スイマセン…
この話の続きを書こうかと。笑
おサルさん、お引越しさせちゃいます。
べしっ!
上手い具合に
おいらの顔面に ヒットし
ポトリ、と 手の上に
猿が落ちてきた。
「…船長 やっぱ、ゴメン!
キャンセルだわ!!」
猿の…
フワフワの 柔らかい その手で
”おいで” をする。
黙ったまま 近づき
ストン、と
おいらの 足の間に 収まる にの。
背中を小さく丸めて
おいらの様子を伺っている。
コイツ…やっぱり 可愛いなぁ。
そのまま 抱き込んで
髪に キスを落とす。
「戻れたの…にの のおかげだよなぁ。ありがとう。
久々の休みだし。今日は 一緒にいような?」
「別に 何もしてないし。
大体、猿のままで仕事するワケにいかないでしょ?」
「んふふ。
だって、いっぱい…してくれただろ?」
耳元で 囁くと
さっきまでの 行為を
思い出したようで…
耳まで 真っ赤にして
プイっと 横を向く。
ホント 素直じゃないよな。
でも…そこが 超可愛い。
首筋を 舌で辿ると
嬉しそうに 身を捩る。
「猿じゃあ こんな事 出来ないしな?」
「おサルの大野さんも 可愛いかったですけどね?
…でも、大野智 が居ないと困るし。
仕事はもちろん…ワタシも。
………。
それなのに、真っ先に電話する先が 船長って…
おかしくない?!」
あ、やべぇ。
思い出しちゃったな。
…いや、真っ先にって
にの へのお礼は
躰に しっかりさせて貰ったからさ…
いいかな、って思ったんだけど。
…話をかえなくちゃ。
「あ!なぁ、聞きたいだろ?
おいらの 大冒険!!」
「ワタシ…興味ないって 言いましたよね? 」
「いや、ホント凄かったんだって!
あのさ… 」
おいらは
にの の 気を逸らそうと
無理矢理 話し始めた。
……ん?
なんだ、これ??
正月早々、夢を見てるのか?
初夢?
えっと…たしか、少し前まで 絵を描いていて
急に眠気が 襲ってきたんだよ。
うん。
で…仮眠を取ろうかな、って思ったんだけど、でも 今日中にもうチョット詰めたくて…
1時間だけ、寝ようと スマホのアラームをセットしたんだよ。
そこまでは 覚えてる。
で。
アラームが鳴り響き
目を覚ましたおいらの前には
自分が 横たわっていた。
作業部屋には、仮眠用にソファベッドが置いてあって
そこで横になったんだけど…
とりあえず
目の前の頭を叩いてみる。
ぺし、ぺしっ!
ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、!!
ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、ぺしっ、!
反応なし。
足を振り上げて…蹴飛ばす。
げし、げしっ!
げしっ、げしっ、げしっ!!
げしっ、げしっ、げしっ、げしっ、げしっ、げしっ、げしっ、げしっ!
はぁ、はあ。
疲れちゃったなぁ。
やっぱり…起きない。
肘掛部分によじ登り
ダイブ してみたけれど
おいらが 起きる事はなかった。
起こすのを諦めて
ぴょん、と ベッドから降り
体を動かす。
何か、随分と 軽いな?
目線も かなり低い。
ブンブンと 手を振ってみる。
ベッドの脇に置いてあった鏡に
目をやると…
ブンブンと手を振る 猿が。
正確には、猿のぬいぐるみが
そこにいた。
………マジか?!
おいらは、途方にくれていた。
つづく
2016.1.16 miu