宇宙戦艦ハヤト大辞典 さ行
サイエンスルーム
科学技術班のオフィス。
工場や分析室、観測室などがある広いサイエンスエリアの一角にある。ハイテク機器の取り揃った、部外者には何が何だかわからない部屋である。
サイラ・ドレッツァ
紫色彗星帝国第三遊撃機動部隊強行偵察空母艦隊司令。
ギリアムの配下で、土方の太陽系外周艦隊に攻撃を仕掛け、これを壊滅させた。救助に駆け付けたハヤトがルーナンシア星へ向かうのを、イゾルデに報告する。
坂本 恭一郎
空間騎兵隊隊長。
郷田司令長官直属の部下である。デイモス戦時は、地球の守備を務めていた。
ハヤト強行発進にあたって、郷田の手によって密かにハヤトに送り込まれる。地球外周艦隊の救助、ルーナンシア上陸作戦、惑星グラディオーナにおける金の星の捜索、金の艦・アシュレイ奇襲の白兵戦、都市帝国突入などで、八面六臂の大活躍だった。
郷田は「ルーナンシアに取り込まれ過ぎない者の目」も期待していたようだが、それにも見事に応えた。
猛とは、小学校時代の同級生で、しばしばケンカもしたりする、全く仲がいいんだか悪いんだか、の間柄だったらしい。恭一郎は家庭の事情で転居し、姓が変わり、猛も両親を失って、しばらく二人の接点はなかったが、再会してみれば、昔のような息の合ったところを見せた。姓が変わっていたため、猛も再び会うまでは、恭一郎が同じ軍にいることを知らなかった。
空間騎兵隊の猛者らしく、ゴツイ体つきだが、顔は「意外に端正」というのが舞の感想である。
左舷格納庫
ハヤトの両舷にある格納庫の一つ。
右舷格納庫は、何でも積み込むのに使われているが、左舷格納庫には、常時ラ・ムーの星が格納されていて、通常は立ち入り禁止である。しかし、左右のバランスが崩れたりしないのだろうか?
佐渡 酒造
ハヤトの医長。
いつも一升瓶片手に、下駄履きで艦内を歩き回る、一風変わった医者だが、腕は確かで、彼の手に負えない手術はないと言われている。本人も、「死んでさえいなければ何とかしてやる」などとうそぶいているらしい。
誰もがてこずるアナライザーのあしらいが上手いところなどは、さすがに年の功。若い乗組員たちの人生相談の相手でもある。
常に飄々としたその態度が乗組員たちに安心感を与えているが、紫色彗星帝国戦においては、さすがの彼も、その尋常ならざる展開に危機感を抱き、あれこれと心を痛めていたようである。
平時は、メガロポリスの片隅で、佐渡医院を開いている。
サファイリラ
デイモスが、別方面で展開していた戦線の名。
シェーンの艦隊が敗れてから、急いで出した本国帰還命令が間に合わず、ハヤトがルキア星系に入った時は、ここで戦っている部隊は、帰還を急いでいる最中だった。
伝えられる話によれば、同じくエラドメル戦線から帰還した者たちと共に、デイモスの再建に力を尽くしたと言われている。
サメイヤ
アンドロメダ星雲近くの小さな太陽系に存在する唯一の惑星。
アンドロメダ星雲から銀河系へ向けての出口に当たり、デイモスの大規模な基地が設置されていた。大気はなく、壮絶なまでに美しいアンドロメダ星雲を見ることができる。
シェーン・スカイリッパー・ハーケン
デイモスの銀河方面作戦司令長官。
デイモス一と激賞される、若き将軍。黄金の髪とエメラルドグリーンの瞳の輝くばかりの容貌と、その能力とで、デイモスの人々を熱狂させた。
各地で華やかな武勲を立て、デイモスの侵略計画の推進に一役買い、シーザスの命令で、ヘルマスの後任として、銀河系方面作戦司令長官として赴任する。
シーザスが、最愛の妻セシリアを戦いの道具として利用しようとしていることに危機感を抱き、妻を守るため、必ずハヤトに勝つことを誓うが、デネブ星域で大敗を喫し、焦燥する。
その後、雪辱を期してヘラス四連星団でハヤトを待ち受けるが、ハヤト側の予期せぬ行動によって作戦は失敗、再び艦隊のほとんどを失い、遂にはセシリアをも失う。
シェーンは、復讐に燃えてハヤトに激烈な砲撃を加えるが、ハヤトが突然航路を変えたため、やはり突然軌道を変えたジスプロの月を避けきれず、激突して散る。
シーザス・レイ・ドリア
デイモス星総統。
デイモス星の独裁者。精錬潔白な人柄と、優れた軍事的・政治的手腕で、国民の圧倒的支持を得ている。
