翔潤のお話です。
軽く BL含みますので、ご注意下さい。










潤の部屋から持ってきたシャツを着せ、ボタンを一つずつ とめていく。

その手元をじっと見つめている潤。


…うちに連れて帰りたい。 
安心して、眠りにつくまで 潤を抱きしめていてやりたい。

でも、それは無理だろう。
ならば…


「潤…好きだよ」

「え…うん////」

「愛してる」

「////////  あの、俺も…」


頬に
首筋に
胸元に


潤の瞳に 拒絶の色がないことを確認しながら、慎重に 言葉と唇を置いていく。

今、ここにいる間

俺のことしか考えられないくらい
愛で満たされるように。


「潤…嫌だったら、言って?
直ぐに 止めるからさ…」


絡まる髪を 指先で摘み
キスを 少しだけ…深くした。


んっ…
はぁ…

浅い場所で行き来する 互いの舌。

…応える 潤の動きに
二人の吐息は濃くなっていく。

薄く目を開けると、潤の瞳も熱を帯び


(もっと…)

微かに動いた唇が
確かに そう 言っていた。


俺たちは、次第に夢中になる。



コンコン…

遠慮がちにリアウィンドウを叩く音に
俺たちは 我に帰った。

相葉くんとセンセイが戻ってきた合図。

少し間を置き、ドアが開いた。


「邪魔して悪い。
松本のお母さんが 到着したから」


センセイが言う。

…そっか、そうだよな。
時間的にも、そろそろ着く頃だとは思っていた。

少しだけ 胸元が乱れたシャツを
俺たちは 慌てて…整えた。


車から降りると、小さな人影が駆け寄る。
それは、潤のお母さんだった。


「潤…怪我は?!」

「…いや、俺は大丈夫だよ。心配かけてゴメン。それに…何もないから」

「でも…怖かったでしょう」


潤は、真っ赤に擦りむいた手首を後ろに隠し、お母さんに笑いかける。


「大丈夫だよ」


…泣きそうな母親を 安心させるように
もう一度、言った。




ポケットに突っ込んだ手に
スマホが触れる。

俺も…
心配させたままじゃ いけないな。


一度だけの着信と
一件のメッセージ…


メッセージに触れる

【あなたの大切な事が終わったら
病院に戻りなさい】

…表示された その短い文章に

心配して…
それでも、俺を信じてくれた母に
心から感謝した。






つづく





miu