オペラ座の怪人
夏子は無類の『オペラ座の怪人』好きだ。
DVD を借りてきては、たいくつしのぎに観ている。
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「!? (´Д`)」
夏子 「テュクテュクテュンテュンテューン♪」
俺 「……どしたの突然」
夏子 「映画の『オペラ座の怪人』大好きなの」
俺 「いや、それは知ってるけど、なんで歌うのよ」
夏子 「好きなら DVD 観ながら歌うでしょ」
俺 「でもほら、ここさ、壁うすいし……」
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「注意したらなおさら声出すって (´Д`)」
夏子 「好きなんだからいーじゃーん!」
俺 「まあ、落ち込んでる夏子よりいいよな」
夏子 「落ち込んでるよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「元気に言うことじゃないよ (´Д`)」
夏子 「こうしてストレス発散しないとまた泣いちゃう!」
俺 「うんうん、じゃあ歌えばいいよ」
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「…… (´Д`)」
夏子 「そういや、海外のあの子はどうなったの?」
俺 「チャットしてた子?」
夏子 「うん」
俺 「ああ、普通に友だちとして付き合ってるよ」
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「……人のはなし聞いてる?」
夏子 「テュクテュクテュンテュンテューン♪」
俺 「聞いてないね (´Д`)」
夏子 「聞いてる! でも良かった!!」
俺 「なんで」
夏子 「夏子だけ失恋して勇太郎だけラブラブはダメでしょ!!」
俺 「ダメって…… (´Д`)」
夏子 「あっ! そろそろ出てってよ」
俺 「20:00か……」
夏子 「うん♪」
俺 「メシ食ってくるからあとで文句言わないでね」
夏子 「何食べてくるのよ」
俺 「何かな。居酒屋でひとり焼き鳥でも食おうかな」
夏子 「夏子も行く!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「……おかしいだろそれ (´Д`)」
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「……わかったいこう (´Д`)」
夏子 「わーい♪」
俺 「自分勝手すぎるよマジで」
夏子 「ファントォォォォォォォォォーーム!!」
俺 「…… (´Д`)」