枯渇した資源の獲得と、国民の移住のため、各地に侵略の手を伸ばし、遂に銀河系にまで侵出した。ハヤトに出会い、イアラへの夢に取り憑かれるが、その根底には、隣星の女王アルフェッカへの複雑な思いがあったらしい。
軍事的に壊滅したデイモス星を捨てて、ジュリアスⅢで脱出、ハヤトの後を密かに追う。その最中にデイモス唯一の波動砲を完成させ、地球に近づいた辺りで、ハヤトを足止めするための白兵戦を仕掛ける。その目論見は成功するが、目覚めた舞が、ラ・ムーの星で張り巡らしたバリアに波動砲のエネルギーを跳ね返され、それがジュリアスⅢを直撃、復讐を果たせないまま、宇宙に散った。
紫色彗星帝国
宇宙を我が物としようと、侵略を繰り返して回遊する、巨大な軍事力を持った帝国。
核には、小惑星の上に築かれた、人工の都市帝国がある。その高度な科学力は、惑星の全てのエネルギーを得ることを可能にし、そのエネルギーが都市帝国の周囲に紫色の光となって拡散し、彗星状の形態をなしている。
大帝グレゴリウス・ド・ズールの元、あたかも本物の彗星のように、宇宙を回遊して、侵略行為を繰り返している、悪魔の集団である。
その途中、偶然金の娘を手に入れた彗星帝国は、鉄壁の守りを誇ったルーナンシア星さえ滅ぼし、残る金の星・銀の娘と星を手に入れようと、ハヤトと対決する。猛や舞、ハヤトの乗組員らの努力も空しく、ハヤトは敗れ、地球は破壊されてしまう。
猛が暁を呼んだことで、宇宙は平和を取り戻すが、彼が紫色彗星帝国を倒したわけではない。紫色彗星帝国を倒すことができるのは、金の娘と金の星が発する金の力だけである。猛が時を戻し、シュナザードの反乱が事前に鎮圧されたことで、イルーラが金の星を使って、紫色彗星帝国を打ち破ったのである。
ジスプロ
ヘラス四連星団の惑星。
砂色で、軌道の不安定な衛星を一つ持っている。
シュナザード
アンドロメダ星雲近くの太陽系ティータの第四惑星。
イルーラは、この星の王家の姫だった。イルーラが金の星を授かるために旅立つ直前、平和な星に反乱が起こり、その凄惨な光景を目にしたイルーラは、力を放出し、シュナザードを太陽系もろとも吹き飛ばす。これが、「シュナザードの悲劇」と呼ばれる事件である。
シュニック・フラノーバ
惑星グラディオーナに残されていた、紫色彗星帝国の地上守備隊長。
惑星グラディオーナで、地上部隊の隊員たちが金の星の隠し場所と目される湖にたどり着いた時、金の星は、既にハヤト側の手にあった。それを奪取すべく、隊員たちは攻撃を加えたのだが、金のバリアに阻まれて何のダメージも与えられず、業を煮やした彼は、単身密かにバリアに忍び寄って、その輝きの中に飛び込み、中にいた独との格闘になった。
その働きも空しく、彼は、コスモガンによって倒され、金の星は、結局はハヤトに渡ってしまったのだが、このことが、アシュレイに金のバリアの弱点を知らせることとなった。
主砲
ハヤトの主力武器。
強大なエネルギーを弾状に発射する砲で、ショックカノンとも呼ばれる。その威力と命中率(これは主に撃つ人間の能力によるが)で、幾多の敵を瞬く間に葬り去り、恐れられた。
有効射程距離、約300宇宙キロ。後に約500宇宙キロ。
ジュリアスⅢ
デイモス総軍の旗艦になるはずだった艦。
デイモス唯一の波動砲を装備するなど、最新の仕様で建造途上だった。舞がデイモス星に対してラ・ムーの星を使った時は、完成していなかったために武力と見なされず、崩壊を免れる。
それを知ったシーザスは、この艦でデイモス星を脱出、密かにハヤトの後を追い、また、その途中に波動砲を完成させる。
銀河系内に入ったところで、シーザスは決戦を挑み、波動砲を発射するが、舞が再びラ・ムーの星を使ったことで張り巡らされたバリアに跳ね返され、己の発した波動砲によって自らを葬った。
シュレンジャー・サルトス
紫色彗星帝国第四艦隊司令。
先発の第三遊撃部隊と合流し、地球を攻略するよう、グレゴリウスに命令されるが、地球艦隊に対して常に苦戦を強いられ、最後は波動砲の一斉射撃によって、艦隊もろとも葬られる。
乗員休憩室
ハヤトの生活ブロックにある、乗組員たちの溜まり場。
非番の者や、休憩中の者が、ホッとしにやってくる場所。特に平和で暇だったティアリュオンからの帰路は、ほとんど戦闘隊のメンバーに占拠されていた。飲み物各種と、運が良ければ、生活班長手製のオヤツにあり付くことができる。
