20日から4日間、宮城県登米市の友人宅で稲刈りのお手伝いをしてきました。
お天気にも恵まれ稲刈り日和でした。
友人の旦那さんがコンバインで刈り取り、その後、稲わらを乾燥させるため立てて行きます。
刈り取ったお米は一晩乾燥させて、次の日には脱穀し袋詰めをします。乾燥機を空にしなければ、刈り取りもできないので5日間ぐらい集中しての作業です。今年は天気に恵まれ順調のようです。
お邪魔虫的な私ですが、多少の手助けにはなったようです。
さて、この友人宅にはチロちゃんという雑種の女の子がいます。
外飼いで、犬小屋ではなく床下が寝床です。とても臆病で人が来たらすぐ床下に逃げ込んでしまいます。
さて、チロちゃんですが、何歳ぐらいに見えますか?
足腰も丈夫で散歩も嬉しそうに行きます。
目も見えます。歯もあります。
ただ、喉が潰れてしまったのか、声が出ません。人が来ても吠えないのは怖がりというより声が出ないからでしょう。
でも、散歩に行くと嬉しいのかゼェゼェというような声を出します。引っ張りもないので、カラーで締め付けられている音ではありません。
そんなチロちゃんの年は、聞いてビックリ!20余歳だというのです。
確かに9年前始めて友人宅に来た時、チロちゃんはいました。臆病なので姿はほとんど見ることができませんでしたが。
友人にも友人の旦那さんにも確認しましたが、成犬でうちに来て20年はいるとのこと!
確かに犬の寿命は伸びています。狂犬病、混合ワクチン、フィラリア予防、栄養満点のフード…。でも、20余年のチロちゃん、すごいです!
しかも、驚いたことに、狂犬病は打っていますが、混合ワクチンもフィラリア予防もしてないとのこと!
ご飯は、先日の残り物を朝一回もらうだけ。二日目のご飯は、前日のニラの卵とじのおすましがかかっていました。
ニラ?…やばいんじゃないか?
おそらく玉ねぎもニラもネギも与えられていると思います。冷ご飯が多く肉類は魚ぐらいです。野菜とご飯が中心です。
友人は、農家の嫁をやりつつ仕事も持っていて孫育てもしなくてはならず、チロちゃんの散歩も忘れがち。
床下から出たコンクリートの叩きがチロちゃんの居場所です。時々ご飯を食べに来る野良猫が友だちです。
3日間朝晩のお散歩に行くうちにすっかり仲良くなりました。こだわりの散歩道もあるようで、2日目からは私の顔を見ながらついて来るようにと案内してくれました。
ただ、一軒だけ坂道を登り切ったお家に行こうとするので止めましたが、友人に聞くと、昔その家に2頭犬がいてチロちゃんの友だちだったとのこと。もういないのですが、チロちゃんの記憶の中には生きているのでしょう。
混合ワクチンもフィラリア予防もなく、ご飯は残飯、暖かな部屋の中ではなく床下で土の上に寝る生活。たまに散歩に連れて行ってもらえるけど、ほとんどが庭先での排泄ーでも、20余年も元気にしている!
雑種だから血統書もない。でも、病気になることもなく具合が悪くなったことはない!(友人の記憶の範囲ですが)
これは一体何なんだ、と思わずにはいられません。
わんこの寿命を伸ばすため、狂犬病だ!ワクチンだ!フィラリアだ!手作り食だ!サプリメントだ!アロマだ!ハーブだ!マッサージだ!と、なんだかんだやっている都会のわんこに比べると、全く愛情をかけてもらってないようにみえるチロちゃん、でも、20余年です!
友人の記憶違いじゃないかと、アラフォーの娘さんにも確認しましたが自分が中学か高校の時にはいたとのこと!
お達者犬チロちゃん、参りました!
思えば、交配に交配を重ね作出され、可愛けど、どう高価なのかわからない血統書付きわんこは、何処か歪のようなものを背負って生まれて来ているのかもしれません。
過保護になりすぎるのも寿命を縮めているのかも?寒いからとダブルコートの犬に洋服を着せる、お家の中でエアコンの元で暮らす、手作り食でお腹一杯食べさせる…etc。もちろん、みんな善かれと思ってやっているのだけど。
そんなわんこたちがいる反面、地方ではチロちゃんみたいな、ほぼ野生児のようなお達者犬が元気に長寿を全うしている。
先日、ドッグトレーナー仲間に、外飼いなんてあり得ない!と言われて軽いショックを受けたけど、状況やその家の条件により十分あり得ると思っているドッグトレーナーです。
アメリカの友人は、家も庭も犬の自由にしていました。夏の暑い日は外の木陰に眠り、冬は暖炉の前に陣取る。散歩も行くが放し飼いなので、近くの森にも出かけて行く。まぁ、日本では難しいですがね、そんな飼い方。
わんこにとって幸せな生き方って何なんだろう?とチロちゃんと過ごした3日間、考えていた私です。