CLOCK WORK テキストレビュー | 4 Warriors and Dudes<4WD OFFICIALBLOG> Powered by Ameba

CLOCK WORK テキストレビュー

残酷なまでのスピードで展開される“時のサバイヴ”の中で、確実に“新たなるチカラ”を身につけ、さらに幅を拡げ、重量感を増した規格外のキャラ立ちMC=4WD。その本領をフルに発揮した1stアルバムが遂に完成した・・・。

「過去を引きずり、今を生きるふり?俺の目には今しか映らねえな!」

’04年リリースのミニ・アルバム『4-Ring Kudo』以来のオフィシャルなオリジナル・ソ ロ作品となるこの『Clock Work』。一度耳にしたら頭から離れないくらいの重低音ヴォイスとワイルドなこと極まりないフロウ、そしてユニークなリリックスを武器に、大阪、関西シーンを中心に数々の現場や、客演仕事でも異彩を放ちまくってきた彼が、満を持して送るこの1stフル・アルバムは「時」をメインテーマにした12曲(つまり、リミックスがテッペン)で構成されたもの。

シーンに新たな風、いや嵐を起こすべく旗揚げされた"S.T.O.R.M."と、次々と新たな仕掛けを見せるNo.1プロデュー サー=BACHLOGICがコックピットに座る"ONE YEAR WAR MUSIC"、そしてSEEDA&DJ ISSOによる言わずもがなの"CONCRETE GREEN"・・・その3つのレーベルのトリプル・スレッドで制作された本作は、4WDとL-VOKALのスプリットEP(’04)以来、相性の良さを見せてきたBACHLOGICを始め、JIGG、OHLD、YMG、SWAGBEATSらがサウンド面でバックアップし、現行USシーンにも勝る強度とスケールを誇る、実にミラクルな1枚となっている。

分、いや秒単位で歴史が塗り替えられていく無常なる時の流れの中で、オフロードみたく険しい道程を転がるように走りながら、何を想い、行動して きた・・・つまり生きてきたのか、それをリアルに切り取り、様々な語り口で今のヒップホップとして表現したこのアルバムには、マグマの如く現場でチカラを溜めてきた彼の「執念」がある。その執念の剣を手に、目に映る世界だけでなく自分の過去とも闘った、その記録はそれがどんな物言いだろうと、確かな説得力とポジティヴなパワーに満ち溢れているのだから。

ロス・タイム、いや残された時間を考えてる暇などない。Surely Someday...ハァ??いつか、じゃなく今日(しかない)。だからこの瞬間を存分に生きる、楽しむしかない。恥をかくことを恐れていては何も始まらない。そんな燃え滾る思いを決して息苦しくなく、エンターテイメントの枠を活かして聴かせる、そのセンスと技量には降参するしかない。

時は来た!ただそれだけ・・・で はない。そこには大いなる意味が隠されているのだ。『CLOCK WORK』には、そんな“本気のアンサー”が詰まっている(そして、腹パン なう)。今耳にするベキ、その懐中時計のように年季の入った、しかしどこから聴いても新しいクラシック・アルバムがまた増えた(盛ってねーぞ!)。


2010年7月 二木崇(D-ST.ENT)



音楽ライターでもあり、昔、自分が所属していたD-ST.ENTの二木さんから今回のアルバムのレビューを頂いた。


感謝!!