どこから調達していたのか、ハヤトには、割に高級な豆・茶葉が積まれていたようで、ここで飲むコーヒーやお茶は、入れる人の腕もあって、本当に美味しかったようである。農園で取れ立ての野菜や果物によるフレッシュジュースもまた美味。
生活班長の美央が仕切っていて、いつも明るい笑顔で迎えてくれる。食べ物ももちろんだが、それ目当てで足繁く通う者も多かったようである。
ショックカノン
主砲の別名。
しかし、この名で呼ばれることは、ほとんどなかったようである。
神宮寺 独
宇宙戦艦ハヤト科学技術班班長。
デイモスでさえ実用化されていなかった波動砲を、ティアリュオンから波動エンジンの概念を知らされてからわずかな期間で形にしてしまうなど、地球が誇る天才科学者である。
ハヤトの新しい武器のほとんどは、彼の発案で新規開発された。彼がいなければ、ハヤトがアンドロメダ星雲と地球を往復するなど、とてもできなかっただろう。深く鋭い洞察力の持ち主で、乗組員からの信頼が厚かった。
物静かで優しい男で、面倒見がよく、特に年下の者には慕われた。長年温め続けた秘めた想いが通じて、麗と結婚、幸せな新婚生活を送っている。猛の兄、隼人とは、訓練学校時代からの親友で、猛のことも弟のように可愛がっている。
ハヤトを降りてからは、科学局主任。
神宮寺 麗
独の妻。旧姓明日香。
夫婦別姓も可能なこの時代に、あっさり姓を変える辺りが麗らしい。お蔭で「神宮寺主任」が二人になってしまい、周囲は呼び分けるのに苦労しているようだ。独がミスターだから、麗はミセスか? などと言っている者もいるらしいが、これは本人に却下されるだろう。
シンクロ
自分の精神を、自分以外のものの精神と直接繋げること。
ルーナンシアの女王レムリアの持つ特殊な能力の一つ。降りる、とも言う。彼女の場合は、自分を媒介に、自分以外の者同士もシンクロ「させる」ことができる。
レア・フィシリアとして目覚める際、心を閉ざした舞を、レムリアがシンクロして連れ戻そうとするが果たせず、猛をシンクロさせて(降ろして)、ようやく連れ戻すことに成功した。
陣 剛也
宇宙戦艦ハヤトチーフパイロット。
地球初の光速突破の瞬間に操縦桿を握っていた、偉大なパイロットである。総航行距離は、もちろん地球一。往復444万光年の航海で更に磨きの掛かった技術は、他の追随を許さない。
細やかな神経を持っているかと思うと、意外に大胆な面もあり、猛や飛翔より子供っぽく見られることが多いが、麗は高く評価しているなど、掴み所のない不思議な大きさと魅力の持ち主である。
自分だけ彼女がいないことを嘆いていたが、地球に戻ってからはモテモテで、嬉しい悲鳴を上げている。しかし、もう一つ、ピンと来る女性には巡り会っていないようである。
猛とは、小学校高学年からの親友でライバル。恭一郎とは入れ替わりだったので、恭一郎との接点はなかった。好物はココア。
新命 飛翔
宇宙戦艦ハヤト通信班通信部門チーフ。
必要な情報を必要な部署へ的確に振り分ける、ハヤトの司令塔。地球に戻ってからは、宇宙港の通信室長を務めている。戦闘能力も高く、彗星帝国との戦いの際は、舞の護衛に着き、激しい戦闘の中に身を置いた。
訓練生時代の事故で重傷を負った際、専属看護師として飛翔を支え続けた唯子と恋に落ち、ハヤト旅立ちの前に婚約。ティアリュオンから無事に帰還した後は、二人とも復興の仕事で擦れ違いが続き、三年が経って、ようやく結婚にこぎつけた。近々、双子の女の子の父親になる予定。
長身で華麗かつ涼しげな容貌の持ち主。メインスタッフたちとはもちろんだが、涼とは妙にウマが合うらしく、たまに会えると、よく一緒に遊ぶらしい。
水上宮殿
ルーナンシティのレムリアの宮殿の別棟。
王宮の広大な庭の一角を占める小さな湖の中央に浮かぶ島に建てられていて、窓を大きく取った開放的な造りになっている。爽やかな風が通り、外の景色がよく見渡せる、美しい場所である。
年に一度の大満月の夜に、ハヤトの乗組員も招いて、恒例のパーティが開かれた。
生活班
ハヤトの生活面全般を担当する班。
生活、食糧、居住の3部門から成る。班長は美央。
