末ズで 一休み…笑
続きです。







俺達が 再び  楽屋に戻った時には
大野さんは帰った後だった。

二人分の 荷物を持って

マネージャーと
地下の駐車場へと向い

車に乗り込み、確認する。


「今日、ニノ うちに泊まるから…
ニノは 明日 何時?」

「えーと、10時ですね」

「じゃ、一緒だ。
…俺んとこに 迎えに来て」

「分かりました」


車に乗ってからも
普段より 口数が少ないものの…

特に 具合が悪そうには見えない。



…全く。カズのプロ根性には 脱帽する。


収録中はもちろん
楽屋に戻っても  平然としてた。


たまに…

カズ と  ニノ  の境目が
分からなくて  俺は不安になる。


「…少しでも  寝とけよ」


視線を一瞬だけ  俺に預けて
また、すぐに戻す。


「……ん。着いたら  起こして」


指先に 何かが   触れる気配を感じ

目をやると…
カズの 手が  俺を 探していた。


運転席からは  見えない位置で
そっと、手を握ると


カズは…

安心したように  眠りに ついた。





「…ニノ、着いたよ」

「?  …あ、ホント?」


ノロノロと 動きだして
車を 降りる。


マネージャーを見送って

エントランスを抜け
エレベーターへと 乗り込む。



ドアの鍵を開けて…
カズを 寝室に寝かせた。


「車で ちょっと寝たし。
もう…大丈夫ですけど?」

「俺が 心配だから…ダメ。寝てろよ」


頬にそっと 手をあてて
…キスを 落とす。


”大丈夫” …

そう 言う
俺の瞳に 映って いるのは

カズ?

それとも…ニノ?



「なんて 顔…してるんです?」

「…え?  何?」

「心配 し過ぎですよ。ワタシね、潤…J じゃなくて、潤ね。
他の誰かなんて あり得ないから。
潤に だけだからね?こんな… 弱ったトコ 見せるの。ダメな時は ダメって、言うよ。
だって アナタ 気付いちゃうでしょ?黙ってても。だから、隠さないのよ。で、今 ワタシが 大丈夫って言ってるのは 無理してるワケでもなんでもなくて、本当に大丈夫だから。

…分かりました?」

「……うん」

「ふふっ…良くできました。
ね  潤、ハンバーグが食べたい」

「は?  いや、冷凍庫に あるけどさ。まだ 止めといた方が良いんじゃね?」

「…食べたい」

「じゃあ、大根おろしタップリの 和風のヤツ。明日の朝メシに作ってやるから…それで いい?」

「ん、それで  いい…」



こんなに…甘えるカズは 見たことなくて  
なんだか  嬉しい。

…これが
具合の悪い時で なかったら

イロイロと…するトコだけど。



「今日は、おとなしく 寝ろよ」

「………潤は?」

「風呂入ってくるよ」

「明日、一緒に入れば いいんじゃない?   
……ココに  いてよ」



キシッと  微かな音と 共に
カズの 隣に 潜り込む。

腕の中に カズを収め
互いの 体温を 感じながら

カズの言葉を 思い出す。


一気に まくし立てられて
最終的に、何を言ってるのか

よく…分からなかったけど

少なくとも  潤  って
呼んでくれてる時は

カズ  であって。


俺だけに みせてくれる顔。

俺だけの   カズ。


………特別。


多分、そういう解釈で
イイんだよな?


俺の 腕の中で
寝息を立て始めた カズを

ギュっと  抱きしめ


俺も…微睡みに 沈んでいった。

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つづく


2015.2.24  miu