共演者・友人・後輩・そして教えを受けた生徒さん達に

囲まれてしめやかに行われました。

演技の指導や舞台の制作をされて俳優でもある

ご長男が本番中で欠席され、

お逢いしたことのない御次男が喪主でいらしたので

あちらにひとかたまり、こちらに一かたまりと寄り合って

近年の病状と思い出話を交換しあって。

ふと見るとその中に丹下君が現れました。

彼は造形大在学中にTBS『エビテン』に作品を携えて出演、

蓬髪に和服、高下駄をはくその目立ち方ではなく

男らしい中に女性的な繊細さがある魅力に惹かれ

番組スタッフにお願いして連絡を取り

弊社にパーフォーマー×クリエーターとして誘いました。

まず業界の現実を見せるためにドラマに入れてい ただき

余りに浮世離れした子だったので

野中先生のところで台詞の言い方、動き方、表現を

教えていただきました。

今時いらっしゃらない、

情熱をもって厳しく教えてくださる先生でしたので

生きる姿勢を含め、

多くのことを学ばせて頂いたと思います。

若さゆえ、学ぶ前に異論を唱える時もあり

お金を払って『HOW TO』を習うばかりではなく

献身を授業料として現場で全てを吸収する大事さを

語りあったことも思い出です。

西田ひかるのPVを皮切りにキャニオン発注のPV、

その内他社からの映像作品も受注して。。。

フィルムだけに拘らずとかリーズナブルな金額で良い物を

という私の考え方と良いものを作って制作に携わる仲間にも

良い条件で仕事をしてもらいたいと言う

彼の信条が噛み合わず

結局袂を分かつことになりました。

その後の躍進振りは彼の選択が正しかった証明でした。

『エフ・スピリット』は彼のための会社でした。

エフはファイティング、フロンティアを意味して

その精神を活かしていこうと作った会社です。

真琴さんのマネージメントを引き受ける時に

元々持っている才能・経歴を活かし

新しく生まれ変わるアーティストにはこの精神が必要と

契約は(株)マナセプロダクションでマネージメントを

エフ・スピリット所属にしています。

ですから両社のタレントはファミリーなのです。

そんな取り留めの無いことを思い巡らしながら

その折節に話を聞いていただいた野中先生を偲びました。