風さわぐ原地の中で「古い本の赤い文字」 画像制作・ねじれた鏡像 文章・森田あゆ (ただしこの中に書かれていることは、本当の事です) 色あせた古い本の日焼けたページをめくると 懐かしい時代(とき)がよみがえる 四畳半一間の西陽のあたる部屋で 酔って 泣きながら猫と一緒に眠るあなたと その寝息を背中で聞きながら 膝を抱え 泣いている私がいる 裏表紙に刻まれた 赤いインクの文字 懐かしいね あなたは もういないのに あなたの青春が 赤いインクに滲んでいる