大宮さん 続きです。







「良い人達、だね」

大野さんが  嬉しそうに言う。

「にの の事 大好きみたい。
んふふふっ…」

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「…うん、そうね。
あの人達がいなかったら…」


(今、アナタが ここにいる事も
無かったでしょうね)


「???   …どうか した?」

「…いえ、なんでも ないです」


飲み込んだ 言葉は
ワタシの中で   徐々に  ふくらみ
  
…ギュッと  胸を 締め付けた。



「さあ、描くよっ!」

「…えー?  今からですか?」



絵を描くため  とはいえ
ジッと 大野さんに 見つめられ…

…身体の  その奥に
暖かい光りが  灯る。

ワタシは その光りが
外に 漏れ出さないように


そっと…フタを閉じた。

        ・
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        ・
        ・



雅「大野さん、いい人だけど。
…なんて言うか…手強いかもよ?」


大野さんは 
画材の買い出しに 出掛けていた。


それを 待っていたかのように

翔さん と 相葉さんが 
うちの ドアを開けた。


二「…どういうこと?」


翔「まぁ、いいヤツなのは  分かったよ。
大野さんも、ニノのこと 好きだと思うし。
でも、なんて言うか…”好き”の  枠がデカいんだよな」


雅「オレたちみたいな、その…恋愛感情っていうより。
なんだろう………地球規模?
でっかい愛!」


二「…相葉さんのその例えも  分かりにくいな」


とは言ってみたものの…

なんとなく 二人の言いたい事は
分かりますよ。


…だから  ワタシは
自分の奥に灯った 光りを
しまったんですから。

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翔「運命的に出逢って、互いに 惹かれ合っても。
…そこに 恋愛感情が伴うかは 不確定事項なのかな」

二「まあ、友情とか…家族愛的なものもありますしね?
それはそれで…いいんじゃないですか?」

雅「でもさ、ニノは…
大野さんの事…好きなんでしょ?」

二「…わからないけど、たぶん…」

雅「それって…辛くない?」


二「今は、ね。一緒に居られるだけで…満たされてるから。大丈夫 」


そう、自分に言い聞かせるように
言葉にすると

…少しだけ  涙が 滲んだ。


翔さんが  ワタシの 肩を 引き寄せ

唇を 目元にあてる。


翔「…躰の方を 満たしたくなったら…
いつでも おいで?」


……。


二「…翔さん…
相葉さんが 睨んでるよ?」



クスッ

三人…顔を見合わせて 笑った。


……優しい 人達。


「…大丈夫ですよ」



そう 呟いた。




つづく

2015.3.31   miu