内緒で律子がやってきた | 4.5畳の恋人。

内緒で律子がやってきた

間取図


元同僚の律子が家にやってきた……。

律子は、前にいた会社の同僚のなかでも
特に親しく飲んだり食ったりし合った仲だ。

やや強引なため……
夏子が翌日まで実家に帰っているため……
とうとう律子の「家に行ってみたい」リクエストを
断れずに呼んでしまった……。


律子 「おじゃましまーす♪」

「ま、あがって……」



律子 「ひぐぬっ!!
俺 「ケンシロウの敵すら叫ばない驚き方だな



律子 「これちょっとひどいでしょ~~。ここに二人?」

「うん……」


律子 「ど、どこ座ればいい?


「い、いま折りたたみテーブル出すから、そこらへんに座ってちょ」

律子 「……いやあ、それにしても勇太郎クン……この狭さはないでしょ~」

「はは……、彼女によると、現在は1.75畳のスペースはあるみたい」


律子 「スペースじゃなくて隙間でしょソレ(´Д`)


「はは……敷きフトンも頭の部分曲げないと敷けないからね」

フトン

律子 「……会社の仮眠室より狭いやん」

「それ禁句」

律子 「……」

「とりあえずさ、ビールでカンパイしよう♪」

律子 「そ、そうね。目が点になっちゃってビール忘れてたわ」



カンパーイ♪



「……プハーーー!! うまい♪」

律子 「ところでさ、彼女とはうまくいってるの?」

「あ、うん。順調順調♪」

律子 「ケンカとかしないの?」

「するよそりゃあ」

律子 「こんな狭い部屋で険悪なムードになったら最悪よね~」



俺 「うん。だから、夏子が悪くても俺が謝ることにしてる
律子 「あはは♪ それは重要重要」



「怒ってる人に怒りをぶつけたところで、また怒りを呼ぶだけ」

律子 「オトナや~ん!!」


俺 「4.5畳の狭い部屋に二人だから……俺が夏子を理解してやらないとね
律子 「エライ! オトナになったね♪ ジャンジャン飲もうっ♪」



……3時間後。



俺 「夏子なんて理解なんかできるかバカ!!!!!!!!!!!!
律子 「そうだそうだ!! ハッキリ言ってやんなきゃダメよ!!」


「着物買ってやったのに1度しか着ないしよぉ~!!」

律子 「ひどい!! 男にとっては着て欲しいものよね~!!」

「ファイナルファンタジーも買ってやったのに開封すらしない!!」

律子 「なんのために買ったのよって感じよね!!」

「ヘッドフォンしながら歌われたらヘッドフォンの意味ないだろ!!」

律子 「素人のオンチな歌なんて聴きたくないわよね~!!」

俺 「そ、それ言いすぎ(´Д`)



……2時間後。



俺 「あのオンチ度はノーベル賞モノだね
律子 「カラオケでひとりで歌って欲しいわね……」



「……んあ? いま何時だ?」

律子 「……しんな~い」

「……オンチオンチと…………んあ~3時……夜中の3時だ」

律子 「あそー……」

「………」

律子 「…………」


Zzzzzzzzzz…………


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