なんかさ…お隣さんばかり見てると お腹いっぱいになってくんね。笑
飽きっぽいんだよな。
末ズ、入れますね。
「これ…何?」
薄紅色 をした
上等の手触りの生地が 目に入った。
手を滑らせ、広げてみると…
「…着物?」
「ん? あ…広げちゃいましたね?
…ワタシ、コレ 畳み方知らないんですけど」
「いや、コレ…何?」
「アナタ、今 着物って言ったよね?知ってるじゃないよ」
「着物は 分かるよ!
…何で ココに 着物があるかってこと!」
「雑誌のね、撮影で使ったんですよ。
あんまり キレイだったから…たまには 姉ちゃんに プレゼントしようかな~なんて思って。
…買い取りました」
「へ~珍しい…。なぁ、着てみて」
「…嫌、ですよ。
そこに 撮影の時に貰った スチール写真があるから…
それでも見て 満足して下さい?」
「…コレ?」
「!!? よし…カズ、着よう」
「は? 何で!? 嫌だって」
「この間の…貸しが 一つ 残ってるよな?」
「あ…それ ココで使うの?
ホントに??
……ハァ、しょうがないですね…」
カズは 渋々 着物を手にとり
袖を通そうとした。
「…どうせだから、素肌に着ろよ」
「…なんか…変なスイッチ 入っちゃった…」
「脱 ぐ の 手伝おうか?」
「…結構です…」
一枚、一枚…
着ていたモノを 脱 ぎ 始めた カズ。
「着物だから…当然 下 着 も 無し、な?」
「はぁ~?」
呆れた様に 俺を見つめる。
…今日は 俺 主導で
行かせて貰うよ?
カズは 着物を 羽織り…
ブツブツ言いながら 下 着 を 脱 ぐ。
その…動きに合わせて
ユラユラと 布が 波打っていた。
キレイだな…。
肩から 背中のラインにかけて
薄い 紅色 の布地に 散らされた
大小の…花模様。
カズの 白く 透明感すら感じさせる
この 肌に 良く映えて…
まるで、紅の花が 咲き誇っているかのよう。
その 可憐 かつ 妖艶さ に
俺は 思わず 息をのんだ。
着物の美しさ…もあるけれど
これは カズの表情だろうか?
短いけれど 艶々 とした黒髪。
挑むように 向けられた
熱っぽい その瞳には
…カズに 魅せられた 俺が
写り込んでいた。
吸い込まれるように
ふたりの 距離が近づき
唇を 合わせる。
啄むようなキスを 数回 繰り返し
薄く開いた 唇に
深く…舌 を 差 し 入 れ た。
「…ぁ…っん、じゅん…」
カズから 漏れる 甘い声が…俺を 煽 る。
湿った水音が
次第に大きくなって…
気付けば 貪るように
口 内 を 荒らしていた。
つづく
2015.3.3 miu