発酵以上、納豆未満 | 4.5畳の恋人。

発酵以上、納豆未満


間取図

<俺が夏子に払う生活費>

家賃:夏子に25,000円渡す
食費:夏子に20,000円渡す
交友費:夏子に20,000円渡す
光熱費:夏子と折半
通信費:夏子に2,000円渡す


俺 「納得いかない部分、つついてもいいですか?

夏子 「納得する必要ないでしょ




「……(´Д`)」



夏子 「文句あるの?」

「ある」

夏子 「……何?」


俺 「交友費って、なんで俺が夏子に払うの?


夏子 「ないと夏子が誰とも遊べなくなるでしょ」

「でも、別れた俺からもらうわけ?」

夏子 「夏子はお金がないの!」

「じ、じゃあ、俺じゃなくて彼氏からもらったら?」

夏子 「……」

「普通は交友費なんて自分で稼ぐものだけど……」

夏子 「……」

「俺からもらうより先に、彼氏にお願いするのが順序じゃない?」

夏子 「……あのね、ハッキリ言っとくけど……」

「う、うん……」

夏子 「その人2か月前からデートしてるけど……」

「うん……」


夏子 「私に一度もアプローチしてこないのよ!
俺 「……(´Д`)


夏子 「こっちからモーションかけても反応ないの!
俺 「それって、付き合ってないんじゃない?





夏子 「前にも言ったでしょ! 付き合ってないの!」

「っていうか……脈ナシなんじゃない?」

夏子 「……」

「……こんなこと聞くのも嫌だけど……チューしたの?」

夏子 「……まだ」

俺 「……そ、そうか(ちょっとホッとしてる自分)


夏子 「そんな人にお金欲しいなんて言えないでしょ!」

「そうだけど……」

夏子 「デートだって折半なんだから。一度もおごられたことはないわ」


俺 「夏子がおごる事は?
夏子 「……たまにある





俺 「いま、どういう状態なの? その人とは

夏子 「……友だち以上、恋人未満かなあ


俺 「……友だち以上っていうか、普通の友だちじゃないの?
夏子 「夏子の気持ちでは友だち以上なの!




「……き、気持ちが大切だよね」

夏子 「そう。気持ちがあるの。好きなの」

「……夏子にとって、いま俺とはどういう状態なの?」



夏子 「……発酵以上、納豆未満ね
俺 「なんだよそれ(´Д`)



夏子 「発酵してるけど、中途半端。納豆になりきれてないってこと」

「は?」



夏子 「つまり、夏子の恋人になりきれてないの
俺 「意味がわかんねえ(´Д`)



夏子 「勇太郎からもらった交友費でデートすると思ってるんでしょ?」

「するんでしょ?」

夏子 「デート以外にも使うの! 仕事の打ち合わせとか」



俺 「つまりそれ、デートにも使うってことだよな(´Д`)



夏子 「お金は生きてくために必要でしょ!」

「俺は、お金のことより気持ちの問題を話しているの」


夏子 「勇太郎に、私の恋愛の邪魔してほしくないの
俺 「……(´Д`)



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