大宮さんのお話です。
軽くBL含みますので、苦手な方はご遠慮ください。





「ニノ~笹 貰ってきたよ!」

………はあ。
そう、ですか。

この人は一体 、何を祈ろうと言うのか。

うちのベランダに、おおよそ 似つかわしく無い…笹。

コイツは かなりの存在感を 発揮していた。


「飾りも 作るから!」

「…はい?」

見れば、短冊と 折り紙、ハサミなどが  リビングの ローテーブルに 置かれている。


大野さんは、いそいそと  ”七夕飾りの作り方”  なんてのを 調べながら…楽しそうに 折り紙に ハサミを入れて行く。


「ニノも作んなよ。手作りの方が、願いゴト 叶うかもよ?」


「…ワタシは、神頼みなんて しないから。アナタの 好きにやんなさいよ」


…だってさ。

結局は…アナタの願い事って
ワタシが 叶えるコトになるんでしょ?


ソファに 体を沈めて
 
抱きしめた クッションに アゴを乗せ
目の前の…愛しい人を眺める。


こういう作業を始めると
途端に集中する 大野さん…

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その 真剣な横顔を 間近で見ながら

この顔を  ココで見られるのは
ワタシだけの 特権だよな…なんて。

ちよっと 嬉しくなる。


短冊に書かれる 願い事に関しては
少々 不安が残りますけど…。笑


紙の  カサカサという…
微かな 音と共に

部屋の中には
静かで 穏やかな  時間が流れ

その 心地良さに

何時しか…ワタシは ウトウトと
眠りに落ちていた。



つづく



短いけど、一旦切ります…