■宇宙戦艦ハヤト1 サウンドトラック


A面解説


黒字はハヤト的解説、青字は原曲に関するコメントです。



1 序曲
 (序曲:交響組曲宇宙戦艦ヤマト)

 時に西暦二一八七年。
 放射能汚染によって絶滅の危機に瀕している、赤茶けた地球。疲れ果て、絶望に打ちひしがれている人々。
 美しい異星人の少女、テティスによって届けられた謎のメッセージ。それは、遥かなアンドロメダ星雲の惑星ティアリュオンの女王アルフェッカが差し延べた救いの手だった。
 勇将沖田と若者たちは、最後の希望を宇宙戦艦ハヤトに託し、未来を見つめて出発しようとしている。

 もはや解説不要の名曲。
 特に、いわゆる「宇宙のお葬式」の旋律は、優しさ、憧れ、ロマン、哀愁、悲しみ、美しさ、その他様々なヤマトの要素を含んだ、素晴らしいものだと思います。
 TVシリーズの音を期待して聴いた当初は違和感がありましたが、今は、序曲として全てを語り尽くしている名曲として、大いに気に入っています。当然、ハヤトの序曲としてもピッタリ!




2 旅立ち
 (誕生:交響組曲宇宙戦艦ヤマト)

 重く明ける旅立ちの朝。見送る人々の熱い期待を背に、若者たちはハヤトへと行進して行く。
 その発進を阻まんと、迫るデイモスの大型ミサイル。猛たちメインスタッフは、第二艦橋へ駆け込むと、鮮やかなチームワークで敵ミサイルを粉砕した。
 ハヤトは今、大地を離れ、往復四百四十四万光年の途方もなく遠い旅路の一歩を踏み出したのである。
 
 交響組曲の音楽は、ストーリー性を持った編曲になっているものが多くて、これも、乗組員たちが乗艦するところを見事に表しています。
 基本的に、この曲のように、聴いていて「絵が見えて来る」曲が好きですね。




3 真っ赤なスカーフ
 (真っ赤なスカーフ:交響組曲宇宙戦艦ヤマト)

 次第に遠ざかって行く赤い地球……。若い宇宙戦士たちは、めいめいの思いを胸に、静かに手を上げて別れの挨拶を送る。
 地球に残して来た家族、友人、婚約者。必ず帰るから。切なく、やるせない思いを乗せ、船尾のエンジンの炎の色も鮮やかに、ハヤトは未知の大宇宙へ漕ぎ出してゆく。

 パート1の再放送を初めて見た当初、確か、エンディングが省略されていたので、「真っ赤なスカーフ」は、劇中の挿入歌として聴いたと思います。実は、最初はあまり好きではありませんでした。暗いというか、哀し過ぎるような気がして。
 歌の歌詞と旋律の切なさを理解して、感情移入できるようになったのは、割と最近です。




4 アストロ・レオ
 (新コスモタイガー:宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち)

 ワープテスト直前、緊張に包まれた艦内に突如響く非常警報。襲い来るデイモスの編隊を迎え撃つのは、猛が率いる三隊のコスモゼロ部隊、アストロ・レオだった。
 初めての実戦にも関わらず、アストロ・レオは若々しく鮮やかに宇宙空間を躍動し、一機の損傷もなくデイモスの編隊を撃滅して、沖田を驚嘆させる。 それは、イアラとしての素質の現れでもあった。

 ヤマトには珍しい、ディスコ調の曲が、宇宙を縦横無尽に駆け抜ける、若々しい戦闘機隊の活躍にピッタリ! 大好きな曲。




5 凱旋
 (バッフ・クランの矢・前半:伝説巨神イデオン)

 デイモス星に歓呼の渦が巻き起こる。
 デイモスの誇る若き将軍シェーン・スカイリッパー・ハーケンが、半年ぶりに本星へ凱旋して来たのである。
 輝く黄金の髪、澄んだエメラルドの瞳。正攻法な戦法と的確な判断力で、デイモスに数多くの勝利をもたらして来たシェーンは、総統シーザスの絶大な信頼を勝ち得ていた。
 銀河方面作戦司令長官に任じられたシェーンは、打倒ハヤトに燃えるのだった。

