夏子に最後まで尽くさなきゃ感 | 4.5畳の恋人。

夏子に最後まで尽くさなきゃ感


睡眠……いや、難眠

釈然としないまま毎日を過ごす俺。

それもそのはず、突然別れを言い渡され、
同棲していた家をすぐに出て行けというのだから……。
ダメ押しで、夏子が2か月前から別の男と
デートを重ねていた事実……。


俺が悪い部分だってある。
突然タイで働きたいといったりしたし。
でも、俺はまっっっったく納得いかないし、
どんなにワガママな夏子でも、
いまだに夏子ことが大好きだ。

……とりあえず12月まで同棲ならぬ
同居できることになったけど……。
それはそれで辛いものがある。

特に夜は!!


夏子 「ねえ……」

「……ん?」

夏子 「ちょっと布団を占領しすぎなんだけど

「あ、ごめん……寝てて気が付かなかった」

夏子 「……もっとそっちいってよ」

「夏子と俺で、スペースは半分半分じゃん」

夏子 「は?」

「なんですか(´Д`)」


夏子 「いま、権力的に勇太郎はかなり下なのよ?

俺 「け、権力ってなんだよ(´Д`)



夏子 「もうちょっと謙虚になってよ」

「意味が……(´Д`)」


夏子家にいて申し訳ない感出してよ!!
……(´Д`)






夏子 「“夏子に最後まで尽くさなきゃ感”も足りないわよね
俺 「最後までってオイ(´Д`)





夏子 「夏子は勇太郎じゃない人と寝たいのに……」

「よくもまあ、急にそんな心変わりできたなあ」

夏子 「急じゃない!! 2か月前からずっと思ってたの!!」

「W杯に俺のおこずかいで行ったときから?」

夏子 「……まあ…………話を濁さないで!!」


俺 「いま夏子が濁したぞ(´Д`)


夏子 「とにかく、もっと謙虚になってよね!!」

「……」

夏子 「夏子の家で寝られるから雨風しのげるんだから」

「浮気して、突然出てけって変だろ」

夏子 「『皇帝ペンギン』観たでしょ?」

「はい? 観たけど……」


夏子 「ペンギンなんかすごく寒いのに外で生活してるのよ

俺 「じょ、情操教育ありがとう(´Д`)



……30分ほど経過。



夏子 「……狭い!!


俺 「4.5畳のうち、人がいられるのは2畳以下のスペース
夏子 「……だから?


俺 「そこにフトンしいて、ふたりで寝てるわけだし
夏子 「……だから?


俺 「さらに物だらけで収納できてないし
夏子 「……勇太郎が言いたいことわかった!!


「ナ、ナニ!?」


夏子 「勇太郎が部屋を整理してくれるのネ♪
俺 「い、いま夜中の3時だぞ!!


夏子 「整理すれば布団からハミ出てもスペースあるでしょ」

「は、ハミ出るって何が?」


夏子 「勇太郎が♪
俺 「(´Д`)



ふてね


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