にのあいのお話です。
BL含みますので、ご注意を。
独り立ち…?
ここを出て、自分の店を持つ。
今まで 考えてもみなかったけど
目の前の景色が 鮮やかに変わった気がした。
「あの…」
無意識だったと思う。
次の瞬間、オレの口からは
ずっと…胸の奥にしまってあった言葉が 溢れていた。
「大将…カズちゃんを、オレに下さい!」
畳に頭を擦り付け、深く頭を下げた。
…うん、連れて行く。
一人じゃダメなんだ。
カズちゃんと一緒の人生を歩きたい。
「あぁ、こっちの店は 家内が手伝ってくれてるから心配ない。
事務的なことはカズに任せると良い。
二人で、やってみろ」
「あの…」
カズちゃん本人を抜きに 言って良いのか…
ちょっと迷ったけど
この機会を逃すと 言えない気がして
クッと 顔を上げた。
「あの、もちろん仕事の面でも、カズちゃんは頼りにしてます。
でも、何より…一緒に生きていきたいんです。
カズちゃんは 特別な…人だから」
オレの言葉に、一瞬…動きが止まった。
でも、視線を逸らさず 真っ直ぐに見てくれる。
「…そうか、うん…」
それだけ言うと
大将はオレの頭を ポン と 撫で
ゆっくり立ち上がった。
その背中に 深く…頭を下げる。
扉が閉まったあとも
オレは 暫くの間、動けないでいた。
オレ、やっちゃったかな。
このタイミングで 間違ってなかった?
…カズちゃんに怒られるかも。
でも、不思議と後悔はしていない。
深く息を吐いて 顔を上げた。
あらためて…問う。
「もちろん、一緒に 来てくれるよね?」
抱きしめた腕の中
すっぽりと収まったカズちゃんの表情は見えない。
でも、真っ赤に染まった耳が
コクン と頷く。
「カズちゃんの人生、預かって良い?
オレの人生も…カズちゃんに預けるから」
「うん…うん」
濡れた、飴色の瞳を 唇で塞ぎ
口元へと滑らせていく。
「ね…風呂じゃなくて
………オレが温めてあげる」
返事を待たずに
羽織らせていたパーカーを床に落とした。
あ…
驚いたのか、小さく声を上げる。
大切に…抱き上げ
生まれたままの姿の 愛らしい天使を、布団の上へと横たえた。
着ていたスウェットを脱ぎ、肌を合わせると 寒く無いように肩まで毛布を引き上げる。
しっかりと オレを見据える瞳
キュッと唇を噛んで、小さく呟いた。
「まーくん、あの、寒いから…///// 」
伸ばされた、震えていない手を取ると
二人の躰を密着させる。
毛布の中で、カズちゃんの脚が絡められた。
つづく
( ̄∀ ̄) お待たせ♡いくよー!
miu