つづきです。
間違えたので再UP。…スイマセン




「!!  あのっ?」

「…あ、スイマセン。
口のね、形を…確かめてて…」


ヤバい。

咄嗟に、口から出た言い訳は
あまりにも お粗末だった。

…そんなワケあるか。


「あ、そうっす、よね?
よーく確かめてて下さい!」
 

…信じてるのか? マジで?!

どうしよう。本気で可愛い。


「大野さん、緊張してます?
治療にあたっては…緊張を取り除くのが一番良い方法なんですけど。
とりあえず、今日は歯石の掃除だけして…飲みにでも行きません?」

「へっ?  そうなの?
おれ、歯医者って苦手で。確かに緊張…してるかも」

「…知らない人間に治療されるより、知ってる人間に治療される方が良くない?
…じゃあ、少し待ってて貰っても良いですか?」

戸締りをして
大野さんと クリニックを出た。



「先生って…こんな事まで面倒みてくれんの?
なんか、悪いな…」

「…いや、誰でもってワケじゃ…。
大野さんの緊張具合が あんまり面白くて」

「えっ…マジで?!」


たわいのない話 をしながら
馴染みの店の前に着く。

今日 初めて会ったばかりのオレ達。
店に着く頃には、すっかり意気投合していた。


個室のある 良い雰囲気の居酒屋。
乾杯して 酒を酌み交わす。


互いにホロ酔い気分になり

暫くして ほんのりと頬を赤く染めていた大野さんが、眉をひそめた。

「…っ!」

「…痛みます?」


右手をアゴへと這わせ
クッと…すくい上げた。


「ね、口…開けてみて?」


アゴにあった指を 唇に移動させ
スッ、と 口内へと忍び込ませた。

「 ん…っ!?」

「…大丈夫だから。オレに任せて?」


進入させた指で 舌 を絡 め 取り
口内を 探っていく。

次第に 漏れる吐息が荒くなり


けっして酒のせいではない

潤んだ瞳と
紅潮を深める頬が  オレを煽った。


もっと、この人の…

色んな表情を見たい。

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虫歯の部分に 指を滑らせる。


「…っ、ん…!!」

痛みが走ったのか
僅かに 身じろぎ

苦悶の表情へと変わる。


それが…
妙に 艶めかしくて。

指では我慢できずに
引き抜き、唇を 重ねた。




つづく