末ズの日に間に合わんかった…
( ;∀;)くそぅ
軽くBL含みます…
仕事帰り
コンビニの袋を手に下げた俺は
重い足取りで 歩いていた。
ため息を吐きながら 見上げた空は
深い藍色で覆われている。
半分以上雲に隠れた月は
じっと その身を潜めているようで
俺は、視線を足元へと戻した。
近所の公園
大きな道路に面している訳でもない、静かな住宅街にポツンとあるこの場所は、昼間こそ 子どもの笑い声が響くが…
夜の深い時間には、近づくものはほとんどいなかった。
普段なら 素通りするのだが、この日は何かに誘われるように、入り口に向かった。
豊かな緑。
子どもが 駆け回れる広いスペース、腰を休めるベンチと遊具。
どれも いつもの見慣れた風景だ。
だが、公園を仕切るように作られた生垣の奥に、細い…道を見つけた。
「え、こんなとこ…あったっけ?」
…いうほど訪れている訳じゃない。単に、俺が気付かなかっただけだろう。
俺は、躊躇いなく その先へと足を進めた。
角を曲がると、突風に煽られ
真っ白い…吹雪に視界を奪われた。
ゆっくり 目を開けると
…幻想的な風景の中で
俺は 息をするのも忘れ、見惚れていた。
さっきまで 雲に身を隠していた銀色の月は
その姿を露わにし
今では煌々と 輝いていた。
柔らかく風が流れ
ひらひらと 誘うように桜の花びらが舞う。
…まるで、手招きをしているかのようだ。
「…すごい風だったけど、大丈夫?」
「え、ああ…大丈夫。
ここに、こんな立派な…桜の木があったなんて知らなかったよ」
「ふふ…うん」
「あ…」
手の重さを思い出し、慌てて袋からビールを取り出す。
「そうだ、花見しない?」
「…え?」
返事を待たず、プルタブを開ける。
ベンチなんて、ない。
汚れることなど気にせず、俺は直に腰を下ろすと、喉を潤した。
隣を見ると、彼は不思議そうに
手の中の缶を見つめている。
「…未成年…じゃないよな?」
「いや、多分…アナタより年上だと思うよ?」
「マジか?!」
白く滑らかな肌
愛らしい瞳
華奢な体躯は
もしかして少年か?とも思ったが
でも、落ち着いた雰囲気は…
成熟した大人の持つものだった。
隣の缶に手を伸ばし、プルタブを開ける。
恐る恐る口を近づけた彼は
ゴクリと喉を鳴らし、顔をしかめた。
「…こんな苦いの飲んでるんだ」
「ビール苦手だった?」
「……ふふ、でも楽しい」
目を細め、微笑んだ。
ピンク色に染まった その頬に
一瞬…
ほんの一瞬だけ、邪な情動が 俺の躰を駆け抜けた。
(何を考えてるんだ)
そんな考えを追い出すように ブンブンと頭を振り、彼から視線を逸らした。
心を鎮めようと、桜の木を見上げると
光の加減だろうか?
白かった花びらが
心なしか…赤く染まっていた。
「帰らないの?」
離れ難くて…
腰から上がらないでいる俺を 覗き込む。
おそらく、日付も変わったことだろう。
…だけど、すでに心を奪われていた俺は、この場から離れたく無かった。
「…帰らない」
「ダメだよ…帰れなくなる。今なら間に合うから」
立ち上がろうとする その手を取り、抱きしめた。
「名前…まだ 聞いてない」
「…カズ」
「俺、潤」
「じゅん…」
少し悲しそうに微笑んだ カズは
俺の手の中、消えるような声で呟いた。
「…サヨナラ」
近づいた唇が
ゆっくりと触れ…そして、離れた。
ザ…
突風が 二人を包む。
気付くと
俺の手の中からは…
薄桃色の花びらが 溢れ落ちていた。
あれから…
毎日のようにあの場所を訪れていたが、カズに会うことは無かった。
そして、再び 桜の季節がやってきた。
「……月…?」
見上げた空
身を隠すように 雲の影を纏っている月に、既視感を覚える。
ざわつく胸…
はやる気持ちに
気付けば、俺は駆け出していた。
公園の奥。
息を切らしながら 細い道を走る。
角を曲がった俺の目に飛び込んできたのは、あの時と同じ 満開の桜だった。
その下には…
「やっと会えた…」
「…また、来たんだ」
静かに 俺を見つめるカズは
やっぱり…
少しだけ寂しそうに笑っていた。
おわり
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
昨日は電池切れるのが早くて
9時半には 寝てました←
こんな感じで
気の向いた時に ふらっと 出て来るかな?
( ・∇・)
書きかけのお話…
大宮さんと、にのあいも途中で止まってるんだよね。
つづき、書けなかったら 下げますね。
今までみたいに、定期的にはUPできないと思います。
ここが好きで…
待っていてくれるお友達だけが残ってくれれば、それで良い。
アメンバー
フォローの解除はご自由に。
挨拶は不要ですからね。笑
では…
miu