大宮さんのお話です。
今さらですが、夜会2時間スペシャルから…
ことの発端は、翔くんの番組。
映画の番宣のため、このところ仕事が立て込んでいた。
さすがに疲れてきた頃だったけど、翔くんの番組だし、あまりアウェイ感は無い。むしろ、おれが適当にやっても 翔くんが何とかしてくれるから…正直、気が抜けていたのかもしれない。
その 打ち合わせの最中に、おれは 口を滑らせてしまった。
「…って、ニノが変な動画を送ってきたから…せっかく考えたフリが飛んじゃったんすよ」
「面白いですね。それ、使いましょう！！」
…しまった。
おれが うっかり…発した言葉に
嬉々として顔を寄せてくるスタッフ。
「で、大野さん！
二宮さんから送られてきた動画、今あります？」
「いや、ない！
それ消しちゃったから！」
慌てて首が飛んでいきそうなほど、ブンブンと横に振った。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい！
耳のすぐそばで バクバクと鳴っているのは…おれの心臓の音？
イヤな汗が 背中を流れる。
そっか、動画がないとなあ…と 項垂れるスタッフが、何やら思い立ったように席を離れた。
部屋の中、一人取り残される。
何とか気持ちを落ち着かせようと、目の前に置かれたペットボトルのフタを開け、口に運んだ。
「はあ〜なんであんな事言っちゃったんだろ」
頭をガシガシと掻きむしる。
あんなの…
人に見せられるワケ無いのに。
超〜すごい振り付けが思いついたのに、それを全部すっ飛ばした、あの動画。
鼻血をたらしながら、手に取ったティッシュを鼻に詰めるか 下の…を処理するか悩んだほどの衝撃的なモノだった。
…本当は、スマホに保存してあるけど
絶対誰にも見せない。
ってか、見せられない。
でも今さら 別のネタって…何があるだろう。
二宮カンチョー事件とか？
うわ…他に思いつかねぇ。
コンコン！ガチャ
飛び出していったスタッフが 瞳を輝かせて戻ってきた。
「大野さん、さっき話してた動画…
二宮さんが送ってくれました！」
へ？ まさか…嘘だろ。
「え、ニノが？ 動画を送ってきた？」
「はい。『良いよー送るよー』って快諾してくださいました」
「それ、見たの？」
「いえ、これからです。
一緒に確認してもらえますか？」
タブレットをテーブルに置き
画面に、触れた。
「それ…ダメだって！」
叫びも虚しく、動画が再生された。
………これ、何だ？
画面には、釣り人の姿が。
あ〜見たことある。
すげーでっけぇ鯛が釣れるやつだ。
「二宮さんが送ってきた動画、これで間違いないですか？」
「あ…そう、うん。これ…」
「じゃあ、大野さんのコーナーは、これでいきましょう！
よろしくお願いします」
「はぁ、よろしくお願いします…」
何だか腑に落ちなかったが、丸く収まったらしい。打ち合わせを終えたおれは、スマホで ニノの名前を表示し、タップした。
数回コールした後、笑いを押し殺したような声が響く。
『ククっ… 見たの？動画』
「見たよ。 焦ったわ、マジで」
『ワタシが焦りましたよ。
マネージャー経由で連絡があってさ？
ワタシが大野さんに送った動画が欲しいとか』
「うん」
『アナタ、バカじゃないの？
あんなの…テレビで使えるワケ無いじゃない！！』
「わかってるけどさ…つい、口から出ちゃったんだよ」
『とりあえず、あの釣り動画で誤魔化せるんじゃない？
…感謝してくださいよ、大野さんに、貸し一つですから』
「………むぅ」
元はと言えば、振り付けが飛んでしまうほど衝撃的な動画を送ってきたニノが悪い気がするけど、口で勝てるはずもない。
ココは、引いておくか。
『で？ 今日は…ウチ来れそう？』
「ぜってー行くから。待ってろ」
通話を切り
…あの動画を再生する。
その中には、裸で抱き合うおれたちの姿。
固定カメラで撮っていたらしく、時折フレームアウトしてしまってはいるが、繋がっている様子が 小さな画面の中に 生々しく映し出されていた。
本当に、いつの間にこんなの撮ってたのか…全然気づかなかった。
…よし今夜、ハ メ 撮 り してやるからな。
そんで、それをニノに送りつけてやる。
んふふ♡
そうと決まれば…
「よっしゃ、仕事するぞっ！！」
俄然ヤル気が湧いてきた おれは
軽い足取りでテレビ局を後にした。
終わり
*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'(*ﾟ▽ﾟ*)'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*
終わりますけど(￣∀￣) 笑
本当は 釣り動画じゃなかったんでしょ？
二人の、愛の営みを送りつけられて
びっくりしちゃったのよねー
そして、アメンバー申請は 締め切らせていただきました。
承認作業は全て終わっております。
メッセージのなかった方、年齢をお知らせいただけなかった方は承認しませんでした。
御了承下さい。
miu