食糧部門は、食糧の管理、自給計画の立案とその実行、外部補給、日々の食糧の提供、居住部門は、居住区の管理に当たる。生活部門は、言ってみれば何でも屋で、ユニフォームのクリーニングその他、生活に関することなら、何でもやっている。愚痴を聞いたり、人生相談にも乗ったりしなければならないので、大変である。
地味だが、この班がしっかりしていないと、ハヤトは成り立たない。それが、班員たちの誇りなのだが、その偉大さを理解していない乗組員も少なくないのには、困ったものである。
チームカラーは黄色。
セオドラ・マーキス
デイモスの高速巡洋艦フェル「ミキス」艦長。
長年、シェーンの元で働くことを夢見て来た、新進気鋭の若者。ヘラス四連星団における作戦で、セシリアを託される。そのために後方に下げられ、ハヤトの逆襲を免れたミキスは、同じく難を逃れたフォートレスと共に、ハヤトを追撃する。
その戦闘の最中に、セシリアのイアラとしての能力を目の当たりにし、驚嘆する。デイモス側で、戦時におけるイアラの能力を間近に見、正確に理解した、数少ない者の一人である。
セシリアの能力を生かしての猛烈な追撃も虚しく、ハヤトの放った起死回生の主砲に倒される。
セカンドスタッフ
宇宙戦艦ハヤトの各班副班長レベルの者たちのこと。
戦闘隊の涼、通信班通信部門の諒、航海班航海計画部門の霜ら、総勢20名。セカンドスタッフ以上を招集した定例会議なども、しばしば行われているようである。
セシリア・セシィ・セシカ
シェーンの妻。「セシカ」は、ハーケン家の女性に与えられる名称である。
ティアリュオンのグランチェスター王家の元王女で、アルフェッカの妹、テティスの姉に当たる。
美しい紫の瞳と、王家の伝統からは不吉とされるウェーブのかかった金の髪の持ち主。
ティアリュオンとデイモスの間にまだ国交があった頃開かれたパーティでシェーンと出会い、幾多の障害を乗り越えて結婚。ティアリュオンを離れ、デイモスへ嫁ぐ。
ティアリュオンで最高の能力を持つとされるイアラだった彼女は、愛する夫と姉が敵対することに心を痛めるが、彼女自身も、イアラを戦いに利用しようとするシーザスの思惑によって、次第に戦いの渦に引き込まれて行く。
戦いの最中、舞に出会ったセシリアは、己の成すべきだったことを知り、戦いをやめさせようとするが、時既に遅く、ハヤトの放った起死回生の一発によって、乗艦していたフェルもろとも宇宙に散る。
Z計画
人類の地球脱出計画。
デイモスの地球侵攻で、地球防衛軍のほとんどを失った地球は、このままでは滅亡を待つだけと判断し、生き残った人類の一部を大型宇宙船に乗せ、脱出させることを計画していた。
しかし、計画発動直前、ティアリュオンからメッセージが届いたことで、計画は中止になった。ハヤトは、この計画のために建造途上だった大型宇宙船を改造したものである。
セノン
ヘラス四連星団中の白色歪星。
強い磁気を放出しており、それが、星団中を磁気嵐として吹き荒れている。
全天球レーダー室
ハヤトのほぼ中央に位置するレーダー室。
部屋自体は半ドーム状だが、透明な床に、立体映像で下半分の映像も投影することで、上下左右360度の探知物体が、立体的に表示される。
平時はほとんど全天球プラネタリウムと化し、入り浸る部外者も多かったようである。
戦闘隊
ハヤトの戦闘部隊。
艦載機部隊アストロ・レオ3隊と、攻撃専門の特別砲撃隊から成る。艦載機戦に、艦隊戦に、当然ながらなくてはならない部署で、危険も多く、一番戦死者が多かったのも、この戦闘隊である。
隊長の猛、副隊長の涼の下、鉄壁の結束を誇る。少々荒っぽくて威勢はいいが、根は単純で、ジュースで酔えるほどのお子ちゃまが多く、美央をして「まだまだ子供」と評されている。
チームカラーは赤。
千年待つ男
佐渡が独に付けたあだ名。
誰よりも長く深く麗を愛しながら、どこまでも穏やかに麗を待ち続けようとする独の決意は、好ましいながら、佐渡には歯痒くて仕方がなかったようである。
実際、独なら、本当に千年待ってしまうかもしれない。そうならなくて、本当に良かった。
宇宙(そら)駆ける鷹
隼人が地球防衛軍にいた頃のあだ名。
戦闘機を駆らせても、宇宙艦を操らせても、抜群の技量を持っていた隼人は、数々の武勲を立て、こう呼ばれて讃えられた。