side:M
透き通るような白い肌を
紅く染めて
俺の目の前に居るこいつは…誰?
ずっと、不思議に思ってた。
身体の線こそ 昔から細かったけれど
自分に 絶対の自信を持っていて
顔が良いのも、仕事ができるのも…
ちゃんと 自覚してたよな?
人当たりが抜群に良いのに
こちらから距離を詰めようとすると
スッと離れてしまって…。
簡単には踏み込ませない。
昔から、そんな 雰囲気を持っていた。
でも、近づきたくて。
お前の特別になりたくて…
俺はさ?
お前と 友人以上になれないのが苦しくて…離れた。
……逃げたんだよ。
でも、久しぶりに俺の前に現れたお前は 違っていた。
格段に柔らかくなった…表情。
仕事に対しての 厳しさはあるけれど
以前のように 突き放す事はない。
見惚れるほどに綺麗なのは
変わらないけれど
色香を漂わせるような
艶やかな 空気を纏っていて…
惹かれる。
……そそられる。
でも、それは
”大切な人” だと言う、彼女のせいなんだろう?
こんなにも…お前を 変えた相手。
そんな相手なら
諦めるしかねぇよな?
俺は、気持ちを押し殺して
ニノに 声をかけた。
「…ほら、しっかりしろよ」
クタッとした ニノの腰に手を添え
ゲストルームへと運ぶ。
ドアに手をかけた時
耳に入って来た
ニノの…酔った うわごと。
「…さと、し…」
今…なんて言った?
ニノの スマホが震える。
ポケットに手を突っ込んで
メール画面を確認した。
『智』
…誰だよ、こいつは。
とも?
……さとし?
なぁ、お前を変えたヤツって…
さとし、なのか?
アルコールの所為なんだろうか
目の前が 霞み
耳鳴りが する。
視界が ぐにゃり、と 揺れて……
ドアに寄り掛かり
自分を立て直そうとしたのだけれど
ニノを支えていた 俺の手が離れた。
華奢な…
ニノの躰はベッドへと沈む。
そこへ覆い被さるように
俺の躰も倒れこんだ。
…もう、何も考えられない。
「…愛してる…」
耳元で囁くと
ニノの目は閉じたまま…
涙が頬を伝う。
「…ん、さとし…? 愛してる…」
俺の中で何かが…
音を立てて崩れた。
つづく
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
どうしよう…
この話が伸び伸びになってた理由。
チョット辛い展開に…。
限定にはしないので、書き込みませんけどね? 読んで、あまり良い気持ちにならないかも。(´・_・`)
無理に読まないでね。
m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m