つづき




あまり 遅い時間まで 
酒を飲むと

浮腫んだり…しちゃう人だからさ。


外で飲む時は 仕方ないけど

家飲みの時は  
なるべく 翔ちゃんの身体に
負担が かからない様に

メシも酒も  
なるべく 早い時間

できれば11時までには 終わればと 


…そう 思ってたんですけど。
(なんだか  嫁みたい…ですね)



髪を拭きながら 
風呂から出てきた 翔ちゃんは

やっぱり
メシより…ビールより も

ワタシの  ところに来て
膝の上に  乗せようとするから。


…心を オニにして

優しく回してくる 腕を 
押しやった。


「翔ちゃん  もうさ、メシ食おう?!」
(もう、あと1時間 ないからっ!)


って…
なんでしょうね?

ワタシの方が  
”色気より食い気”  みたいな

そんな感じになってしまって。



「……俺だけ なんだ?
今日、スゲー楽しみにしてたのに 」


ワタシの 意に反して

翔ちゃんの表情が  
次第に 曇ってゆくから

思わず 口走ってしまった。


「?!   
そんなワケ無いじゃない!
だって…この後のコト 考えたら…」

「…この後って?」


翔ちゃんが 
ワタシの 腰に回した手が
ポケットの位置に 当たり

少しだけ、はみ出していた 紙が
ガサッと音を立てた。


それに 気付いた 翔ちゃんが
ポケットに 突っ込み…

手に取る。


「これ…何?」


ああっ!!
”今夜の♡スケジュール表” がっ!



「………
全行程   終了予定時刻    AM  1:00
へえ~。
これ…ニノが 考えたんだ?」

「…ふふっ…あの、良く出来てるデショ?」

「…悪くないね。
特に 2回目の 体 位  なんて  最近シテなかったし。
……でも  何で 1時 終了なワケ?」


あ。ダメ出し…ですよね?


「…だってさ  翔ちゃん  疲れてるだろうから。11時まで には  メシ食って…。それから  シテ、さ。

最終的に  1時頃には…寝られるように、って。そう思ったんだけど…」

「ふーん?
俺としては、メシより  何より…
先に コッチを 食べたかったんだけど。

…ってか、悪くないよ。
悪くないけどさ?

俺としては  朝まで寝かすつもり 無いし。マジで  2回で終わると…思ってるんだ?」


ワタシの顔を 覗き込んで言った

…この 挑発的な セリフに
ウッカリ 乗ってしまった。


「…本音を言えば、直ぐにだって  シタイし、2回じゃあ 足りないよ!

一晩中だって…
そんなの 当たり前じゃないよ!
どんだけ シテないと思ってる?

…けど、アナタ どんだけ 忙しいのよ。

翔ちゃんの 体の事とか考えたら、
ゆっくり休ませてあげたいって…
そう 思うから 」


熱い 眼差しで  
真っ直ぐに  射すくめられ…

すぐさま

翔ちゃんの  脳内コンピューターが
答えを 弾き出した。


翔ちゃんの親指が 
優しく  ワタシの 唇 をなぞる。

「だったら……
もっと 良い方法があるじゃない?」


翔ちゃんが ニヤッと 笑った。


まだ…続く

2015.4.18  miu