アロッタファジャイナ・ワークショップ主宰のマツガエです。
12月4日から7日の4日間
水川あさみさん、木村文乃さん出演「太陽の坐る場所」
中谷美紀さん、大森南朋さん出演「スイートリトルライズ」
池脇千鶴さん、中越典子さん出演「ストロベリーショートケイクス」
などの、静謐な名作を撮られている監督、矢崎仁司監督のワークショップを開催します。
先日、矢崎監督に、創作の秘密や、ワークショップにかける思いなどを聞いてきました。
非常に興味深い内容となっています。
全7回のうち第5回目です。
---
矢崎仁司監督インタビュー(その5)
「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
(聞き手:ワークショップ主宰・松枝佳紀)
松枝 しかし、その監督の要求するもの…結構高度だと思うのですが…それを察知することのできる俳優ばかりじゃないですよね。どうしてほしいかということは俳優に伝えるんでしょうか?
矢崎 良い俳優さんていうのは、みんなヒントを欲しがる。やりづらい俳優さんていうのは答えを欲しがる。答えは僕は知らない(笑)。一緒に悩もうよということなんだけど(笑)
松枝 「悩む」ということが監督の創作におけるキーワードのようになっているのですが、シナリオというのはある意味、悩まなくて済むための「答え」でもあるわけですよね。泣くことは決まっているし、離婚することは決まっているし、ハッピーエンドも決まっている。
矢崎 こういうことがありました。ある時、ラストシーンを最終日に撮ったんですが、はたと撮れなくなった。というのも、それまで撮ってきたものとラストシーンが結びつかなくなってしまったんですね(笑)
松枝 ええっ!!
矢崎 そうなんですよ。それで、俳優さん2人に相談しに行って「このシーン撮れないよ、どうしよう」って(笑)「僕はどうも、このラストが来るような撮り方をしてこなかった。だからここがどうしても撮れなくなってしまった。だからちょっと悩ませてくれないか」と言ったんです。
松枝 なるほど・・・。矢崎さんは、その場その場に産まれる「空気感」を大事にされ、映画が人間を無視した「意図の奴隷」になるのを嫌われていますよね。だから、「空気感」の積み上げのうえに、必ずしも、机上の論理で書かれたシナリオのラストシーンが来るとは限らないってことなんですね…。
矢崎 そうなんでしょうね。
松枝 で、結局、どうなったんですか?
矢崎 1時間ぐらい悩んでたら、俳優さんのほうが呼びに来て、「僕らで考えたんですけど、こういう風にしたらどうでしょうか」と。「ああ、それは面白いね、とりあえず動いてみようか」と。で、動いたら僕のほうにもアイディアが生まれて、「じゃあ、こうしよう」となって、それでやっと撮れた…ということがあります(笑)
松枝 まさに俳優監督と一丸となって本物を取り出すために「悩む」現場ですね。
矢崎 一般的に「監督」というと何でも知っているというようなイメージがあると思うから、正直に「撮れない」「分からない」と言うのはとても恥ずかしいことなんだけれども、「撮れない」「どうしようか」というのを俳優さんにもスタッフにもちゃんと正直に相談できる現場であった、というのは本当にありがたいことだと思っています。
(その6「あなたでなければいけない理由」へつづく)
矢崎仁司監督インタビュー(全7回)
・その1「俳優たちと出会いたい」
・その2「悩むのが監督の仕事」
・その3「人を動かしたい」
・その4「人物を風景の中にうずめたい」
・その5「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
・その6「あなたでなければいけない理由」
・最終回「このセリフを削ったとき、どうする?」
---
矢崎仁司監督のワークショップ詳細については次のURLから確認ください。
http://alotf.com/ws/ws18/
12月4日から7日の4日間
水川あさみさん、木村文乃さん出演「太陽の坐る場所」
中谷美紀さん、大森南朋さん出演「スイートリトルライズ」
池脇千鶴さん、中越典子さん出演「ストロベリーショートケイクス」
などの、静謐な名作を撮られている監督、矢崎仁司監督のワークショップを開催します。
先日、矢崎監督に、創作の秘密や、ワークショップにかける思いなどを聞いてきました。
非常に興味深い内容となっています。
全7回のうち第5回目です。
---
矢崎仁司監督インタビュー(その5)
「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
(聞き手:ワークショップ主宰・松枝佳紀)
松枝 しかし、その監督の要求するもの…結構高度だと思うのですが…それを察知することのできる俳優ばかりじゃないですよね。どうしてほしいかということは俳優に伝えるんでしょうか?
矢崎 良い俳優さんていうのは、みんなヒントを欲しがる。やりづらい俳優さんていうのは答えを欲しがる。答えは僕は知らない(笑)。一緒に悩もうよということなんだけど(笑)
松枝 「悩む」ということが監督の創作におけるキーワードのようになっているのですが、シナリオというのはある意味、悩まなくて済むための「答え」でもあるわけですよね。泣くことは決まっているし、離婚することは決まっているし、ハッピーエンドも決まっている。
矢崎 こういうことがありました。ある時、ラストシーンを最終日に撮ったんですが、はたと撮れなくなった。というのも、それまで撮ってきたものとラストシーンが結びつかなくなってしまったんですね(笑)
松枝 ええっ!!
矢崎 そうなんですよ。それで、俳優さん2人に相談しに行って「このシーン撮れないよ、どうしよう」って(笑)「僕はどうも、このラストが来るような撮り方をしてこなかった。だからここがどうしても撮れなくなってしまった。だからちょっと悩ませてくれないか」と言ったんです。
松枝 なるほど・・・。矢崎さんは、その場その場に産まれる「空気感」を大事にされ、映画が人間を無視した「意図の奴隷」になるのを嫌われていますよね。だから、「空気感」の積み上げのうえに、必ずしも、机上の論理で書かれたシナリオのラストシーンが来るとは限らないってことなんですね…。
矢崎 そうなんでしょうね。
松枝 で、結局、どうなったんですか?
矢崎 1時間ぐらい悩んでたら、俳優さんのほうが呼びに来て、「僕らで考えたんですけど、こういう風にしたらどうでしょうか」と。「ああ、それは面白いね、とりあえず動いてみようか」と。で、動いたら僕のほうにもアイディアが生まれて、「じゃあ、こうしよう」となって、それでやっと撮れた…ということがあります(笑)
松枝 まさに俳優監督と一丸となって本物を取り出すために「悩む」現場ですね。
矢崎 一般的に「監督」というと何でも知っているというようなイメージがあると思うから、正直に「撮れない」「分からない」と言うのはとても恥ずかしいことなんだけれども、「撮れない」「どうしようか」というのを俳優さんにもスタッフにもちゃんと正直に相談できる現場であった、というのは本当にありがたいことだと思っています。
(その6「あなたでなければいけない理由」へつづく)
矢崎仁司監督インタビュー(全7回)
・その1「俳優たちと出会いたい」
・その2「悩むのが監督の仕事」
・その3「人を動かしたい」
・その4「人物を風景の中にうずめたい」
・その5「撮れなくなったと正直に告白できる現場」
・その6「あなたでなければいけない理由」
・最終回「このセリフを削ったとき、どうする?」
---
矢崎仁司監督のワークショップ詳細については次のURLから確認ください。
http://alotf.com/ws/ws18/