さて、情報の世界も完成近づきつつある。

戦争や医学から始まったこの世界は、スティーブ・ジョブズの熱い夢とビル・ゲイツの冷静なマーケティングにより誰しものものとなり、そこにアマゾンが広大なスーパーマーケットを打ち立て、フェイスブックが個人の住所を、ツイッターがパーティ会場を、インスタグラムが美術館を個人レベルに普及させた。

 

個人のネット事業がそこらへんの個人商店と変わらないというのも頷けるだろうか?では、どの様に個人商店を繁盛させるのか?

 

それこそ、「個人だからこそできる」という点にミソがあるのだが、個人のメソッドと圧倒的な成果を時間と共に開示するスタンスをとる事で、個人としては信用と個性の確立を、そして顧客には売上の上納金がないゆえのコストパフォーマンスの良さを提示する事ができる。

 

会社における鈍重さの原因は、戦争と同様なのだが、上層部の思想の固着による柔軟性の欠如と、義理人情によるマネジメントの蔓延である。

 

それにより、古参の「成功」した企業は第一次大戦を終えた後のフランスの様に、この成功が当然に続くと錯覚し、それを咎めようとする各思想を改めようとする内政混乱の最中、そこに団結の弱さを見出したドイツの標的となってしまった。また、今のロシアに当たるソビエトでも同時期に「大粛清」は行われ、代償と共に勝利を得た。これら両者の違いは直前に勝ったのか負けたのかに違いない。

 

ここで述べたいのは、一度大きな計画を成功させたという経歴は、精神的な資産に見える負債という事だ。必要以上の高級車やヨットと同じだ。常に時代の常識は変わり続けているに違いないのだが、成功の黄金則を破れば落ちぶれるという恐怖が、成功の為に失敗を繰り返すという当然の事を忘れさせてしまう。そうして超大国や資産家一家は慢性的な衰退を迎えるのだ。

 

琵琶法師のいう「盛者必衰の理」である。

 

さて、衰退を恐れて死を待つよりは早期の衰退を迎えても、その教訓を用いてまた新たな成功をより効率的に収めた方が利口であるとわかったであろうか?これは個人にも同じくであり、貯金をすれば金持ちになるなんて思っていれば、それは今に慢性的な衰退を迎えるに他ならない。

 

小さなトライ&エラーを繰り返して自分なりの時代に対するルールを確立する事で、時代に必要とされるシステムが自ずと分かり、いとも簡単に出資や開業に踏み切れるという訳だ。精神的な制約があれば人は動けないのだ。

 

この二回を通して伝えたいのは、「誰かが作り上げたシステムのコピー品を貯金して思考停止のままに実行しようとする愚か者に対する「世の中そんなに甘くないよ」という忠告である。真似するなら独自のエッセンスや理由を見出してからにしようね。」 という事だ。完...