 短い曲ですが、トランペットで始まるメロディが、若く美しい武人の凱旋シーンのイメージです。




6 セシリア
 (ルダ王女のテーマ:宇宙戦艦ヤマトⅢ)

 デイモスの常勝将軍シェーンの一番大切なもの、それは妻セシリア・セシィ・セシカだった。
 ティアリュオンの女王アルフェッカの妹で、その王家の血を引く彼女は、イアラとしての顕著な能力を表していた。
 ウェーブのかかった黄金の髪、揺れる紫の瞳。優雅さと気品に溢れる彼女の全身から流れ出ているのは、シェーンへの愛だけである。久し振りに過ごす、二人だけの甘い夜……。

 ヤマトⅢはあまり気合を入れて見ていなかったせいか、ルダ王女って、印象が希薄なのです。でも、優雅で気品のある優しさを表しているこの曲は、セシリアに合うと思います。何となく夜っぽい感じがするところも。




7 フォートレス
 (第18機甲師団:宇宙戦艦ヤマトⅢ)

 爆走するハヤトを白く鮮やかに照らし出す超巨星デネブ。
 シェーンは、自慢の戦闘空母フォートレスと艦隊を率いて、ハヤトに挑む。縦横無尽の、一糸乱れぬ鮮やかな攻撃に、さすがのハヤトも危機に陥る。

 宮川泰氏のご子息、宮川晶(現彬良)氏による曲です。繰り返しが多いので、やや単調で退屈に感じられる点もあり、もう一山ニ山盛り上がってもいいと思うのですが、このスマートなカッコよさが、ハヤトを翻弄するシェーンの華麗な戦いぶりに合っていると思い、選びました。
 彬良氏に限らず、若き二世作曲家の方々は、皆さん、才能があって侮れないです。彬良氏も大活躍!




8 勝利
 (勝利:交響組曲宇宙戦艦ヤマト)

 しかし、遂にハヤトに勝機が訪れる。舞が攻撃のパターンを見破り、沖田の決断で、波動砲でシェーンの艦隊を壊滅させたのだ。
 シェーンは、波動砲の威力に茫然とする。
 退避していたアストロ・レオが、デネブの冷たい白光を浴びてハヤトを追う。満身創痍のハヤト。その痛手を癒す間もなく、ハヤトは走り続けるのだった。

 このメロディも、TVの画面から流れて来るたび、わくわくしました。聴くたびに、遠ざかって行くヤマトの船尾のエンジンのオレンジ色が蘇って来ます。TVのアレンジが好きですが、こちらも好きです。


※三曲が一緒になっていますので、3:10あたりからお聴きください。



9 フェアウェル・パーティ
 (ぬくもり:MOBIL SUIT GUNDAM*Ⅱ)

 ハヤトは、銀河系を脱しようとしていた。地球との最後の交信を許され、はしゃぐ乗員たち。
 だが、楽しいはずの交信も、猛には苦痛だった。両親もなく、兄をも失った彼には、交信相手がいないのだ。
 舞は、そんな猛の孤独に触れ、それを一人乗り越えて行こうとするその姿に、深い感動を覚える。
 虚空に浮かぶ兄隼人と仲間たちの面影。猛は一人静かに故郷の星に別れを告げた。

 この辺りから、ガンダムの曲が増えて行きます。ガンダムの音楽は、割にシンセサイザーなどの電子音が多いのですが、シャカシャカしていなくて、非常に効果的に使われていたように思います。
 これも、渡辺岳士節らしい優しい旋律。「悲しい」でも「寂しい」でもない、猛の感情です。




10 コスモスに君と
 (コスモスに君と:伝説巨神イデオン)

