つづきです。
軽くBL含みますので、ご注意下さい。










え、と 大きく見開かれた瞳が
柔らかく三日月を描いた。


「うわ、その呼び方 久しぶりかも」

「うん…最近ずっと相葉さんって呼んでたもんね」


少し照れてる?

それとも…
オレンジがかった、電球色の照明のせい?
まーくんの 頬が赤く染まっていた。


「…ダメ?  嫌、かな?」


顔を近づけ、覗き込んだ。
もちろん…可愛らしく 小首をかしげることも忘れない。


「え、あの…嫌じゃないよっ、全然!
それにしても、なんかこの部屋…暑いよねっ!」


後ろに体を引き、オレから顔を離した。
途端に表情が見えなくなる。

…むぅ
それなら…


「ホント、暑いよね」


立ち上がり、穿いていたハーフパンツをたくし上げる。
スラリとした、白い太腿。
それを見せつけるように 足を伸ばした。


「あ…あ…うん ////」


確かに ロックオンしたはずの視線を、慌てて逸らした。そして それは、定まる場所を探して彷徨っている。

まぁ、反応としては 悪くない。
オレはメニューを取り、まーくんに手渡した。


「ほら、頼もうよ。何が良い?
今日はオレが奢るから!好きなの、何でも頼んでよ」

「えー、本当に?!笑」


酒の力を借りるというのは 少々ズルい気もするが、きっと、偽りのない本心を聞き出せるはず。

テーブルいっぱいに並んだ 酒と料理を前に

オレは…
期待に胸を膨らませていた。












……ニノに、めっちゃ見られてる。

正直、どんな顔をしたら良いのか分からない。
誤魔化すように、目の前の酒を煽った。


首をちょこんと傾げ
上目遣いで見上げる 甘い表情

はにかんだ 可愛らしい笑顔

急に立ち上がったと思ったら
太腿を…

もう、太腿が白くて もっちりしてて //////// 

伸ばしかけた右手を、慌てて抑えた。

何なの? これ、何の罰ゲーム?!
心臓がバクバク言ってるんだけど。

…友達なのに。


気持ちを落ち着かせようと、目を閉じた。


『それって…普通に 恋じゃないの?』


昨日の翔ちゃんの言葉が
胸の奥で リフレインしている。


翔ちゃん…オレ、どうしたら良い?


「…ねぇ、翔さんがどうかしたの?」


空のジョッキが並んだテーブル。焼酎のグラスと、ワイングラスも。

…あれ、こんなに飲んだっけ?

驚いて顔を上げると、焦点の定まらない 飴色の瞳が 不機嫌そうにオレを見ていた。



つづく



miu