家畜と呼ばれる牛、馬、豚、山羊、鶏も人間と暮らしているが、犬のように人間に馴れることはない。
およそ1万4000年前、ヒトとオオカミが出会いお互いの利益のために、最初は距離を置きながら、やがて共に暮らし始めたと言われている。
長い歴史の中で、犬はオオカミから分化し、人間が目的を持って交配することにより、多くの犬種ができた。
目的別の犬種作出、まるで神のような技ではないか。犬の主は人間、と、多くの人が思っているが、この本の著者ジェフリー・M・マッソンは、ヒトはオオカミと暮らすことにより、人間になったと語っている。
オオカミも犬も、小競り合いやケンカをした時、すぐに謝罪のポーズをし悪かったことを謝る。そのことにより、お互い怪我をすることなく生存することができる。種が滅びることのないようヒトはオオカミから謝罪することを学んだ。
犬と暮らしたことのある人なら、犬の愛が無償の愛だとわかるだろう。愛したい、愛されたい、でも、見返りは求めない。こんなに愛してるのに見てもくれないと恨まない、妬まない。自分を捨てた飼い主を咬み殺してやろうと考えている犬はまずいないだろう。
ヒトはオオカミから愛することを学び、人間になった。そして、オオカミはヒトと暮らすことにより犬になった。
どちらが欠けてもダメだった。お互い影響しながら共存してきた、そして現在もこれからも。
西欧では「犬は神が与えし動物」と言われている。DOGを逆さまに読むとGOD。
犬を心から愛すれば、彼らは十二分に答えてくれる。なまじ人間より深い愛を返してくれる。
犬、人間と共に暮らすことが目的で生まれてきた、そんなことを考えさせられる一冊です。機会があったら、ぜひお手に取ってご覧ください。
さつきは今夜ものびのび*\(^o^)/*