 フェアウェル・パーティも終わりに近づいた。皆に促されて、舞は歌う。
 祈りよ、宇宙駆けて、故郷の星で待つ愛しい人々へ届きたまえ……。
 感傷を込め、遠ざかって行く地球とその兄弟星たち。必ず帰るから。誓いの言葉を胸に繰り返し、ハヤト遥かなアンドロメダへの旅を続ける。
 さらば、我が故郷太陽圏よ。銀河より愛を込めて。
 猛と舞は、お互いの心が触れ合うのを感じながら、寄り添って去ってゆく星々を見送った。

 この歌は、「好きなアニメソングベスト10」に入る好きな歌です。こんなに綺麗で切なくて哀しい歌はありません。戸田恵子さんの声が、本当にステキ。
 なお、歌詞は、ハヤトにはほとんど関係ないので、聞き流してください。強いて言えば、サビの部分と3番かな。最初、カセットテープに録音していた時は、3番からのフェードインでした。




11 年上の人
 (ときめき:MOBIL SUIT GUNDAM*1)

 一時のやすらぎ、乗員休憩室でのとりとめのない仲間同士の語らい。その話題をさらうのは、美しい年上の人、明日香麗である。その隙のない美しさに、彼らはいつも、限りない憧れと、少年である我が身への微かな苛立ちを感じるのだった。真紅の薔薇を思わせる艶やかな微笑みに、思わず溜め息をつく、少年たちの透明な時間。

 乗員休憩室で麗に会えた日は、皆、この曲のようにぽよよ~んと幸せな気持ちになるのでしょうね。


12 ルーナンシア
 (水の星アクエリアス:宇宙戦艦ヤマト完結編1)

 エンジントラブル、食糧不足、乗組員の疲労。
 旅の途中、危機に陥ったハヤトを暖かく迎えてくれたのは、宇宙に浮かぶ水滴のように青く輝く美しい星、ルーナンシアだった。
 威厳と慈愛に満ちた女王レムリアの下、人々が理解し合い、愛し合って暮らしている、豊かな愛の星ルーナンシア。
 宇宙のオアシスのようなこの星で、乗組員たちは束の間の平和な時間を過ごすのだった。

 ヤマトの完結編ができるまでは、「シャルバート星」がルーナンシアのテーマ曲だったのですが、いみじくも独がレムリアを「恐ろしい人」と評したように、優しいだけというよりは、誇り高くて、「宇宙の生命を見守る」という言わば高飛車な思想を持つ星ですので、これでもか、と、華やか高らかなこちらの曲に変更しました。
 何たって「青き宇宙の女王」ですから。




13 目覚め
 (無限空間・前半:MOBIL SUIT GUNDAM*Ⅱ)

 運命に導かれて、舞はレア・フィシリアとしての辛い目覚めを迎えることになった。
 猛の上に落ちようとした荷を舞の祈りが止めた瞬間、舞は、「レア・フィシリア」という伝説の存在が、自分の中で目覚めようとしていることを知る。
 だが、己とレア・フィシリアという二つの存在のバランスを取ることは、この時の舞には不可能だった。舞は眠りに落ちる。それは自衛のための眠りであった。

 この曲と共にバックもオドロ背景に暗転! 舞の受けた衝撃と絶望を表す曲。


14 BELEVE
 (めぐりあい:機動戦士ガンダム3 めぐりあい宇宙)

 自分の心深く閉じ籠もって眠っている舞。レムリアの助けを借りて、猛は、舞を探しにその心深く降りて行った。
「舞は舞。」
 猛の愛と共に届いたその言葉が、舞の心を解き放つ。星の光が洪水のように輝く目映い世界を、舞は翔んだ。猛を、そして仲間たちを信じて。
 目を覚ました舞は、心から自分のことを心配し、その復帰を喜んでくれる仲間たちの輝く顔を見たのだった。
 やがて、補給も完了し、乗組員の疲れも癒えたハヤトは、再びアンドロメダへ向けて旅立った。ルーナンシアから贈られたコスモエネルギー解放装置ラ・ムーの星と共に。

 舞が戻ることを祈って待つ仲間たちの思い、未来に待つ困難に打ち勝とうとする勇気……、そうしたものを表している歌です。







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