夏子に最後まで尽くさなきゃ感
![睡眠……いや、難眠](https://stat.ameba.jp/user_images/8b/f5/10020320515.jpg?caw=800)
釈然としないまま毎日を過ごす俺。
それもそのはず、突然別れを言い渡され、
同棲していた家をすぐに出て行けというのだから……。
ダメ押しで、夏子が2か月前から別の男と
デートを重ねていた事実……。
俺が悪い部分だってある。
突然タイで働きたいといったりしたし。
でも、俺はまっっっったく納得いかないし、
どんなにワガママな夏子でも、
いまだに夏子ことが大好きだ。
……とりあえず12月まで同棲ならぬ
同居できることになったけど……。
それはそれで辛いものがある。
特に夜は!!
夏子 「ねえ……」
俺 「……ん?」
夏子 「ちょっと布団を占領しすぎなんだけど」
俺 「あ、ごめん……寝てて気が付かなかった」
夏子 「……もっとそっちいってよ」
俺 「夏子と俺で、スペースは半分半分じゃん」
夏子 「は?」
俺 「なんですか(´Д`)」
夏子 「いま、権力的に勇太郎はかなり下なのよ?」
俺 「け、権力ってなんだよ(´Д`)」
夏子 「もうちょっと謙虚になってよ」
俺 「意味が……(´Д`)」
夏子 「“家にいて申し訳ない感”出してよ!!」
俺 「……(´Д`)」
夏子 「“夏子に最後まで尽くさなきゃ感”も足りないわよね」
俺 「最後までってオイ(´Д`)」
夏子 「夏子は勇太郎じゃない人と寝たいのに……」
俺 「よくもまあ、急にそんな心変わりできたなあ」
夏子 「急じゃない!! 2か月前からずっと思ってたの!!」
俺 「W杯に俺のおこずかいで行ったときから?」
夏子 「……まあ…………話を濁さないで!!」
俺 「いま夏子が濁したぞ(´Д`)」
夏子 「とにかく、もっと謙虚になってよね!!」
俺 「……」
夏子 「夏子の家で寝られるから雨風しのげるんだから」
俺 「浮気して、突然出てけって変だろ」
夏子 「『皇帝ペンギン』観たでしょ?」
俺 「はい? 観たけど……」
夏子 「ペンギンなんかすごく寒いのに外で生活してるのよ」
俺 「じょ、情操教育ありがとう(´Д`)」
……30分ほど経過。
夏子 「……狭い!!」
俺 「4.5畳のうち、人がいられるのは2畳以下のスペース」
夏子 「……だから?」
俺 「そこにフトンしいて、ふたりで寝てるわけだし」
夏子 「……だから?」
俺 「さらに物だらけで収納できてないし」
夏子 「……勇太郎が言いたいことわかった!!」
俺 「ナ、ナニ!?」
夏子 「勇太郎が部屋を整理してくれるのネ♪」
俺 「い、いま夜中の3時だぞ!!」
夏子 「整理すれば布団からハミ出てもスペースあるでしょ」
俺 「は、ハミ出るって何が?」
夏子 「勇太郎が♪」
俺 「(´Д`)」
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