翔潤のお話です。
軽くBL含みますので、ご注意ください。













一体、何が起きたんだろう?

静まり返った部屋

俺はただ…
呆然と座り込む事しか出来なかった。


逸らされた瞳

振り返らない背中

しょおくんの手で 閉じられたドアは 
沈黙したままだった。


送ってもらったのが、そんなに いけない事だった?
同じアパートに住んでるの、俺のせい?
自転車…貸してくれるって親切じゃん。


なんで?
なんで?
…なんで?


「…っ、ふ…ぅ」


視界が 涙でボヤける。

しょおくんが来るの、楽しみにしてたんだ。一週間待ち遠しかったよ?
それなのに、どうしてこんなことになるんだろう…


俺は悪くない。
謝らないから。

そう思いながらも
しょおくんの…苦しそうな表情を思い出し
自分の胸が締め付けられた。

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ベッドに座り 膝を抱え 
ひとり、眠れない時を過ごす。

一旦止んだと思っていた雨は、いつの間にか また 降り出していた。


スマホを握ったまま
何度もメッセージを打ちんでは、消す。

だって、何を伝えれば良い?

堂々巡りの 問いかけ
その答えは…出ないままだった。


"ピコン♪ "


部屋に響いた メッセージの音

…しょおくん?!



【風邪引かなかった?
暖かくしてね。おやすみ(^^)】


ずっと握りしめていた、手と同じ温度になった スマホ。
その画面に表示されたのは…

佐藤さんの名前だった。


待ち人からではないメッセージに気分が沈む。
返信する気にもなれず、そのまま置こうかと思ったが、自分の部屋へと戻っていく 佐藤さんの後ろ姿を思い出した。

…冷たい雨に びっしょりと濡れた左半身。

それは、俺が濡れないように  と 
傘を 傾けてくれていたから。


佐藤さんこそ、風邪引かなかったかな。


【今日は ありがとうございました。
佐藤さんは 大丈夫ですか?】


そう 打ち込んだ指先は
躊躇いもなく 送信ボタンに触れる。


…こんなに簡単なのに。


しょおくんに宛てた  メッセージとの
重さの違いに

乾いた笑いが 込み上げていた。




miu









(´-ω-`)   エロ不足だ…