お話って、書かないと書けなくなるのよね…
ちょっとリハビリ(´・_・`)




 






「ねぇ、潤くん。ゲームしない?」


見上げた視線の先…
薄暗い部屋の中で、お前の影が スローモーションのように揺れた。


「ゲーム?」

「ふふ…ルールは簡単。
本気になった方が負け、それだけだよ?」

「それって、負けたら…」


ゲームというからには、敗者には罰ゲームがあるんだろう。
真意が見えなくて…困惑する。


「へぇ、負けるの前提なんだ?」

「は。負ける訳ねーし」

「そうね。負けた方が…なんでも言うこと聞くってのはどう?」


ハラリ、肩を滑り落ちるシャツ
薄く開いた唇からは、赤い舌が覗いていた。


ゴクリ と喉が鳴る。

…抗えない。
だって、俺が嫌だと言えば お前は他の誰かとゲームを愉しむんだろう?

そんなの 考えたくもない。


触れた指先の熱に、俺は…

最初から負けの決まっているゲームに嵌っていた。


手のひらに しっとりと吸い付く肌
甘い吐息
誘う…濡れた瞳


求めて、感じて、達して、満たされて

…また欲しくなって 


何度も、何度でも
本能のままに昇り詰める。


「ハァ…あ、潤く…ん」

「和、」

「もっと」

「…和、和」


震えているのは、躰? 
それとも…

胸の奥がひどく痛んで…
俺の瞳からこぼれ落ちた雫が、和の頬を濡らしていた。


「…ね、アナタ何で泣いてるの?」

「………」

「もしかして、もう勝負ついちゃった?」

「そんなの、」


分かってる癖に。
ほんと、お前ってタチ悪いよな。

でも、負けは負けだ。


「言えよ。罰ゲーム…何したら良い?」

「ふふ、そうね。何してもらおうかなぁ…」


躰を起こした和が、俺の肩に顔を預けた。

感じる温もりに
また、じわり…涙が込み上げる。


「ごめんね。ウソ。罰ゲームはいらない」

「…は?」

「このゲームはドローだから。だって…」



(オレもね、最初から…)




震えている和の声に気付かないフリをして

俺は その唇を
甘い…口付けで、塞いだ。





miu