アロッタファジャイナ・ワークショップ主宰のマツガエです。
12月4日から7日の4日間
水川あさみさん、木村文乃さん出演「太陽の坐る場所」
中谷美紀さん、大森南朋さん出演「スイートリトルライズ」
池脇千鶴さん、中越典子さん出演「ストロベリーショートケイクス」
などの、静謐な名作を撮られている監督、矢崎仁司監督のワークショップを開催します。
先日、矢崎監督に、創作の秘密や、ワークショップにかける思いなどを聞いてきました。
非常に興味深い内容となっています。
全7回のうち第6回目です。
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矢崎仁司監督インタビュー(その6)
「あなたでなければいけない理由」
(聞き手:ワークショップ主宰・松枝佳紀)
松枝 矢崎監督はキャスティングが決まってこれから撮影となる時に、俳優さんに「役を撮りたいのではなくて、あなたを撮りたいんです」と言うそうですね。
矢崎 はい。水川あさみさんにも、中谷美紀さんにも、そう言いました。逆に言うと、いくつかの映画を見た時に思ったことですが、ご本人の魅力が映っていない。結局、役を撮ろうとしているから、本人の魅力が映らないんじゃないかって思うんですよね。
松枝 分かります。脚本通りにとることを重視すると、役は映るけど、せっかく本人が持っている魅力なり本物空気感なりが映らないということですよね。
矢崎 脚本というのは、ひとつのきっかけに過ぎないと思うんです。たしかに、それがあるから、監督と俳優とスタッフと会話ができる。だけど、大事なことは、それを演じる必要はないってことなんです。
松枝 脚本に書かれていることを撮るよりも、現場で起こる本当のことを撮ることのほうが大事であるし、面白い。そういうことですね。
矢崎 僕がそういうように考えるようになったきっかけは「三月のライオン」を撮るときに趙方豪(ちょう・ばんほう)さんに言われたことなんです。「第三者を介して話をするのをやめることを約束して下さい」と言われたんです。
松枝 第三者?
矢崎 よくあるじゃないですか、「この役だったらこう考えるんじゃないか」とか「この役ならこうするんじゃないか」みたいな会話。俳優さんと監督の間に「登場人物」という第三者を置いてする会話。それをやめて「趙さんならどう考える」とか「趙さんならどうする」とやりましょう、それを約束して下さいと、趙さんに言われたんです。それは面白そうだと言うので乗ったんですが、それが、役ではなくて、俳優さんの本物を撮ろうということに僕が踏み出したきっかけになったんですよね。
松枝 それが「今のあなたを撮りたい」という言葉になっていくということですね。
矢崎 そうですね。
松枝 俳優が「登場人物」に体を寄せていくという話ではないということですよね。俳優が食べ、俳優が愛し、俳優が喜ぶ、実際に現場で起こったそれを撮るってことなんですね。
矢崎 そうでないと、誰が演じてもいいことになっちゃうんです。その俳優さんでなければいけない理由がなくなっちゃう。あなたでなければいけない、僕らでなければいけないというのを撮らないと意味がないと思うんです。
(その7「このセリフを削ったとき、どうする?」へつづく)
矢崎仁司監督インタビュー(全7回)
・その1「俳優たちと出会いたい」
・その2「悩むのが監督の仕事」
・その3「人を動かしたい」
・その4「人物を風景の中にうずめたい」
・その5「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
・その6「あなたでなければいけない理由」
・最終回「このセリフを削ったとき、どうする?」
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矢崎仁司監督のワークショップ詳細については次のURLから確認ください。
http://alotf.com/ws/ws18/
12月4日から7日の4日間
水川あさみさん、木村文乃さん出演「太陽の坐る場所」
中谷美紀さん、大森南朋さん出演「スイートリトルライズ」
池脇千鶴さん、中越典子さん出演「ストロベリーショートケイクス」
などの、静謐な名作を撮られている監督、矢崎仁司監督のワークショップを開催します。
先日、矢崎監督に、創作の秘密や、ワークショップにかける思いなどを聞いてきました。
非常に興味深い内容となっています。
全7回のうち第6回目です。
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矢崎仁司監督インタビュー(その6)
「あなたでなければいけない理由」
(聞き手:ワークショップ主宰・松枝佳紀)
松枝 矢崎監督はキャスティングが決まってこれから撮影となる時に、俳優さんに「役を撮りたいのではなくて、あなたを撮りたいんです」と言うそうですね。
矢崎 はい。水川あさみさんにも、中谷美紀さんにも、そう言いました。逆に言うと、いくつかの映画を見た時に思ったことですが、ご本人の魅力が映っていない。結局、役を撮ろうとしているから、本人の魅力が映らないんじゃないかって思うんですよね。
松枝 分かります。脚本通りにとることを重視すると、役は映るけど、せっかく本人が持っている魅力なり本物空気感なりが映らないということですよね。
矢崎 脚本というのは、ひとつのきっかけに過ぎないと思うんです。たしかに、それがあるから、監督と俳優とスタッフと会話ができる。だけど、大事なことは、それを演じる必要はないってことなんです。
松枝 脚本に書かれていることを撮るよりも、現場で起こる本当のことを撮ることのほうが大事であるし、面白い。そういうことですね。
矢崎 僕がそういうように考えるようになったきっかけは「三月のライオン」を撮るときに趙方豪(ちょう・ばんほう)さんに言われたことなんです。「第三者を介して話をするのをやめることを約束して下さい」と言われたんです。
松枝 第三者?
矢崎 よくあるじゃないですか、「この役だったらこう考えるんじゃないか」とか「この役ならこうするんじゃないか」みたいな会話。俳優さんと監督の間に「登場人物」という第三者を置いてする会話。それをやめて「趙さんならどう考える」とか「趙さんならどうする」とやりましょう、それを約束して下さいと、趙さんに言われたんです。それは面白そうだと言うので乗ったんですが、それが、役ではなくて、俳優さんの本物を撮ろうということに僕が踏み出したきっかけになったんですよね。
松枝 それが「今のあなたを撮りたい」という言葉になっていくということですね。
矢崎 そうですね。
松枝 俳優が「登場人物」に体を寄せていくという話ではないということですよね。俳優が食べ、俳優が愛し、俳優が喜ぶ、実際に現場で起こったそれを撮るってことなんですね。
矢崎 そうでないと、誰が演じてもいいことになっちゃうんです。その俳優さんでなければいけない理由がなくなっちゃう。あなたでなければいけない、僕らでなければいけないというのを撮らないと意味がないと思うんです。
(その7「このセリフを削ったとき、どうする?」へつづく)
矢崎仁司監督インタビュー(全7回)
・その1「俳優たちと出会いたい」
・その2「悩むのが監督の仕事」
・その3「人を動かしたい」
・その4「人物を風景の中にうずめたい」
・その5「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
・その6「あなたでなければいけない理由」
・最終回「このセリフを削ったとき、どうする?」
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矢崎仁司監督のワークショップ詳細については次のURLから確認ください。
http://alotf.com/ws/ws18/