清水邦夫作蜷川幸雄演出の

「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」で

ご一緒したのが2009年の5月でした。

中日を過ぎて千秋楽も間も無い時に

突然中川さん病気により降板というお知らせ。

びっくりしました。

不調で苦しみながらお稽古をされている姿を

見ていた真琴さんでさえ、

降板という中川さんにとって

一番辛い結果になるとは

思ってもいなかったそうです。

中川安奈さんは中川一政さんと千田是也さんの

お二人を祖父にお持ちの

色白のふっくらしてすらっとした

とってもお綺麗な方でした。西田がデビューした

ちょうどその頃でしたが

映画の主役を射止めた大型新人として

脚光を浴びられて、私たち市井の者達に

憧憬の気持ちを抱かせました。

ご主人の栗山民也さんは

アトリエダンカン制作の『ロス・タラントス』の

演出家でいらっしゃいました。

再演もされましたので長いお付き合いになりました。

森光子さんの作品も沢山演出なさって

『モーツァルト』出演の折にも

上の階でお稽古をされていると聞きつけて

ご挨拶に伺って、お稽古の様子を拝見したりしました。

熱烈な恋愛結婚でいらしたことも

ひやかしのたねでしたし、憧れの話題でした。

そんな中川さんとの共演でしたから

仰ぎ見るように拝見していました。

降板された時は

再生不良性貧血と伺ったように記憶してます。

違っていたでしょうか?

数日間検討されて公演を続けることになって。。。

その後風の噂に快くなられて

舞台に復帰されたと聞いていました。

油断していました。

突然の訃報に驚きました。

栗山さんがどれだけ悲しんでいらっしゃるか?

まだまだ悲しみが癒されているようには

見えませんでした。

前に進まなければと

御自分に言い聞かせているようでした。

本当にお綺麗でしたね。

ご冥福を祈っています。