表情を曇らせる。唇を噛み締め、下を向いてしまった。
なぁ。なんでそんな寂しそうな顔してんだよ。
おれ…間違えたのか?
もしかして…
もしかして、少し期待してた…とか?
細い肩を抱きしめ、耳元で囁いた。
「ごめん。着替えさせようとしたのは本当だけどさ。途中から…ちょっと、ヤラシイこと考えたかも」
「え…そう、なの?」
「うん。変なこと考えて…ごめんな」
謝らなくて良い、と
二宮は ブンブンと首を振った。
「…で、来月のバイト代が 入ったら、何?」
「それは///あの…」
「教えて?」
アゴに手をかけ、俯いていた顔を上げさせると、その頬は林檎のように真っ赤に染まっていた。
「あの、パンツとか、伸びてて恥ずかしいし…
新しいの買って、そしたら…その」
その言葉の意味に気づいたおれの理性は…
もう、崩壊寸前だった。
つづく
miu